プレスリリース
2026.01.20
プレスリリース
【レポート】ベルマーレ×T-PECコラボセミナーのご報告と当日の様子
ティーペックは2023シーズンより「湘南ベルマーレ」のオフィシャルクラブパートナーとなり、そのご縁から2024年に「<湘南ベルマーレ × T-PEC>心理カウンセラーに聞いてみよう!モチベーション(やる気)アップセミナー」を開催しました。
大変ご好評をいただき、今年はシリーズ第2回として、2025年10月にも同セミナーを実施しました。
本セミナーは、昨年に引き続き、スポーツに励むお子さんや保護者の方、そして社会人の皆さまに向けて、「どうすればモチベーションを高められるのか?」を心理カウンセラーがわかりやすく解説するプログラムです。
「やらされ感」から抜け出すヒント──湘南ベルマーレが教えてくれた“モチベーション”の本質

今回登壇したのは、ティーペックの臨床心理士・公認心理師であり、日頃から多くの相談や研修を担当している“こころの専門家”・宮尾カウンセラー。
セミナー終了後には参加者の皆さんから次々に質問が寄せられ、モチベーションへの関心の高さを改めて実感する場面となりました。
「モチベーションを上げるには、どうすればいいのか?」
職場でも家庭でも、永遠のテーマのように語られるこの問いに対し、ティーペックの臨床心理士・宮尾カウンセラーが語ったのは、“やる気”を根本から見直す実践的な方法でした。
湘南ベルマーレの大野和成選手、本多康太郎選手、元選手・菊池大介さんのリアルな言葉も交えながら、「やらされ感を減らし、自然に動ける自分」をつくるヒントが紹介されました。
「外から」か「内から」か──やる気の源はどこにある?
まず宮尾カウンセラーは、モチベーションには大きく2種類あると説明しました。
ひとつは「外発的モチベーション」。
ご褒美や昇進、人の評価など、外から与えられる刺激によって動くタイプです。
もうひとつは「内発的モチベーション」。
「サッカーが楽しい」「絵を描くのが好き」といった、行動そのものが喜びになるタイプです。
外発的動機づけが悪いわけではありません。むしろ「ご褒美」などはわかりやすく、初めの一歩を踏み出すには有効です。しかし、やらされ感がある状態では長続きしません。
目指すべきは、「自分の中から自然に湧くエネルギー」に近づくことです。
自家発電型のやる気を育てる「3つの要素」
では、どうすれば内発的なモチベーションに近づけるのでしょうか。宮尾カウンセラーは次の3つを挙げました。
- 自分で決めること(自律性)
指示を待つのではなく、自分で「やり方」や「目標」を決めることです。
たとえば「この仕事を誰に頼まれたからやる」ではなく、
「自分の成長や理想のキャリアにつながるからやる」と捉え直すだけでも意味が変わります。 - うまくいった体験を持つこと(有能感)
小さな成功の積み重ねが、「自分はできる」という感覚を育てます。
目標は高すぎても低すぎてもいけません。楽すぎず、難しすぎず、「頑張れば達成できそう」な目標を設定できると良いです。 - 良い人間関係(関係性)
誰かに見てもらい、認めてもらうことが次の行動を後押しします。
この3つが揃うと、人は“やらされている”状態から抜け出し、自ら動くエネルギーを得られるといいます。
「25%できたら褒める」──ポジティブフィードバックの力
「言葉」だけは例外のご褒美
宮尾カウンセラーが特に強調したのが、「褒め方」の工夫です。「すごいね」だけでは伝わりません。どの行動が良かったのか、具体的に言葉にすることが大切です。
「試合でゴールを決めたね。あの自主練の成果が出たね」
そして、「シュートは素晴らしかった。周囲に相談して改善に取り組んだことが結果につながったね。」というように結果だけでなく「プロセス」に注目することで、相手の自己効力感が育ち、次の行動につながります。
また、「完璧にできてから褒める」のではなく、25%できた段階でも承認するのがコツだといいます。目標を達成するまでのプロセスにおいて「少しでも進んだら褒める」ことで、褒める側としては褒める機会を増やすことができ、褒められた側も成功の手応えを積み上げられます。
この“25%ルール”は、子どもだけでなく大人の職場でも有効です。
褒め言葉はモチベーションを「生み出す」ためのコストではなく、人を動かす最良の投資です。
「ご褒美」は外発的モチベーションに分類されますが、「言葉」だけは例外であり、むしろ積極的に与えていくことが勧められます。
湘南ベルマーレ選手たちの「やる気の変化」
きっかけは「外から」、支えになるのは「誰かの存在」
セミナーでは、湘南ベルマーレの選手たちへのインタビューも紹介されました。
- 大野和成選手:「近所のお兄さんがスパイクをくれた」
- 本多康太郎選手:「親に勧められて始めた」
最初の動機は“誰かから与えられたもの”でした。
しかし、続けるうちに「試合に出たい」「点を取りたい」「うまくなっている実感が嬉しい」と、内発的な動機へと変化していったそうです。
プロになった今では、「家族のため」「応援してくれる人のために頑張りたい」と語る選手も多く、外から始まった動機が、他者への感謝と自己実現を結ぶ形に成熟していることが印象的でした。
菊池大介さんが語る、人生におけるモチベーションの“逆算”

