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腸活でおなかスッキリ健康に ~ティーペック健康ニュース

 腸は、健康を維持するために重要な役割を果たす臓器として、近年大きな注目を集めています。腸内細菌を意識して、食物繊維や発酵食品を食べるようにしている人もいるでしょう。
 しかし、一方で腸のトラブルの1つである便秘や下痢に悩む人は依然として多く、中でも「万病のもと」といわれる便秘の症状を訴える人は、国内で450万人にも達するといわれます。また、便秘は若い女性特有のイメージがありますが、実は加齢とともに男女ともに便秘症の人の数は増え、60歳を過ぎると男性患者が急増します。80歳代になると男女差はなくなり、10人に1人が便秘に悩んでいるというデータもあります。
 高齢化が進むこれから、年齢や性別に関係なく排便を正常に保つためには、腸内環境を整え、腸の働きを活性化する「腸活」の習慣を日々の生活に取り入れることが大切です。いつまでも若々しく、スッキリとした気分で過ごすために、腸活の方法を知り実践してみましょう。

毎日便通があっても便秘の人もいる

 便秘と聞くと、「自分は毎日排便があるから関係ない」と、人ごとと思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、2017年に日本で初めて便秘ガイドラインとして作成された『慢性便秘症診療ガイドライン』によると、便秘とは「本来体外へ排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
 つまり、何日出ていないかではなく、スッキリ出たかどうかがポイントなのです。たとえ毎日定期的あるいは数回排便があっても、腹痛や腹部の膨満感があったり、トイレの後もスッキリせず、残便感があるなら、それは便秘ということです。思い当たる人は、腸活することで腸内環境を整え、おなかのスッキリ感を呼び覚ましましょう。

【便秘の2つのタイプ】
1.排便の量や回数が少ないことで、腸の中に便がたまっている
2.排便の量や回数は正常でも、おなかがスッキリせず、残便感がある
※症状が1~2ヵ月、断続的にでも続いていると「慢性便秘症」と診断されます。

腸活のための4つの行動

1. 朝起きたらすぐに、一気にコップ1杯の水を飲む
 睡眠から覚めた時、起きてすぐにコップ1杯の水を飲みましょう。水の重みで胃袋の下の大腸が刺激され、大腸・結腸にぜん動運動が起こり、腸が動き始めます。また、少しずつ飲むのではなく、一気に飲み干すことがポイントです。
2. 発酵食品・食物繊維をバランス良く食事に取り入れる
 腸内細菌には、体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、腸内環境によって悪さをする「日和見菌」と、大きく3つあります。腸活では、善玉菌を増やすことが大切です。納豆やチーズ、ヨーグルトなどの発酵食品には善玉菌が多く含まれ、腸を元気にしてくれます。また、野菜、豆類、海藻類などに多く含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサとなりますから積極的に取りましょう。
3. 小まめな運動でインナーマッスルを鍛える
 腸の後ろには腸腰筋というインナーマッスルがあり、運動不足でその筋力が衰えると、腸の中で便を動かすぜん動運動が弱くなり、便を排出する力も低下してしまいます。加齢やダイエットで腸腰筋の筋力を低下させないために、できるだけ階段を使う、大股で足早に歩く、など、特別な運動でなくてもよいので、毎日小まめに体を動かし筋力を鍛えるようにしましょう。
4. 腸を温め、よく眠り、ストレスをためない
 腸は、体が休息し副交感神経が優位になると活発に動きます。逆に不安や緊張などの過剰なストレスがあると動かなくなってしまいます。夜はお風呂で腸を温めたり、ゆったりとリラックスして眠ることで、寝ている間にぜん動運動が活発に起こり、朝の快調な排便を導いてくれます。

快便だけじゃない! 腸活のメリット

 腸は、栄養の消化・吸収だけでなく、老廃物の排せつ、免疫作用の活性化をはじめ、幸せや快感を感じる神経伝達物質を合成するなど、その役割は多岐にわたり、“第2の脳”と呼ばれています。
 腸活をして腸の機能が活性化されると、便秘が改善されるだけでなくこんな+アルファがあります。

 ・免疫機能を高める病気予防効果
 ・代謝が良くなる肥満予防効果
 ・肌や髪がつやつやになるアンチエイジング効果
 ・イライラがなくなるストレス緩和効果

 便秘解消のためには生活習慣の見直しが何より大切ですが、トイレでの姿勢にも気を配りたいところです。便器の型は今や世界的に洋式が主流で、日本でも旧来の和式はあまり見掛けなくなりました。
 では、洋式トイレで用を足すときどんな姿勢が理想的でしょう? イタリアの医学誌での発表によると、フランスの彫刻家ロダンの作品「考える人」だそうです。「考える人」のような前傾姿勢にすると、直腸と肛門がつながっている部分が他の姿勢に比べて真っ直ぐになり、肛門を締め付けている筋肉も緩むため、便が出やすくなるとか。床にしっかり足を着けることもポイントで、便器に座ると足がぶらぶらする子供の場合、足置きの台を使うと排便しやすくなるそうです。
 トイレで頬づえを突きながら、自分らしい腸活についてじっくり考えてみてはいかがでしょう。

『さわやか』2015春号 (制作/社会保険研究所) ほか

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