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黒子から表舞台へ ティーペックの新しいブランドコミュニケーション (2)「plus Baton(プラスバトン)」から広がる未来のヘルスサポートの形

2020年に社長交代をしてから3年。2023年10月のロゴマークリニューアルに象徴されるティーペックのリブランディング、そして健康サポートサービスのデジタル化を推進させて誕生した健康サポートWebサイト「plus Baton(プラスバトン)」について、鼠家和彦社長にお話をうかがいました。

前半はこちら》黒子から表舞台へ ティーペックの新しいブランドコミュニケーション (1)「つなぐ」を意識したリブランディング

※本記事は2023年10月25日のForbesJAPAN掲載「日本の新しい健康インフラになる ウェルビーイングを支え続ける T-PEC が描く未来」に付随した記事です。
聞き手:医療ライター 瀬田尚子

ティーペックのサービスを、全て集めたWebサイト「plus Baton」

―――― ティーペックのリブランディングの一環として進めている取り組みとして、plus Batonのお話がありましたが、開発の経緯を教えてください。

plus Batonは、3年前に社長になった時から構想していたものです。実は健康相談の約3割はお母さんからで、その内容はお子さんや家族についての内容というのは、サービスの提供が始まってからずっと変わっていません。

ティーペックのサービスは電話健康相談がベースとなってきましたが、今や20代から40代のお母さんは電話をしない世代。電話する時はLINEで「電話していい?」と聞いてから電話をしますよね。ご利用者の使う手段が変わってきている中、電話という方法をベースにしたサービス設計を変えたいというのが、社長になって、まずやりたかったことでした。

plus Batonは、ティーペックのサービスを全て集めたWebサイトです。チャットボットでの健康相談、オンラインでのメンタルのカウンセリング、セカンドオピニオンの相談や予約の申し込みなど、スマートフォンから気軽に、さまざまなサービスが利用できるようにしました。そして、もちろんスマホですから、押せばそのまま電話で相談できます。

また、plus Batonのチャットでは相談の履歴が残ります。体に起こることは年齢を重ねるごとに変わってきますが、連続性があるデータは、ご自身の健康を考える上で大切なものになるはずです。

広がるplus Batonの未来図 マイナンバーカードとの連携も

―――― plus Batonの未来について、展望を聞かせてください。

現在、plus Batonは保険会社のマーケットのみですが、今後、健保や企業、団体など、様々なマーケットに入っていく予定です。まだまだティーペックの健康相談は電話によるものが大半ですが、これからは「plus Batonからチャットで健康相談をした」など、最初の接点がプラスバトンになっていくと考えられます。

また相談の履歴が残りますので、場合によってはplus Batonを通じて、我々の方から「その後、どうですか?」というお声がけもできるとかと。「何かに登録してしまうと、いろいろアプローチがきて困る」という話も聞きますが、もともと我々は電話相談をやってきたノウハウがありますので、適度な距離感は得意とするところです。病気になるとわからないことだらけで、不安な気持ちになると思いますが、35年間の電話相談の経験を活かして、ご利用者の力になりたいと考えています。

さらにplus Batonの相談履歴は、マイナンバーカードとデータを連携すると受診に役立つのではないかと考えています。それまでの相談内容や症状などの情報がマイナンバーカードに入っていれば、医療機関に行くたびに一から病状などを伝えなくても良くなります。患者さんが、熱や痛みなので大変な中、問診票にいろいろ書くのは本当に大変ですし、「病院で病状をうまく説明できない」「聞きたいことを伝えられない」という悩みもよくうかがいます。そしてドクターにとっても、整理された情報があれば少し楽になるのではないでしょうか。

もともとティーペックでは、セカンドオピニオンサービスにおいて、利用者さんから聞いた情報を整理して、セカンドオピニオンの先生に伝えるという役割を果たしてきました。医療機関側からは「ティーペックからきたセカンドオピニオンは、聞きたいことが明確になった情報が事前に届くので、大変わかりやすい」とおっしゃっていただいています。ですので、通常の診療でも、患者さんとドクターの間に入って情報を整理するような機能を果たせたらと考えています。

それから、問診では家族歴を尋ねられますが、両親まではわかっても、祖父母、両親の兄弟姉妹となるとだんだんわからなくなってきますよね。将来的にplus Batonが世代を超えてつながっていくことで、自然にデータは集まってきます。例えば、お母さんには乳がんや卵巣がんの罹患歴がなくても、お母さんの姉妹や親戚には乳がんや卵巣がん罹患者が多いということもあるでしょう。もし遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のリスクが事前にわかれば、遺伝子検査など早めに適切な医療にアクセスできるはずです。

受診の無駄を省き、医療費の削減につなげる

―――― plus Batonの「かんたん病院検索」は便利ですね。
「自分で判断して行ってみたら診療科が違うと言われた」「希望の医療が受けられなくて、あちこち病院を回っているうちに時間が経ってしまった」など、受診の悩みをよく耳にします。

日本には国民皆保険制度があり、フリーアクセスでどの病院にも行けますが、なかなか適切な医療機関にたどり着けず、困っているという相談は、これまでもティーペックに多く寄せられてきました。「かんたん病院検索」は希望のエリアの医療機関をマップ上で検索できる機能ですが、診療科がわからないときは、電話ですぐコンタクトセンターの看護師に相談できるようになっています。実は医療機関にはそれぞれ得意な疾患があります。ティーペックは全国の医療機関に関する詳しいデータ持っているので、相談者さんの状態をうかがうことで、適切な医療機関におつなぎできます。だから、あちらこちらと病院を回って、時間や労力、お金を無駄にすることがないのです。

極端な話、大きいところなら大丈夫だろうと、風邪でも有名な大学病院へ行くという人もいますが、大学病院が何でも全部強いわけではありません。また、そういう患者が増えることで、大きな病院でしかできない医療を行うことが難しくなることため、国ではかかりつけ医制度の導入を決めました。

かかりつけ医を持つのはいいことですが、それだけで受診の無駄を解決できるとも限りません。かかりつけ医に行く前に、まずティーぺックに電話する。そういう仕組みがあれば、適切な受診が進み、結果として日本の医療費が抑えられると思っています。9月1日に、厚生労働省から令和4年度の概算医療費は46兆円と発表がありましたけど、毎年2兆円ずつ、4%ずつ増えています。さらに今後、少子高齢化が進みますので、国民皆保険制度はもう完全に破綻しているといえますが、かといってフリーアクセスもやめることもできない状況です。

一案ではありますが、もし健康相談が公的保険の適用として認められるようなれば、健康相談が皆さんにとって身近になり、無駄のない受診につながることで、医療費の削減になるはずです。これまでも、ご利用者と医療機関をつなぐ役割を果たしてきたティーペックだからこそ、現在、そして未来の医療に貢献できることは多いと考えています。

―――― 鼠家社長、ありがとうございました。
(医療ライター 瀬田尚子)

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