製薬会社
医師やMRからも好評。デジタルとリアルを組み合わせた骨粗しょう症の疾患啓発
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企業名
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旭化成ファーマ株式会社
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URL
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https://www.asahikasei-pharma.co.jp/
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業種
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製薬会社
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企業概要
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旭化成ファーマ株式会社は、マテリアル領域/住宅領域/ヘルスケア領域などの事業活動を展開している旭化成グループの事業会社で、医療用医薬品と診断薬の研究開発や製造・販売を行っている。
旭化成ファーマ株式会社は、医療用医薬品、診断薬の研究開発・製造・販売を行っている旭化成グループの製薬会社で、骨粗しょう症領域で長い歴史と実績を残している。
医薬品の提供以外にも何かできることはないかという意識から「骨粗しょう症の疾患啓発」も行っている。今回は疾患啓発に関する具体的な取り組みについて、ご担当の大黒様、八巻様に話を聞いた。
大黒聡様(写真左)
旭化成ファーマ株式会社 医薬マーケティング本部 骨領域事業戦略部(兼)経営企画部(兼)旭化成株式会社 延岡支社 延岡総務部 地域活性化推進グループ(兼)旭化成株式会社 M&I本部 イノベーション戦略室
八巻尚平様(写真右)
旭化成ファーマ株式会社 医薬マーケティング本部 骨領域事業戦略部
「骨粗しょう症による骨折をゼロにする」ための取り組みを実施
はじめに、御社の骨粗しょう症に関する取り組みをお聞かせください。
大黒様:
「弊社は骨粗しょう症領域での研究、開発、販売に40年近く携わってきました。自社の業績が好調な時もそうでない時も、まじめに整形外科の先生方に関わり続けてきました。その長年の積み重ねがあって、現在も先生方から信頼をいただけていると思います。」
日本において骨粗しょう症の患者は約1,280万人いるといわれている。しかし、実際に治療をしている患者は20%程度というデータも。骨粗しょう症は、痛みなどの自覚症状がない場合も多く、適切な予防や治療がなされていないケースが多い状況である。
大黒様:
「弊社では『骨粗しょう症による骨折をゼロにする』というコンセプトを掲げ、治療薬の提供にとどまらず、旭化成グループ内企業とも連携し、骨粗しょう症を予防するソリューションの開発や、宮崎県延岡市と共に『骨粗しょう症による骨折予防を目的とした健康長寿のまちづくり』に取り組んでいます」
「疾患啓発」に取り組まれた理由をお聞かせください。
八巻様:
「『骨粗しょう症』という名前は知れ渡っているものの、予防や治療の必要性は認知されておらず、特に閉経後の女性の罹患率はとても高いことから、多くの方が骨折して初めて骨粗しょう症に直面する問題があります。そのような現状を患者さんはもちろん、一般の方々にも広く知っていただくことで、骨の健康を守ることに貢献していきたいという思いがありました」
大黒様:
「これまで蓄積してきた骨粗しょう症に関する知見や歴史を活かし、医薬品の提供に留まらないソリューションを提供することで、この領域に貢献していく必要があると考えました。一般の方々にも、直接骨粗しょう症の基本的な情報をわかりやすく提供し、予防や検査の必要性を伝える活動を積極的に行っていくことにしたのです」
Webサイトを構築し、疾病啓発活動を本格化へ
具体的な施策内容をお聞かせください。
大黒様:
「疾患啓発活動として最初に思い浮かんだのが、骨粗しょう症に関する正しい知識やどこで検査が受けられるのかといった情報をわかりやすく伝えるWebサイトの構築です。骨粗しょう症に関する情報を必要とする人が訪れる受け皿を用意することで、そこから疾患啓発を始めていこうと考えました」
大黒様:
「疾患啓発のWebサイトを構築できる企業にお声がけし、コンペティションを実施しました。その中で“コールセンターと組み合わせて情報を伝えたり相談に乗ったりする手がより有効ではないか”というご提案があり、そのコールセンターを運営しているのがティーペックさんでした」
選定の際、どのような事柄を重視されましたか?
