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今だから知っておきたい「ワクチン」の話~ティーペック健康ニュース

 「ワクチン」は感染症に対する最強の手段といわれます。なぜそれほどワクチンは効くのでしょうか。新しい変異株も発生するなど新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中で、3回目のワクチン接種が進められつつある今だからこそ、ワクチンの仕組みを確認しておきましょう。

ワクチンは感染に備えた「予行演習」

 ワクチンを接種すると体内の免疫システムは未知の病原体が侵入したと誤認して、活発に働き始めます。その結果、病原体を排除する強力な武器として「抗体」を産生できるようになります。接種後は病原体を抗体で排除するため、対象となる感染症を発症しなかったり、感染しても軽度の症状で済むといった効果が期待されます。分かりやすくいうと、病原体の感染に備えてワクチンで予行演習をするということになるでしょうか。

ワクチン接種が効果を出すイメージ
①ワクチンを接種する:
病原性を弱めたり、感染しないように不活化(殺菌)した病原体から作られるワクチンを体内に取り込みます。

②体内の免疫システムを訓練する:
ワクチンの成分に反応して、病原体に対抗するための「抗体」が産生されるようになります。

③病原体を抗体で撃退する準備ができる:
次に本当の病原体が体内に侵入しても、すぐに抗体で排除できるようになります。
期待できるワクチンの効果

ワクチンで体内の免疫システムを事前に訓練することで、体内に侵入する病原体を効率的に排除できるようになります。このため、以下の3つの効果が期待できます。

①感染自体を予防する

②感染しても発症を予防する

③発症しても重症化を予防する

接種が進む新型コロナウイルス感染症のワクチン

国内で主に接種されている新型コロナウイルス感染症のワクチンでは、95%程度の方に予防効果があります。ワクチンは一定の期間を置いて2回接種し、2回目の接種から14日もしくは21日後に十分な免疫の効果が確認されています。得られた効果の持続期間は半年から8ヵ月は効果が継続し、少なくとも1年程度は効果が続くと考えられていましたが、現在3回目の前倒し接種に向けての準備が進められています。なお、さまざまな変異株が注目されていますが、ワクチンにはそれらに対しても予防効果があることが報告されています。

避けられない「副反応」のリスク、正確な知識から判断を 

ワクチンを接種することによって良い効果が期待できますが、その一方でワクチンを接種すると思わぬ影響が出ることがあります。ワクチンを接種するということは訓練とはいえ、体内で免疫が反応するということですので、その際に発熱したり、接種した部位が赤く腫れたり、痛みが出るといった症状が現れたりします。そのような体の反応は免疫が刺激され、正しく訓練が行われているということですが、接種した方にとっては悪い反応でもあります。このようなワクチンを接種することで起こる、ヒトにとって望ましくない反応のことを「副反応」といって、特に2回目の接種後や比較的若い人に多い傾向があると報告されています。

 ワクチンは体内の免疫を利用するため、「副反応」を完全に防ぐことができません。「副反応」の多くは発熱や痛みなどの軽い症状で、多くの場合は1週間以内に治まっています。とはいえ、急性のアレルギー(アナフィラキシー)など重い副反応が起こるのは非常にまれですが、まったくないわけではありません。また、免疫不全などの持病がある場合にはワクチン接種を受けられない場合もあり、注意が必要です。

最後に

ワクチン接種は義務ではなく、一人一人が接種するかを判断します。ワクチンには「副反応」のリスクはありますが、自分を守り周囲の人に感染を広げにくくなるメリットはとても大きいものです。ワクチンの接種の有効性や「副反応」のリスクについて適切に理解し、信頼のおける発信元の情報を集め、根拠のないうわさに惑わされず、判断することが大切です。

原稿・社会保険研究所ⓒ

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