T-PEC

健康ニュース

  • Facebook
  • X
  • LINE

“筋肉年齢”で筋肉の老化をチェック~ティーペック健康ニュース

 年齢を重ねて「若い頃より疲れやすくなった…」と感じていませんか。それは筋肉が少なくなったせいかもしれません。体から筋肉が減少すると疲れやすくなるだけでなく、太りやすく痩せにくい体になってしまいます。自分の筋肉の状態がどうなっているか、筋肉年齢を指標にして確認してみませんか。

筋肉は20代をピークに年に1%も減少する

一般的に筋肉量は20代をピークに年齢を重ねるにつれて減少し、50代から急激に減少します。減少する割合は、努力しなければ通常は1年で約1%程度といわれています。筋肉が減ると単に重い物を持つとき力が出なくなるというだけでなく、日常的に疲れやすくなるなど肉体の衰えにつながります。筋肉量の減少は老化の一つといえるでしょう。
 さらに筋肉はエネルギーを多く使用する部位のため、体から筋肉が減ると消費するエネルギーも減少して太りやすくなります。食べる量が変わらないのに若い頃より太りやすくなる、あるいは痩せにくくなるのは、筋肉が少なくなることが原因の一つです。同じ生活を続けているのに気付くと中年太りになっているのは筋肉量の減少が影響しています。

サルコペニアとサルコペニア肥満
加齢や低栄養などの要因で筋肉量が減少し、筋力低下で日常生活に悪影響が生じている状態を「サルコペニア」といいます。筋力低下を放っておけば、転倒しやすくなるなど日常生活が不自由になり、やがては寝たきりや要介護となる原因になります。自立して生活できる期間である健康寿命を延ばすためにも体を動かして筋力を維持し、サルコペニアを予防する必要があります。
本来、サルコペニアは高齢者に生じる問題ですが、最近は若い人でサルコペニアが心配される人が増えています。その原因の一つは無理なダイエットです。運動をせずに過剰な食事制限だけで体重を減らすと、脂肪だけでなく筋肉も減少してしまいます。その後、リバウンドして体重が元に戻ると、筋肉がないのに脂肪だけが増えた「サルコペニア肥満」になります。以前と同じ体重に戻っただけと考えがちですが、筋肉がない分、より脂肪が付きやすく生活習慣病のリスクが高い状態です。つまりダイエットをしたはずが逆に太りやすく不健康な体になってしまうのです。
ダイエットをする場合には短期間で効果を出そうと無理な食事制限に頼るのではなく、運動を併用しながらゆっくりと行った方が健康的に痩せられます。筋肉量を減らさずに済みますので、長期的に体重を維持することができます。
筋肉量・筋肉年齢の確認方法

同じ年齢でも体に筋肉がどのくらい付いているかは、仕事の内容や運動習慣があるかなどで個人差が大きくなります。そこで一つの指標として筋力や筋肉量などを年齢で表したものが筋肉年齢です。例えば、実際の年齢が50歳の方でも、筋肉年齢が40歳ということもあれば、逆に60歳、70歳ということも考えられます。筋肉は使わなければどんどん衰えるため、体を動かして筋肉年齢を若く保つことが大事です。
 筋肉量・筋肉年齢の確認方法をご紹介しますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

●体組成計でチェック

一番簡単な筋肉量のチェック方法は体組成計を使用することです。筋肉と脂肪では組織に含まれる水分などが異なるため、体に微弱な電流を流したときの抵抗が異なります。体組成計はその抵抗の違いを測定することで筋肉量を測定することができます。「体年齢」「体内年齢」など年齢を指標に出せるものもありますので、体組成計のメーカー各社のホームページ等で調べてみましょう。

●脚の開閉テスト

背筋を伸ばしてイスに座り、30cmほど両脚を開きます。そこからなるべく早く脚を閉じたり開いたりを繰り返します。開く・閉じるの1往復を1回と考えて20秒で何回できるかを数えてください。回数が多いほど、筋肉年齢が若いことになります。

年代別の標準的な回数

20代以下42回以上
30代40~41回
40代38~39回
50代35~37回
60代31~34回
70代以上30回以下
筋肉は何歳からでも鍛えられる

 筋肉年齢のチェックで実際の年齢より老化が進んでいた場合でも、悲観することはありません。何歳になっても筋肉は運動で鍛えることができるからです。たとえ高齢であっても体を動かして筋肉を付けることで、筋肉年齢を若返らせることができます。
 さらに適度な運動は筋肉年齢の若返りにとどまらず、肥満による生活習慣病の予防、心臓や肺の働きの改善、脳の活動の活発化、心のリフレッシュなど、さまざまな効果があります。体を動かすことで筋肉を鍛え、全身の若返りにつなげましょう。
 誰でも手軽にできてすぐに始められる代表的な運動はウォーキングです。ただし、ウォーキングだけでは筋肉を付けるほどの負荷にはならないため、筋肉年齢の若返りにはウォーキングだけでは不十分です。ウォーキングに加えて軽い筋トレで筋肉を付けましょう。
 筋トレはハーフスクワットから始めるのがお勧め。ハーフスクワットは膝を太ももの半分程度曲げるスクワット運動です。完全に膝を曲げるフルスクワットに比べて負担が少なく、取り組みやすくなっています。

<ハーフスクワットの手順>

①脚を肩幅に開いて立つ。爪先はやや外向きに開く。胸を張って背筋を伸ばし、おなかに力を入れる。

②ゆっくりと膝を曲げ、お尻を後ろに突き出すようにしながらしゃがむ。太ももが床と平行になるくらいまで。膝が内側に入らないように注意する。

③かかとで床を踏み込み、ゆっくりと立ち上がる。①~③を10回程度繰り返す。無理なくできそうであれば2セットに増やす。

※負荷を少なくしたい場合は背後にイスを置き、しゃがむ際に軽く腰掛けます。

最後に

 筋肉は体を動かすためだけに使われていると考えがちですが、実はそれ以外にもさまざまな役割があります。代謝を上げて体温調節を行う、ホルモンを分泌して体の状態を調整する、筋肉の収縮で血液を心臓に戻すなど、筋肉は多くの役割を果たしています。このため、筋肉量の減少は単に運動能力の低下だけでなく、全身の老化や健康状態に影響が及びます。
 筋肉は老化を努力によってカバーできる数少ない臓器です。ぜひ筋肉を付けることを意識して筋肉年齢の老化を防ぎましょう。

原稿・社会保険研究所ⓒ

つながるティーペックつながるティーペック

弊社サービスにご関心のある方は、
お気軽にご相談ください

お問い合わせフォームへ