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ティーペック健康ニュース

第258号 2014/05/10  
発行:ティーペック株式会社

『手づくりお弁当の食中毒対策』

 厚生労働省の「平成24年食中毒発生状況」によると、食中毒は年間を通して発生していますが、11月から4月は主にウイルス性の食中毒が、6月から9月は主に細菌性の食中毒が多く発生しているという傾向がみられます。
 気温や湿度が高く細菌が発生・増殖しやすい6〜9月は、レジャーや行楽などに、手づくりや買ったお弁当などを持って出かける機会も増えます。手づくりのお弁当などを野外で食べるときは、食べるまでに気温の高いところに長く置くことが多いため、食中毒発生の危険性が高まります。
 細菌が増殖しやすい条件や除菌方法などを知り、予防のための基本をきちんと守れば、食中毒の発症は未然に防ぐことができます。
 細菌の活動が活発な夏場には、特に気をつけたい細菌性食中毒
 食中毒の原因としては、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やサルモネラ菌などの「細菌」、ノロウイルスなどの「ウイルス」、ふぐや毒きのこなどの「自然毒」、添加物や洗剤などによる「化学物質」などが挙げられます。
 細菌は、付着した食べ物の中で大増殖します。その増殖した細菌で汚染された食べ物を摂取することで細菌性食中毒を引き起こします。細菌は20〜40℃で活発に増殖し、特に35℃前後で増殖するスピードが最も早くなります。また、多くの細菌は湿気を好むため、高気温や高湿度という細菌が発生・増殖しやすい条件が整う6〜9月は、細菌性食中毒への細心の注意が必要です。
 一方、ウイルスは、付着した食べ物の中でみずから増殖することはありません。付着した食べ物とともに摂取されたウイルスが、腸管内で大増殖することで、ウイルス性食中毒を引き起こします。
 基本は、「つけない」「増やさない」「やっつける」
 食中毒対策の基本は、細菌やウイルスを「つけない」「増やさない」「やっつける」を徹底して行うことです。
 その方法として、まず第一に、「洗う」こと。細菌やウイルスが食べ物につかないように、必要に応じて、手、食材、調理器具などをこまめに洗いましょう。生の肉や魚を切ったまな板、包丁などでそのまま野菜などを切るのは避け、必ずよく洗って、できれば殺菌してから使用しましょう。
 第二に、食材は「低温で保存する」こと。細菌は、10℃以下で増殖が緩やかになり、−15℃以下になると増殖が低下します。肉や魚介、野菜などの生鮮食品は、新鮮なものを選び、購入後できるだけすぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れましょう。ただし、細菌の増殖が完全に止まるわけではありませんから、冷蔵庫や冷凍庫を過信せず、早めに使い切ってください。
 第三に、しっかり「加熱する」こと。食中毒の多くは、細菌やウイルスが付着した食べ物を、加熱不十分または生の状態で体内に取り込んでしまうことで発症します。細菌やウイルスを死滅させるのに最も効果的な方法が加熱です。食材は中心部まで十分に加熱しましょう。特に、肉や魚介は、中心部の温度が75℃で1分以上の加熱が目安となります。また、調理後の調理器具やふきん、食器用スポンジなども、洗剤でよく洗ったあと、熱湯消毒やアルコール消毒などの殺菌・除菌をしてよく乾かし、常に清潔を保つようにしましょう。
 食中毒を防ぐお弁当づくりのポイント!
ごはん・おにぎり
炊き込みごはんやチャーハンなどの味つけしたごはんは傷みやすいため、6〜9月は控えましょう。
ごはんの上に卵料理や肉料理をのせると傷みやすいので、避けましょう。
おにぎりは、直接手でにぎると細菌がおにぎりに付着してしまい傷みやすくなります。清潔なラップなどを利用して間接的ににぎりましょう。
おにぎりののりは、温かいうちに巻くと傷みやすいため、食べるときに巻きましょう。
おかず
食材は野菜なども含めてすべてしっかり加熱しましょう。特に、ちくわやかまぼこなどの練り製品、ハムなどの加工食品などは傷みやすいため、必ず加熱しましょう。
作り置きのおかずは使用しないほうが安全です。使用する場合は、もう一度十分に加熱してから使用しましょう。
あえ物や煮物は水分が出やすく、傷みやすいため、できれば避けたほうがよいでしょう。
抗菌作用・防腐作用のある、梅干、酢、わさび、からし、しょうが、大葉などを活用しましょう。
弁当箱に詰める
おかずの汁気や水分はよく切ってから詰めましょう。
おかずは、仕切りなどに傷みやすい野菜などは使わず、細菌が広がらないようにアルミのカップやシリコン製のバランなどを利用しましょう。
ごはんやおかずは水滴ができないように冷めてから詰めましょう。
ごはんとおかずは別々の容器に詰めましょう。
マヨネーズやケチャップなどの調味料は、小分けサイズのものを持参するか、容器を別にするなどして、使いましょう。
食べるまで
車の中や日の当たる場所には置かず、直射日光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。
持ち歩くときは保冷剤や保冷バック、クーラーボックスなどを活用しましょう。
味やにおいが少しでもおかしいと感じたものは、迷わず食べずに処分しましょう。
弁当箱もしっかり除菌
弁当箱は洗剤で洗ったあと、熱湯消毒や酢でふくなどで毎回殺菌して乾燥させましょう。特に、ふたのパッキン部分は汚れが残りやすいので、毎回ゴムを外してていねいに洗いましょう。
◇   ◇   ◇
 食中毒による下痢やおう吐は、体内に取り込んでしまった食中毒菌を排除しようとする体の防御反応です。ですから、市販の下痢止め薬などの服用はかえって逆効果となることもあります。自己判断でむやみに薬を服用したりせず、腹痛、下痢、おう吐、発熱、頭痛などの症状があるときは食中毒を疑い、すぐにかかりつけ医や医療機関などを受診しましょう。
<参考資料>
『食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント』(政府広報オンライン)
『安全で健やかな食生活を送るために〜家庭でできること〜 No.3 食中毒から身を守るには』(農林水産省) ほか
原稿・社会保険研究所©
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