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人事・労務

個人、チーム、会社のウェルビーイングを目指して

人事・労務

NECソリューションイノベータ株式会社

企業名

NECソリューションイノベータ株式会社

URL

https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/

業種

人事・労務

企業概要

NECソリューションイノベータは、NECグループの社会価値創造をICTで担う中核会社として、クラウド、AI、セキュリティなど、デジタル技術を活用し、ビジネスや生活の質を高めるデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献する製品・ソリューションやサービスを提供している。

高い技術力とイノベータの目線で社会価値を創造するソフトウェア&サービス・カンパニー「NECソリューションイノベータ株式会社」。

ワークエンゲージメントを高めることを目指す「ウェルビーイング経営」をはじめ、社内でのさまざまな取り組みについて、お話をうかがった。

近藤 邦洋 様(写真右)

NECソリューションイノベータ株式会社 人財企画部 シニアマネージャー

太田 侑香 様(写真中央右)

NECソリューションイノベータ株式会社 人財企画部 主任

佐々木 貴智 様(写真左)

NECソリューションイノベータ株式会社 事業支援部 プロフェッショナル

山本 美緒 様(写真中央左)

NECソリューションイノベータ株式会社 事業支援部 主任

メンタルヘルスケアに、組織の力で取り組む

御社が健康経営に力を入れ始めたのはいつくらいのことでしょうか?

近藤様:

以前から、職場内の健康保持の中でも特にメンタルヘルスに着目していましたが、当時は「起きてしまったことに対応する」という場当たり的な感じで予防に向けた施策の検討が十分に行えておりませんでした。また長時間労働への対策もさらに強化していく必要がある認識でいました。

2006年に厚生労働省が「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、4つのケア(セルフケア/ラインケア/事業場内産業保健スタッフ等によるケア/事業場外資源によるケア)を提唱したこともきっかけとなり、「これからは予防に舵を切っていかなくてはならない」と健康経営に力を入れるようになりました。

ティーペックのサービスは「ハロー健康相談24®」「こころのサポートシステム®」をはじめ、7つのサービスを2008年から利用しています。

メンタルヘルスケアにおける施策について教えていただけますか?

近藤様:

弊社独自の取り組みに「働き方アドバイザー制度」というものがあります。各職場で幹部社員であった人材を定年後に再雇用し、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントといった資格の取得も進めたうえで、職場に配置しています。会社のお父さん、お母さん的なイメージでしょうか。「最近どう?」「元気?」と新入社員や異動受入者、長期休業明けの社員など特に環境の変化があった社員を中心に声をかけ、彼らの悩みや不安に耳を傾けるといったマネジメントの後方支援をしています。

2012年から始めた制度で、現在、働き方アドバイザーは当社内に38名います。上司には直接言えないような悩みを聞いて、それを上司にさりげなく伝えるなど、現場にいた人材だからこそできる大切な役割を果たしてくれています。

また定期的に、全社の働き方アドバイザーが集まって、誰の相談かはわからないようにして、情報共有をする会も設け、一人一人の相談スキルアップに努めています。

太田様:

若手社員向けのメンター制度も設けています。新入社員に対して、できるだけ歳の近い社員がサポーターとしてついて、仕事面、生活面をサポートする仕組みです。実は今年、私たちのグループにも新入社員が入り、私がサポーターとしてついています。具体的には業務の指導と、週に1回の交換日記です。交換日記は週報のような堅いものではなく、率直に1週間にあった出来事、それに対してどう感じたのか、あとは困りごとなどを文章でやりとりしています。

会社生活へのスムーズな適応を促し、メンタル不調やコミュニケーション不全を防ぐ一助になる制度だと感じています。

また2年前から、全社員を対象に「1on1ミーティング」を導入しました。人事部門としても、トップメッセージを出して「1on1ミーティング」の有用性を全社員に周知してからのスタートでした。

佐々木様:

導入は丁寧に行い、まずは管理職以上を対象にした、限定的な実施でした。全管理職に対して「1on1ミーティング」に関する導入研修を2日間みっちり行った上で、全社員まで対象を広げました。

