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黒子から表舞台へ ティーペックの新しいブランドコミュニケーション (1)「つなぐ」を意識したリブランディング

2020年に社長交代をしてから3年。2023年10月のロゴマークリニューアルに象徴されるティーペックのリブランディング、そして健康サポートサービスのデジタル化を推進させて誕生した健康サポートWebサイト「plus Baton(プラスバトン)」について、鼠家和彦社長にお話をうかがいました。

※本記事は2023年10月25日のForbesJAPAN掲載「日本の新しい健康インフラになる ウェルビーイングを支え続ける T-PEC が描く未来」に付随した記事です。
聞き手:医療ライター 瀬田尚子

ご利用者がサービスを選ぶ時代に、即した発信を

――――― 2023年10月にティーペックのロゴマークがリニューアルされました。どういう経緯でリニューアルに至ったのでしょう。

新しいロゴマークのキーワードは「つなぐ」です。ご利用者が健康であり続けるために、ご利用者と医師、医療機関、専門家とをしっかりとつなぐ役割を果たしていくという思いをロゴにしました。オレンジ色はご利用者で、青色はティーペックです。現在はSNSの時代であり、ご利用者がサービスを選んでいく時代となりました。マネタイズとしてはBtoBtoCですが、ご利用者が選ぶ時代にふさわしい発信をしていきたいと考えています。

2023年9月から36期目を迎えましたが、今までのティーペックは、やはり「黒子」だったように思います。「保険会社の〇〇サービス」または「健康保険組合の△△サービス」という形でティーペックのサービスを提供してきましたが、ご利用者は保険会社や健保のスタッフが対応していると思っています。もちろんそれは、利用のハードルを下げるためのひとつの方法だったのですが、時代は変わりました。このロゴリニューアルを機に、ご利用者にティーペックの存在とサービスを知ってもらうため、サービス紹介のWebサイトやパンフレットなどにティーペックの新しいロゴと社名を載せてもらうことをお願いしています。

――――― 黒子ではなく、これからは存在を発信していく。ロゴマークのリニューアルはそのひとつのきっかけなのですね。

ティーペックのリブランディングについては、3年前に社長になった時から考えていました。いろいろと取り組んできたのですが、やはり35年間も黒子としてサービスを提供してきたためか、「ティーペックは表に出てはいけない」と思ってしまっているような文化もあり、なかなか社内のベクトルを合わせることができずにいたのです。我々の位置付けを強く押し出せない現状を変えるため、何かきっかけが欲しいと思っていました。

例えばPC向けCPUの製造で有名な半導体メーカー「インテル」が、エンドユーザーに向けて「インテル入ってる」というキャッチコピーでキャンペーンを展開していました。「メーカーごとにパソコンのデザインは異なっていて、それはそれで大切だけど、一番重要なのはCPUですよ」とインテルは伝えたいわけです。同じように、健康管理、健康維持のサービスもいろいろありますが、従業員の健康を守っていくためには、「どこが提供するサービスなのか」が重要です。

「会社は従業員のウェルビーイングをどう考えているのか」「より良いサービスを福利厚生として提供してほしい」など、従業員の健康への意識が高まっていく中、企業側も従業員の意向を無視して健康サービスを決めることは難しくなるはずです。だからこそ、ご利用者にティーペックの存在とサービスをもっと知ってもらい「うちの会社は従業員を大切にしてくれているので、ティーペックのサービスを導入している」と言ってもらえるような形に持っていきたいのです。どこが提供しているかわからないという黒子のままでは、これからは通用していかないでしょう。

ティーペックは「日本の健康インフラになる」というビジョンを掲げていますが、人々が心身ともに健康に暮らすという未来の実現に、ティーペックがなくてはならない存在であり続けたいのです。そのためにも、ティーペックの存在を広く知ってもらえるよう発信を続けていきたいと思います。

スピード感を持って、変えるべきことは変える

――――― このリブランディングの一環として進めている取り組みはありますか。

まずは「plus Baton(プラスバトン)」です。ティーペックのすべての健康サポートサービスが集約された Webサイトです。これまでは、契約している保険会社や健保組合がサービス名称をそれぞれ変えていましたが、「plus Baton」については名称を変えることなく利用してもらう形にしました。現段階では表立ってティーペックの名前は出してはいませんが、まずは最初の一歩です。小さな一歩ですが、ティーペックでは初の試みとなります。

今後はご利用者に向けて、ティーペックの知名度を上げていきながら、ロゴを入れてもらうなどティーペックのサービスであることを伝えていきたいと考えています。

また健康相談などに対応する部署の名称を「コールセンター」から「コンタクトセンター」に変更しました。電話相談から始まったので「コールセンター」という名称でしたが、今や相談を受ける手段は電話だけではなく、チャット、オンラインの面談など多岐にわたっています。「役割にふさわしくない名称は変える」ということで、スピード感を持って対応しました。

この「コンタクトセンター」への名称変更も、ロゴのリニューアルもそうですが、「変える時は変えるし、守り一辺倒ではない」という社内に向けてのメッセージも含んでいます。

――――― リブランディングを行う上で、社内改革もすすめているとうかがいました。

今のティーペックに求められているのは、「お客様、そして時代のニーズに合わせて、スピード感を持って変わっていく」ことです。社内には「年間100万件の電話相談を受けているのはティーペックだ」と過去の成功体験にとらわれているようなカルチャーがあることも否めませんし、「電話で相談を受ける」「黒子としてサービスを提供し続ける」ことだけにこだわる保守的な空気も未だにあリます。だからこそ「変えていくべきことは、変えなくてはならない」と発信したかったのです。

社長になってすぐ、全社的に役職で呼ぶことは廃止し、「さん付け」で呼ぶことにしました。だから私を社長と呼ぶ人は社内にはいません。「鼠家さん」です。すると面白いことに、いいアイデアが出るなど会議が活性化したのです。もちろん「さん付け」になっても、頭では役職はわかっているのですが、人間って不思議なもので、〇〇部長、△△課長と口に出して言っていると変なバイアスかかるんですよ。「さん付け」だと、よりフラットな会議になるので、ディスカッションしたり、アイディアを出したりする会議では非常に有効です。またこうした積み重ねが、よりフラットな組織の醸成にもつながると感じています。

―――社内のスピード感を高めるために、取り組んできたことを教えてください。

この3年間、社内の「権限移譲」を強く進めています。0から1のサービスが生みだした時代は、どちらかというとトップダウンの組織でした。その時代はそれで機能していましたが、結果として指示待ち型の組織になってしまいます。成長に応じてどんどん権限移譲を進めて、スピード感を高めていく必要があると考えています。

社内に商談ブースを新設したのですが、こうした会社の環境整備や改善を、主任以下の若手のメンバーに任せています。今回の新ロゴの選定に関しても、若手メンバーが集まってやっていまして、おじさんたちは関わっていません。仕事を任されることで、自分自身で責任を持って考えるようになりますから、その他の業務に関してもどんどん判断が早くなっていて、良い変化を日々感じています。

後半はこちら》黒子から表舞台へ ティーペックの新しいブランドコミュニケーション (2)「plus Baton(プラスバトン)」から広がる未来のヘルスサポートの形

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