後半では、元プロ選手・菊池大介さんのインタビュー映像が上映されました。
華やかな舞台の裏で、何度も挫折と復活を経験した菊池さん。
「自分を支えてくれた家族や仲間に恩返ししたい」という思いが、常に原動力だったと語ります。浦和レッズへの移籍後は出場機会が減り、怪我にも悩まされました。
「移籍の決断は正しかったのか」
なかなか試合で自分を表現できないことが続いた時間は、胸が締め付けられるほど苦しい時期だったと振り返りました。
ただ、そういった経験があったからこそ、今の自分の充実した生活につながっているとも言います。
現役引退後は「選手ではない形で、何かベルマーレに恩返しができないか」
そのような思いでベルマーレの営業スタッフとしてクラブに復帰。
スポンサー企業を獲得できた時や、スポンサー企業になってくれただけではなく、「ベルマーレのスポンサーになって良かった」と思ってもらうこと、それを言葉にしてくれることが嬉しい。
そして応援してくれる人達にもっと喜んでもらいたい、一緒に喜び合いたいと、そこに貢献することが今の最高のモチベーションになっているといいます。
菊池さんは最後にこう語りました。「人生のゴールから逆算して、今の苦しさを“必要なプロセス”とポジティブに捉えられるようになると、どんなことも前向きに変換できると思います」
まとめ:小さな“自分決め”から始めよう
「自分で決める」「小さく成功する」「誰かと認め合う」。内発的モチベーションアップにおいて、この3つは重要な要素です。
“やる気”は、自分一人では完結しません。
支え合う人間関係の中で、少しずつ形を変えながら育っていきます。
ポジティブフィードバックを日常に取り入れ、褒められ、チャレンジできる環境を作っていきましょう。湘南ベルマーレの選手たちの姿は、まさにその象徴でした。
セミナー後は恒例のお楽しみ「スタジアムツアー」」

セミナー終了後は、昨年と同様にスタジアムツアーを実施しました。参加者は、芝生にそっと触れてみたり、監督や選手が座るベンチに腰掛けてみたり、普段は足を踏み入れることができない場所で写真を撮ったり、体感を語り合ったりと、終始楽しそうに過ごしていました。
本セミナーは、モチベーションという身近なテーマを“心理の専門家がわかりやすく伝える”場として、今年も多くの学びと気づきをお届けすることができました。
今後もティーペックは、湘南ベルマーレとの取り組みを通じて、スポーツに関わる方々や地域のみなさまの「こころの健康」を支える活動を続けてまいります。セミナーにご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
T-PEC心理カウンセラープロフィール/宮尾 昭寬(公認心理師)
矯正施設の職員として勤務。その後、企業での社内カウンセラーを経て、現在ティーペックのEAPセンターにて、電話によるメンタルヘルス相談、人事労務相談、ハラスメント相談、ストレスチェック後のフォローアップのための企業訪問カウンセリング等を担当。