山本様:

「1on1ミーティング」が終わると、その内容を上司には見えない仕組みで部下が評価するのですが、評価フォームには「上司が話した割合と部下が話した割合」を書く項目があり「部下が話す場にしたい」という会社のメッセージを強く感じました。

社員ひとりひとりが、ウェルビーイングを意識することの大切さ

御社にはウェルビーインググループという、健康経営に特化したチームがあるそうですね。

佐々木様:

ウェルビーインググループには、私と山本が所属しています。ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的にも精神的にも健康であり、社会的にも満たされた状態にあることを意味する概念です。当社はウェルビーイングに関連するサービスも提供している企業として、社員全員がウェルビーイングに対して正しく認識し、各々が自分自身にとってのウェルビーイングを意識する必要があると考えています。

山本様:

最近は「ウェルビーイング経営」という言葉をよく耳にするようになりました。健康経営をより発展・深化させ、「マイナスに落ちそうな人をゼロに戻す」というハイリスクアプローチだけではなく、そこからさらに良い状態、もっとイキイキと、もっと元気に働く状態にしていくことを目標にしています。

具体的な取り組みとしては、社員がウェルビーイングについて理解するための「ウェルビーイングセミナー」を開催しています。先日は「幸福学」で知られている慶應義塾大学の前野隆司教授を、その前は幸福感や対人関係といった文化心理学がご専門の京都大学・内田由紀子教授をお招きし講演していただきました。

佐々木様:

そして弊社独自の取り組みとして、自社技術を活かし開発した社員向けの「健康ミッションアプリ」による健康増進活動があります。

山本様:

元の技術になっているのは、当社とお客様との共創活動から生まれた「ミッション型行動変容アプリ」です。このアプリは実施主体者が利用者に期待する行動を”ミッション”と”ポイント”でゲーム性を持たせ、利用者に楽しんでもらいながら期待行動を促すことができる仕組みとなっています。「健康ミッションアプリ」では健康に関するミッションをクリアするとコイン(ポイント)がもらえます。ミッションには、歩く、運動する、健康的な食事をするといった一般的なものもあれば、「水曜日は定時退社の日」と銘打ち、定時退社をするとミッションクリアというものもあります。また弊社は社会貢献活動にも力を入れていて、社会貢献団体の記事にリンクを貼り、それを読んでもらうミッションもあります。

弊社が開発した技術ですので、ミッション内容をフルカスタマイズできるのが特徴です。会社が目指すところや想いを総合的に理解しながら、エンゲージメントを高め、さらに健康づくりもしていくのが、このアプリの役割です。

佐々木様:

一般的なアプリであれば、集めたコインを商品などに換えられたりするのですが、物の獲得を目標とするのではなく、みんなで楽しみながら健康づくりができるよう、コインの獲得数は指標として、チームや個人で競い合ったり、また個人のかんばりの目安としてコインを活用しています。

山本様:

今年6月、初めての試みとして、たまったコインを指標化し、それに応じた現金を、社会貢献活動をしている団体に寄付するという形を導入しました。今後もよりよいアプリの形を検討していきたいです。

健康ミッションアプリ画面

ティーペックのサービスは、気軽に相談できる第三者

ティーペックのサービスを利用するようになったきっかけを、改めてお聞かせください。

近藤様:

契約のきっかけは、メンタルヘルスへの課題感からです。4つのケアに「事業場外資源によるケア」がありますが、心の不調は、場合によっては上司には伝えにくいものだと思うので、外部にも相談窓口を用意することは必要だと思いました。当時の担当者がティーペックのコンタクトセンターやカウンセリングルームを見学し、納得した上で契約したと聞いています。

最初に契約した2008年から変わらず、「ハロー健康相談24®」「こころのサポートシステム®」「法律相談サービス」「二次検診ヘルスケア・サポートサービス」「生活習慣病受診サポートサービス」「人事・労務ホットライン」「セカンドオピニオン手配サービス」以上、7つのサービスを利用しています。

ティーペックのサービスについてどう思われますか? また御社での活用状況について教えてください。

山本様:

