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睡眠力が老化していませんか?-快眠の工夫とは ~ティーペック健康ニュース

 今年の夏は地球の温暖化が進む近年でも記録的な猛暑を記録し、連日の熱帯夜に寝苦しさを感じている人も多いことでしょう。
 とはいえ、気温や湿度による暑さなどとは関係なく、以前と比べて睡眠時間が短くなってきたと感じてはいませんか? 深く眠ることのできる「睡眠力」は、脳の老化により少しずつ衰えるため、睡眠時間は年齢を重ねるに連れて短くなります。中高年以降になると深い睡眠が減り、夜中や早朝に目が覚めてしまうという悩みを抱える人が増えてきます。
 もし、睡眠力が落ちてきたなと感じたら快眠のための工夫が必要かもしれません。快眠のため対処法を実践して睡眠力を取り戻していきましょう。

概日リズムを意識し睡眠力を補う

 ヒトの体は健康なら「概日リズム」が適正に働き、毎日一定の時間ごとに自然と眠気を感じるようにできています。概日リズムは一般には「体内時計」と呼ばれるもので、眠りのコントロールを行っているため、快眠のためにはたいへん重要です。たとえ、睡眠力が老化し良質な睡眠を確保しにくくなったとしても、概日リズムを意識した生活を心掛けることで、良質な睡眠を確保し、睡眠力の衰えを補うことが可能なのです。

*概日リズム:動植物や細菌などほとんどの生物には、毎日おおよそ決まった時間に覚醒・休息する体のリズムを維持する仕組みがあり、それを「概日リズム」といいます。人間の場合の周期はだいたい25時間。何もしないと寝るタイミングは少しずつ遅れてしまうので、それを朝、太陽の光を浴びることでリセットしているのです。脳と体を目覚めさせたいときは光を浴び、寝る前は休息モードに入るため、強い光を発するテレビやスマホは控えたほうがいいでしょう。昼夜の活動にメリハリをつけ規則正しい生活を送ることで、概日リズムを整えることができます。

睡眠時間には個人差がある

 「毎日7時間程度の睡眠で最も死亡率が低くなった」というアメリカでの調査結果がありますが、本来、睡眠時間には個人差があります。必要な睡眠時間はその人の年齢や活動の状況などで異なり、一概に「何時間」と決めることはできません。
 1つの目安となるのが「すっきりと目覚められて日中に元気に活動できる」かどうかです。少しぐらい睡眠時間が短くても眠気で困らないようなら、大きな問題はないと言えるでしょう。むしろ、睡眠時間の長さだけにこだわって、眠くもないのに無理に布団に入っているとかえって睡眠の質を悪くしかねません。眠くなってから布団に入り、自然に眠くなるように概日リズムを調整していくことが重要です。

良質な睡眠で脳と体を元気に

 個人差があるといっても、あまりに短い睡眠時間は糖尿病などの生活習慣病のリスクを高め、また、気がつかないうちに脳の機能低下を引き起こしてしまいます。働き盛りの年代の人は、忙しさからつい睡眠時間を削ってしまいがちです。しかし、睡眠不足が続くと健康に害が及び、かえって仕事上のパフォーマンスを下げることになってしまいます。
 睡眠には脳や体のメンテナンスをし、病気を未然に防ぐ大切な役割があります。脳と体を元気にするためにも、良質な睡眠を取れるように工夫しましょう。

「7つの工夫」で質の良い睡眠を確保しよう

1.目が覚めたら太陽光を浴びる

太陽光を浴びることで概日リズムがリセットされ、自然に夜の眠気につながります。

2.寝る2時間前に軽く運動

ウォーキングなどの軽い運動で快眠に。ただし就寝の2~3時間前に済ますようにします。

3.就寝前の刺激物や飲酒はNG

寝る前は、コーヒーやお茶、辛い食べ物などの刺激物や、眠りが浅くなる飲酒は避けましょう。

4.入浴はぬるめでゆっくり

快眠のためには39℃程度のぬるめの入浴がお勧め。寝る1~2時間前までにゆっくりと。

5.テレビやスマホは寝る1時間前まで

強い光は寝付きを悪くします。テレビやスマホ、パソコンなどは寝る前は控えましょう。

6.ダラダラ布団に入らない

睡眠時間にこだわり過ぎず、眠気を感じてから布団に入る方が眠りの質が良くなります。

7.睡眠時間を記録する

スマホアプリなどを活用して睡眠時間を記録し、快眠の工夫につなげましょう。

 9月3日は「秋の睡眠の日」なのをご存じですか?「ぐっ(9)すり(3)」の語呂合わせから、睡眠健康推進機構(公益財団法人 神経研究所 精神神経科学センター)が平成23年(2011年)に定めました。その前後の各1週間は、改めてみんなで睡眠を考えよう、という睡眠健康週間と呼んでいます。ちなみに「春の睡眠の日」は3月18日。世界睡眠医学協会が定めている「世界睡眠デー」に合わせています。
 厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」では、日本人の成人のうち、睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は19.7%に上り、自覚していない人も含めるとさらに多くの人が睡眠に関わる健康に問題があるものと思われます。
 暑さの峠を越えると次第に過ごしやすくなるこれからの季節、質の良い睡眠を取るために、生活習慣を一度見直してみてはいかがでしょう。

<参考資料>
『さわやか』2016年秋号「からだ年齢カルテ」(制作/社会保険研究所) ほか

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