健康ニュース
2022.09.20
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もっと元気になるための「食事の仕方」~ティーペック健康ニュース
午前中はボーッとして集中できない、疲れやすくやる気が出ない日が多い――。もしかするとそれは「食事の仕方」に原因があるかもしれません。食事は毎日、3度の生活習慣です。食事の時間を整えるだけで毎日の生活、体調を良い方向に変えることができるかもしれません。
元気が出ないのは体内時計のズレが原因
体内時計は、脳にあるメインの時計遺伝子と、各臓器のサブの時計遺伝子がそれぞれ独自に動かしています。体内時計のタイミングがうまくかみ合っていると、朝から元気に生活でき、夜は自然に睡眠に入れます。しかし、タイミングがうまく合わないと「脳は朝なのに体の臓器は夜」ということになってしまいます。いわば慢性的な時差ボケがずっと続いているようなものです。このような体内時計のリズムがズレた生活が続くと、肥満や生活習慣病になりやすくなります。
体内時計の乱れを放置すると、慢性的な時差ボケのストレスで体にさまざまな悪影響が起こります。同じ量の食事しか食べていなくても太りやすく肥満につながったり、不眠になりやすくなったり、またそのストレスから血糖値の上昇や免疫力の低下を招いたり、血管が老化したりなど、生活習慣病の原因をつくり出してしまいます。さらに生活習慣病が進むと、脳卒中や認知症、心臓病による突然死が待っています。そのため、体内時計の乱れ、ズレは早めに調整しておくことが必要です。
バラバラの体内時計は光と食事で調整!
メインとサブの体内時計は放っておくとズレていくため、どこかでリセットしてタイミングを整える必要があります。その手段が「光と食事」です。
脳の体内時計は「光」により、内臓の体内時計は「食事」によって調整されます。つまり、朝日を浴び、そして朝食を取ることで、1日のスタートのタイミングを脳と内臓に伝えて体の調子を整えるのです。脳と内臓で体内時計の時間が一致すると、午前中から集中して活動でき、夜も自然に眠気を感じて就寝できます。
<脳の体内時計を調整>
脳の体内時計の周期は約25時間。光の刺激を目の網膜から脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)に取り入れることで24時間に調整しています。
<臓器の体内時計を調整>
各臓器はそれぞれ独自の体内時計があります。食事の刺激でそれぞれの体内時計を同調させることで、一斉に働き始めます。
体内時計を調整するポイント
とはいえ、忙しい日常生活の中で理想的な生活習慣を送るのは難しいのも現実。下記の体内時計調整のポイントを押さえて、少しでも体を労わり、元気に過ごしたいものです。
1. 1日の活動スタートを光と朝食で全身に伝える
1日の活動スタートを全身にしっかりと伝えるために、朝日を浴びて脳を目覚めさせ、朝食で内臓を起こしましょう。おにぎりやパンなど糖質だけでなく、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など、たんぱく質を含む食品も一緒に取ることを意識しましょう。
2.食事の量のバランスは朝4:昼3:夕3
夕食をたくさん食べ過ぎるとそれだけ体内時計が遅くなり、夜型になりやすくなります。理想の食事量のバランスは、朝食多め、昼食・夕食少なめの「朝4:昼3:夕3」です。
3.断食時間をつくるために、夕食と朝食は10時間あけて
体が「これは朝食だ」と判断するのは、睡眠で何も口にしない「断食時間」後の朝食です。夕食と朝食の間で最低10時間の空白の断食時間がつくれるように、早めの夕食を心掛けましょう。
4.夕食は就寝の2時間前までに
朝食をおいしく食べるためにも、前日の夕食はできるだけ寝る2時間前までに取りましょう。空腹で眠れない場合は、温かいスープや牛乳をお勧めします。
5.夕食が遅くなりそうなときは、ご飯とおかずで分食を
夕食を早い時間に取れない場合は分食で対処しましょう。例えば19時までに職場でおにぎりなど炭水化物などの主食を食べ、帰宅後に肉や野菜のおかずを食べます。夕食の総量は同じにして食べ過ぎには注意しましょう。
最後に
今回は体内時計に着目した食事の仕方について考えてみました。同じ食事でも、いつ食べるか、どう食べるかによって、食生活のクオリティーは変わってきます。体内時計を考えた食生活を送ることで、日々の体調を整えたり、メタボリックシンドロームの予防につながるなど、さまざまな利点が得られます。不規則な生活で体内時計が乱れると不調につながりますので、上記のポイントを参考に、時間を意識した食生活を心掛け、健康的な生活を送りましょう。