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2026.10.20
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秋の夜長を活かした質の良い睡眠習慣をつくるコツ~ティーペック健康ニュース
日が短くなり夜が長くなる秋は、睡眠習慣を見直す絶好の機会です。夏の暑さで乱れがちだった睡眠リズムを整え、質の良い睡眠を取り戻しましょう。今回は、秋ならではの特性を活かした快眠のための環境づくり、就寝前のリラックス習慣、体内時計の整え方など、良い睡眠習慣をつくるための実践的なコツを紹介します。
秋の夜長は眠りやすい?睡眠と季節の関係性
睡眠時間は季節の影響を受けることが分かっています。1日の平均睡眠時間は、秋の訪れとともに徐々に長くなり、冬には夏よりも10~40分程度長くなります。
夏は他の季節よりも睡眠時間が短くなりやすく、睡眠の質も低下する傾向にあります。その理由として、夏は日照時間が長く夜が短いことや、寝室が高温・多湿になりやすいことが考えられています。一方、秋になると日照時間が短くなり、気温も下がって安定するため、睡眠時間は長くなる傾向にあります。つまり、夏が終わった今の時期は、質の良い睡眠習慣を形成するチャンスともいえるのです。
しかし、秋は体調を崩しやすい季節でもあります。秋分の頃までは、朝晩の涼しさと日中の残暑によって、1日の寒暖差が大きくなる傾向があります。また、秋雨前線や台風の影響で気圧も変化しやすくなります。こうした気候の変化に自律神経の調節が追い付かず、体に不調が現れることも珍しくありません。そのため、季節の変化に上手に適応しながら、睡眠習慣を整えていくことが大切です。
良質な睡眠のカギを握る「体内時計」と「深部体温」
良質な睡眠を手に入れるには「体内時計」と「深部体温」を意識することが重要です。
私たちの体には、約24時間の周期で睡眠と覚醒、体温、ホルモン分泌などを自動的に調整する「体内時計」という仕組みが備わっています。体内時計は、朝の光を浴びることでリセットされ、実際の24時間周期とずれないよう調整されています。
一方「深部体温」とは、皮膚表面ではなく脳や内臓など体の内部の温度を指す言葉です。体内時計に連動して1日のうちで変動し、日中活動する時間帯には上昇し、夜間の休息する時間帯にかけて低下するというリズムになっています。
体内時計と深部体温は密接に関係しています。体内時計が夜の訪れを察知すると、体は手足の血管を広げて熱を外へ逃がし、深部体温を下げようとします。この体温の下降が脳に「眠る準備が整った」という合図を送り、自然な眠気を引き起こすのです。つまり体内時計が深部体温のリズムをつくり、その深部体温の変化が眠気や覚醒をコントロールする関係といえます。
良質な睡眠習慣のためのポイント
睡眠による休養効果を得るには、睡眠時間を確保することと、睡眠の質を上げることの両方が必要です。適正な睡眠時間は個人差がありますが、成人の場合、6~8時間程度確保することが推奨されています。
睡眠の質を高めるためには上述したように、「体内時計」と「深部体温」を意識することが大切です。具体的なポイントを以下で紹介します。
●寝室の環境を整える
寝室が暑過ぎても寒過ぎても体温調節が上手くいかず、適切に深部体温を下げることができなくなってしまいます。エアコンの設定温度は小まめに見直し、室温が25~28度になるよう調整しましょう。
また、寝室の空気が汚れていると呼吸が浅くなり睡眠の質が低下します。定期的な掃除や空気清浄機の使用で花粉やほこりを除去して、空気を清潔にすることが大切です。
寝具を見直すことも重要です。就寝中にすぐに掛けられるように毛布などを用意しておき、長袖のパジャマを着ることで、朝晩の涼しさへの対策をします。枕はあおむけのときに頭の位置が立ち姿勢に近い状態を保つことができ、呼吸がスムーズにできるものが適しています。
●日中に体を動かす
日中の適度な運動は深部体温のサイクルを整えて睡眠の質を良くする効果があります。運動で深部体温が上昇した後、全身の血液循環が高まり、体の熱の放出が促進され、深部体温が下がるのです。そのため、就寝の2~4時間前までに運動をすることで、寝付きが良くなります。
息が弾み汗をかく程度に、1日60分ほど体を動かすことができれば理想的ですが、無理は禁物です。近い距離は車を使わずに歩く、エレベーターを使わず階段を利用するなど、運動量を増やして習慣化する工夫をしましょう。スポーツの秋は気候が良く、運動するのにも最適な季節です。まずは、1日10分多く体を動かすことを目標に、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
●食生活を整える
不規則な食生活は、体内時計のリズムを乱し睡眠の質の低下を招きます。毎日しっかり朝食を取る、就寝直前の夜食を控えるといった規則正しい食生活を心掛けることが大切です。
また、塩分を過剰に摂取すると夜間の排尿回数が多くなります。日中に摂取した塩分の過剰分は睡眠中に排せつされるためです。日頃から減塩を心掛けることで、夜中に尿意で目を覚ます回数を減らすだけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。
カフェインやアルコール、ニコチン(タバコ)は睡眠の質を低下させます。就寝前のカフェイン飲料やアルコールの摂取は控え、喫煙している場合は禁煙を検討しましょう。
●湯船につかる
入浴にはリラックス効果だけではなく、寝付きを良くする効果もあります。
湯船で体を温めると、体はいったん上がった熱を外に逃がそうとして、手足の末端にある血管を広げます。すると、お風呂から上がった後に熱を発散する働きが活発になり、入浴前よりも深部体温が大きく下がります。この体温の下降幅が急であるほど、脳は眠る準備が整ったと判断しやすくなり、強い眠気につながるのです。しかし、体が熱を発散し深部体温が下がりきるまでには時間がかかります。そのため、就寝の1~2時間前までに入浴を済ませておくと、ちょうど寝る頃には深部体温が下がり、スムーズな入眠が期待できます。
●光と上手に付き合う
起床時に朝日を浴びることで体内時計が修正され、寝付きが良くなります。寝室のカーテンを顔から遠い所で5cmほど開けておくと、朝の光が差し込み気持ちよく目覚めることができます。
寝室の照明が明る過ぎたり青白かったりすると、脳が活性化してしまい睡眠の質が低下します。暖色系の電球に替えたり、間接照明を使ったりすることで落ち着いた雰囲気になり寝付きが良くなります。
また、就寝前に強い光を浴びると、体内時計が乱れるだけでなく、睡眠を促すホルモンのメラトニンの分泌が抑制されることから、入眠が妨げられてしまいます。就寝の2時間前にはスマートフォンやタブレット端末の使用は控えましょう。
最後に
睡眠と密接な関係のある体内時計と深部体温ですが、自分の意志でスイッチを切り替えるように、自由に調整することはできません。これらは、脳の視床下部という器官によって自律的に制御されているためです。心臓の鼓動を自分の意志で動かすことができないのと同じといえばイメージしやすいかもしれません。「そろそろ寝る時間だから、深部体温を下げておこう」といったことは不可能なのです。
しかし、今回紹介したポイントを実践することで間接的に、体内時計や深部体温に影響を与えることができます。そのため、毎日の生活習慣を見直すことが、良質な睡眠習慣につながるのです。
過ごしやすい気候が続く秋の時季。今のうちにできることから始めてみませんか。