私も「こころのサポートシステム®」の電話カウンセリングを利用したことがあります。仕事上のことで少し気持ちがささくれ立って「誰に話せばいいのかな」と悩んだ時に話を聞いてもらって。カウンセラーさんが丁寧に話を聞いてくれて電話を切る頃にはとてもすっきりした気持ちになったことを覚えています。

佐々木様:

現在、弊社でもリモートワークが進み、出社率は40%くらいです。そうした中では悩みを抱えても気軽に上司や同僚に相談できないという社員も少なからずいると思います。だからこのような気軽に相談できる第三者の存在は、より求められていると感じています。

近藤様:

どのサービスもいいですが、「こころのサポートシステム®」のカウンセリングはぜひ社員に利用してほしいと思っています。対面、電話、オンラインで相談でき、対面の場合だと1回50分、1年のうち1人5回まで無料(※1)で利用できます。「メンタルヘルス」とまではいかなくても、人生悩むことはいろいろありますし、ちょっとモヤっとしたくらいでも、気軽に受けてもらってもいいのかなと。通常カウンセリングは1回数千円くらいかかるものなので、ぜひ試してみてほしいです。

(※1)ご利用条件は契約内容によって異なります。

山本様:

確かに、カウンセリング=病気みたいな感じで、重く考えすぎている人が多いかもしれません。佐々木さんの言う通り、「気軽に相談できる第三者」と捉えてもらうのがいいですね。

太田様:

私は、年末年始に開いている病院リスト(※2)をチェックし、念のために保存しているのですが、若手社員にはそういう気軽な活用から始めて、ティーペックのサービスを身近に感じてもらうのがいいかと思います。

(※2)ティーペックでは医療機関検索サイト(メフィックス)にて、「ティーペック年末年始当番医検索」を無料公開しております。
   データアップの状況に応じて年末から年始にかけて情報公開をします。年末年始当番医検索の対象期間は12/31~1/3です。

近藤様:

社内のポータルサイトでは、ティーペックのサービスをいつでも使えるという情報は掲載していますし、社員向けの研修でも紹介しています。また人事で個別にメンタルヘルスの相談を受けるケースもありますので、「外部だから安心して話せますよ」とつないでいます。

社内と社外、双方に向けて、より積極的に発信を

最後に、健康経営の取り組みについて、今後の展望などお聞かせいただけますか?

佐々木様:

現在、健康経営優良法人の認定を受けてはいるのですが、次のステップとして、来年度に「ホワイト500」の認定を目指しています。健康経営における課題を分析、整理し、会社の経営層や社員をより巻き込みながら、戦略的に健康経営に取り組んでいければと思っております。

山本様:

施策の数はたくさんあり、大変充実しているのですが、それがうまくつながっていなかったり、社員に伝わっていなかったりしているのが現段階における課題だと感じています。社内に向けての発信はもちろんですが、同時に社外に対してもNECソリューションイノベータの健康経営に関する取り組みを伝えていきたいと考えております。

太田様:

以前は、長期間労働に起因したメンタルヘルスの不調が多く、長期間労働が減ればメンタルヘルスの不調も減るという感じだったのですが、現在は、長期間労働とはあまり関係ないところで起きるケースが増えていて、一律の施策では対応できなくなってきています。こうした状況を解決するためにも、ウェルビーイングやエンゲージメントの醸成に力を入れていく必要があると感じています。

近藤様:

もともと企業で「健康」というと、社員個人の健康がフォーカスされがちですが、大事なのは社員個人が健康で、かつ会社としても健康であるということだと考えます。お互いが幸せになることが大事。そういう意味で経営陣は「そもそも会社は、何のために社員の健康を大事にしているのか」を改めて問い直し、社内外にメッセージを出していくステージにきていると感じています。

さきほどエンゲージメントという言葉がでてきましたが、以前はモチベーションという言葉が多く使われてきたと思います。モチベーションは社員個人の中から生まれてくるものですが、エンゲージメントは、社員個人と会社が絆を結んでいる状態です。健康という観点でも、絆を認識できるような環境づくりに取り組んでいく所存です。

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