大黒様:
「Webサイトの構成として、ユーザー視点でご提案をいただけているかという点を重視しました」
八巻様:
「デジタルマーケティングではどうしてもWebサイト構築などのデジタル施策だけに注目してしまいがちです。しかし、疾患啓発のWebサイトを用意しても、高齢者の方にとっては敷居が高い可能性を危惧しました。だからこそ、デジタル施策とリアルの施策をつなぐメディカルコールセンターは非常に重要だと感じました。
ティーペックさんには普段から骨粗しょう症の相談もあると聞いており、実績がある点も安心できました」
大黒様:
「相談スタッフの方々が白衣を着て電話対応していることも衝撃的でした。とても臨場感があり、僕の中では決め手のポイントだったことを覚えています」
デジタル×リアルの取り組みが好評
旭化成ファーマ株式会社は、骨粗しょう症の疾病啓発Webサイト「骨検(ほねけん)-骨にも検診プロジェクト-」を2020年12月1日に開設。一般の方に向けて骨粗しょう症に関する情報をわかりやすく発信している。
また「骨のでんわ相談室」として、骨粗しょう症や骨の検査に関することを相談できるメディカルコールセンターを設置した。
骨検(ほねけん)-骨にも検診プロジェクト- 「骨のでんわ相談室」
Webサイト構築からサービス開始までの期間は?
八巻様:
「構築にかかった期間は5カ月ほど。デジタルを活用した本格的な疾患啓発活動ははじめての経験で、社内調整などに多くの時間を要しました。メディカルコールセンターの設置で気を遣ったのが、製造販売後安全管理業務に関する管理基準などのレギュレーション対応です。非常に厳格な審査基準があるのですが、監査対応においては弊社の要望をくみ取っていただき、スピード感を持って対応いただけました」
サービス開始後の反応や気づきがあれば、お聞かせください。
八巻様:
「まず、社内のMRが自社の商品を売るだけではなく、本取り組みについてアプローチできるようになりました。その結果、“患者さんや社会に貢献できている”とMRが実感できるようになり、パフォーマンスも向上しているように思います。また、整形外科の先生からは『潜在患者の方が検診してもらえれば、早い段階から治療を開始できる。とてもいい取り組みだ』といった期待の声をいただきました。まさに、患者さん、医療機関、旭化成ファーマそれぞれにとって“三方良し”の取り組みと言えるでしょう」
大黒様:
「“骨検(ほねけん)”や“骨のでんわ相談室”ができたことにより、社内の様々な人がこのプロジェクトに興味を持っていただくようになりました。会社としても疾患啓発の重要性が認知され、気運も高まっています。デジタルとリアルを融合させるといった知見についても、今後の成果次第では他の領域の疾患啓発などへの横展開も可能かもしれません」
メディカルコールセンターに蓄積される相談情報の活用に期待
メディカルコールセンターに期待することや、御社の展望があれば、お聞かせください。
大黒様:
「サービスが始まったばかりで、まだ入電件数が少ないため、「骨のでんわ相談室」の情報分析はこれからですが、必要な情報をMRにも展開していきたいですね。
骨のでんわ相談室の特設ページを作って、相談を迷っている方々にどういった相談ができるのかといった情報を提供していってもいいかもしれません」
八巻様:
「製薬メーカーとしては市販後における安全性情報の収集は大事な責務ですので、コールセンターを設置する場合、弊社の安全性管理部門とも密に連携を取れる体制を構築することが大事なポイントになります。一方で、相談データを分析することで、実際の患者さんのお声やご要望などが見えてくると思っていますので、こうした情報は現在の事業ドメイン以外のサービス開発にも活かすことができそうです。そういった意味でも、メディカルコールセンターには大きな期待を持っております」
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