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もっと効く!市販薬活用の基本と使い方のコツ ~ティーペック健康ニュース

 「病院に行くほどでもないな…」という軽い症状のときに頼りになるのが市販薬です。近所のドラッグストアなどですぐに購入することができます。しかし、処方箋なしで買える分、ちょっと軽く扱っていませんか。今回は市販薬の使い方をしっかりマスターして、健康管理に活用しましょう。

市販薬と処方薬の違い

 薬には処方箋を必要とせずにドラッグストアなどで購入できる「一般用医薬品(市販薬)」と、医師の処方箋を基に調剤薬局で調剤を受ける「医療用医薬品(処方薬)」があります。市販薬は比較的軽い症状に対して自分で選択して用いる薬、処方薬は医療の専門家が患者を診察して適切なものを指定して処方する薬という点で役割が異なります。市販薬は薬剤師とカウンター越しに相談して購入することから、OTC(Over The Counter)医薬品とも呼ばれます。市販薬はすぐに購入できて気軽に使える分、薬剤師などと相談しながら自分の責任で用いる必要があるのです。

 市販薬は病気のかかり始めの対応や症状の緩和が目的で、原則として長期にわたって服用することを想定していません。なかなか症状が改善しない場合にはできるだけ早く医療機関を受診して医師の検査と診断を受けることが大事です。思いも寄らない病気が原因だと判明することも考えられますし、医師からより適切で効果的な薬の処方を受けることができます。処方薬は健康保険が適用されるため、長期で服用する場合は経済的な負担も抑えられます。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
セルフメディケーション税制とは、医療費控除の特例として特定の成分を含んだ市販薬を購入した場合に医療費控除が行える制度です。毎年1月から12月までに購入した市販薬の購入額が12,000円を超えた場合に、12,000円を超えた額が所得から控除され、納め過ぎていた税金が払い戻されます(控除額の上限は88,000円)。控除を受けるには確定申告が必要です。
医療機関で支払った医療費などに対する医療費控除とは併用できないため、市販薬の購入費用と医療機関での支払額の合計とを比較して、より有利な方を選択しましょう。
※セルフメディケーション税制の適用期限は令和8年12月31日までです。
リスクが高い薬は薬剤師の説明を受けないと買えない 

 市販薬は副作用のリスクに応じて5つのランクに分類されています。副作用のリスクが高く、注意が必要とされる薬は、薬を自由に手に取ることができない場所に陳列することが決められています。また市販薬の販売は薬剤師もしくは登録販売者の資格が必要と決められていますが、リスクが特に高い要指導医薬品や第1類医薬品は薬剤師からの説明を受けないと購入できません。

市販薬の分類 
市販薬を用いる際のポイント 

 市販薬は安全性を優先して作られていますがが、正しい使用方法を守らないと副作用で健康に害がおよぶことが考えられます。軽く考えずに添付文書などで指示された使用方法や使用回数などを守ってください。また、妊娠中や授乳中、持病がありすでに他の薬を服用しているなどの場合は、医師や薬剤師に相談してから使用しないと危険です。

●注意事項を確認:使用する前に、必ず添付文書やパッケージに記載されている注意事項を読みましょう。使用上の注意や禁忌事項、考えられる副作用などが記載されています。

●用法・用量を守る:使用の際は正しい用法と用量を守ることが重要です。指定された用法や用量を守らないと、効果が得られないだけでなく、副作用が生じて健康に悪影響もたらしかねません。

●副作用に注意:市販薬であっても重篤な副作用を生じることがあります。使用中に異常を感じたり、体調に変化があった場合はただちに使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。アレルギー症状にも注意が必要です。

●専門家に相談:市販薬の使用後に症状が改善しない場合は、自己判断で漫然と長期にわたって使用しないで医師や薬剤師に相談しましょう。症状の背後に他の原因がある可能性もありますので、医療の専門家の助言を仰ぐことが重要です。

●使用期限を守る:薬を長期間保存すると、成分が変化して正しく効果が出なくなります。パッケージ等に使用期限が記載されていますので、必ず期限内に使用してください。開封後はできるだけ早く使用するようにしましょう。保管の際は高温・多湿・直射日光を避けるようにします。

最後に

 市販薬は各社から有効成分の異なるさまざまな製品が販売されています。このため、自分だけで症状に合ったものを選ぶのは至難のワザです。ピッタリの薬を選ぶために、薬剤師に症状や経過を伝えて相談しながら一緒に選ぶのがお勧めです。普段服用している薬やサプリメントなどをお薬手帳に記録しておき、それを見せながら相談しましょう。

 市販薬は成分がまったく同じでも製薬会社によって価格が異なります。ブランドや広告だけで決めずにパッケージの成分表をチェックして、有効成分や含有量などを確認しながら薬を選ぶのが賢く市販薬を選ぶコツです。

原稿・社会保険研究所ⓒ

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