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ティーペック健康ニュース

第321号 2019/06/10  
発行:ティーペック株式会社

『歯の健康は全身に影響する』

 口内のトラブルの代表といえば、虫歯と歯周病です。特に歯周病は、進行すると歯を失うだけにとどまらず、歯周病菌が血管を巡って体の各臓器に悪影響を及ぼすことが指摘されています。日本人は成人の約8割が歯周病にかかっているとされていますが、これからは歯を守るだけでなく、あらゆる病気の予防として歯周病にならない、あるいは早期に発見し治療する意識を持つことが重要です。
 歯周病の始まりは歯茎の炎症から
 歯周病は、口内にある歯周病菌が、歯の周囲の歯茎や、歯のセメント質、歯根膜、歯槽骨などの組織を破壊してしまう、歯と歯茎の病気です。歯磨きが十分できていないと、歯と歯茎の間にある、わずかな隙間(歯肉溝)に歯周病菌の塊であるプラーク(歯垢)が繁殖します。プラークを放置していると歯茎に炎症が起こり、さらに大きな歯肉溝である歯周ポケットができます。この最初の段階は歯肉炎と呼ばれます。歯肉炎をそのまま放っておくと、歯を支えている歯槽骨までもが溶かされる歯周炎になって、重度まで進行すると歯が抜け落ちてしまいます。
  しかも、歯周病は近年、こうした単なる歯と歯茎の病気というだけでなく、もっと恐ろしいさまざまな病気の原因になってしまうことが分かってきました。
 放置すると全身の病気の原因に
 歯周病菌は血液中でもしばらく生きることのできる特殊な細菌です。歯周病が進行すると歯茎から歯周病菌が血管の中に侵入し、毒素を出しながら血流に乗って全身を巡ります。やがて、体中の臓器に影響し、動脈硬化による脳卒中・認知症・狭心症・心筋梗塞をはじめ、肺炎、糖尿病、骨粗しょう症、リウマチ、がんなど、さまざまな病気のリスクを高めてしまいます。
 歯周病と糖尿病の密接な関係
 最近では、歯周病と特に関連が深い病気として、糖尿病が問題になっています。糖尿病になると細菌への抵抗力が低下し、感染症である歯周病になりやすくなります。また、歯周病菌の持つ毒素は、血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きを低下させるため、歯周病が糖尿病を悪化させる要因となります。糖尿病を進行させないためにも、糖尿病と診断されたら、内科での治療と同時に、歯科で口腔ケアをしてもらう必要があります。
 一方で、歯周病と糖尿病はこのような負の相関関係だけでなく、糖尿病の治療をすることで歯周病が改善したり、逆に歯周病が改善したことで血糖値が下がったという、治療により良い影響を及ぼし合うという報告もあります。
 血糖値が気になる人は、歯周病になっていないか、日頃から口内について注意し、定期的に歯科医院でチェックするようにしましょう。

(参考:東京都の糖尿病医療連携の取り組み)
 東京都では「糖尿病地域連携の登録医療機関」の事業を推進しています。登録医療機関は、「かかりつけ医」「専門医」「かかりつけ眼科医・歯科医等」の立場から、紹介・逆紹介などを通して患者の症状に応じた糖尿病の医療連携を行います。予防から治療までの一貫した糖尿病対策を推進し、糖尿病患者一人ひとりにあった療養指導を行うのが目的です。
 東京都福祉保健局 東京都における糖尿病医療連携の取組
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/iryo_hoken/tounyoutorikumi/index.html
 タバコは歯茎を破壊するリスクも
 歯周病への喫煙の影響も見過ごせません。タバコの煙が最初に通る口は、煙の影響を最も受けやすい器官の一つです。ヤニが歯に付くと見た目が悪いだけでなく、プラークが落ちにくくなり、歯周病や虫歯が悪化します。また、ニコチンなどの影響で、歯周病と闘う白血球の働きが低下し、歯茎や歯槽骨が破壊されやすくなってしまいます。まさにタバコは「百害あって一利なし」といえるでしょう。
歯周病予防のために定期検診を受けましょう
 歯周病は痛みが少ないまま進行します。痛みがなくても3〜6ヵ月に1回、定期的に健診を受けることが大切です。
【定期検診のメリット】
異常を早期に発見・治療できる
自覚症状がないうちに歯周病を見つけることができるので、早期の治療により歯を失わずに済み、歯周病による全身の病気のリスクもなくなります。
プロのクリーニングで歯や歯茎もピカピカに
歯石の除去など、歯科医院でしかできない歯や歯茎の清掃を受けることができます。
口のセルフケアを指導してもらえる
歯科衛生士に相談すれば、上手なブラッシングのコツや歯間ブラシやデンタルフロスを使ったクリーニングの方法など、口の健康を保つための毎日のケアについて指導が受けられます。
◇   ◇   ◇
 口内を健康に保つには毎日の歯磨きが大切ですが、自分で落とせる汚れは90%が限度といわれています。そのため、予防効果を高めるためにプロによる歯のクリーニングが有効になります。歯科医院で受けられる歯のクリーニングには、歯石を除去するなどの保険診療のものと、歯の表面の汚れまでしっかり除去する、原則自費診療のPMTCがあります。
 PMTCは“Professional Mechanical Tooth Cleaning”の略で、専用機器による歯面清掃のことをいいます。スウェーデンの歯科医が提唱した予防医学の施術の一つで、資格を持った歯科医か歯科衛生士が専用の機器を使って、歯磨きでは取りきれない歯石やステイン(歯の着色汚れ)、プラークなどを除去します。
 PMTCの目的は治療でなく歯の表面清掃のため、現在はほとんどが自由診療になっていますが、治療の一環と認められるケースでは一部で保険診療になる場合もあるようです。費用は歯科医院により異なり、1回3,000円から2万円程度と幅があります(初回と2回目以降でも異なります)。近年は、仕上がりや通院回数の少なさなどのメリットから、PMTCを選ぶ人が増えてきているそうですが、こうした高度な歯のクリーニングは、歯周病だけでなく全身の病気の予防にも効果的といえるでしょう。

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