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飲酒しない人もNASH(ナッシュ)に注意 ~ティーペック健康ニュース

 肝臓の病気といえばお酒の飲み過ぎや、ウイルス性肝炎を思い浮かべる人が多いでしょう。飲酒習慣のない人の中には、「お酒を飲まないから大丈夫」と肝臓の病気とは無縁と感じているかもしれません。
 しかし、NASH(ナッシュ)と呼ばれる「非アルコール性脂肪肝炎」が増加しているのをご存じですか。NASHは、飲酒やウイルス感染と関係のない人が、肥満や糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の影響で脂肪肝になり、そのまま放置することで、肝臓の機能が低下し、やがて肝硬変、肝臓がんへと進行する怖い病気です。
 生活習慣病があり、お酒をまったく飲まない、あるいは少量しか飲んでいないのに脂肪肝と診断されている人は、NASHの可能性があります。きちんと医療機関で診断を受け、生活習慣を改善し、進行を食い止めることが大切です。

飲酒習慣がなくても脂肪肝からNASHに

 NASHは肝臓に脂肪がたまった脂肪肝から進行します。お酒が原因ではない脂肪肝はNASHの前段階として、「非アルコール性脂肪肝疾患=NAFLD(ナッフルディー)」といいます。「脂肪肝くらいなら大丈夫」と軽く考える人が多いかもしれませんが、脂肪肝から進行したNASHを放置すると、やがて肝臓が硬く変質する肝硬変になり、肝臓の機能が低下すると肝臓がんを発症しやすくなります。NASHのうち2~3割が10年で肝硬変や肝臓がんに進行するといわれています。

生活習慣病にセカンドヒットが加わって発症

 NAFLDの原因は肥満や糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病です。肝臓に打撃を与えるこれらの生活習慣病がファーストヒットとなります。しかし、NAFLDまでなら多くは進行しない脂肪肝ですが、ダメ押しとなるセカンドヒットが加わることでNASHに進行してしまいます。
 セカンドヒットとは、血糖値が下がりにくいインスリン抵抗性などによる血糖値の上昇(糖化)・活性酸素による細胞の破壊(酸化)・鉄分の過剰摂取(鉄化)などが挙げられます。
 NASHを防ぐには、まず原因となる生活習慣病を予防し、NAFLDと診断されたら、糖化・酸化・鉄化を避ける必要があります。最も大切なのは食生活で、野菜中心の食事にして、糖質の多い食事、早食い・大食いを避け、鉄分の多い赤身肉やレバーなどの食材は控えます。さらに軽い運動も心掛けましょう。

健診結果で異常があったら必ず医療機関へ

 肝臓は症状を自覚しにくい臓器です。そのため肝臓の状態を知ることができるのは健診だけです。NASHを放置し、肝硬変寸前まで進行していることもまれではありません。きちんと健診結果を確認し、肝機能に異常があったときには、自覚症状がなくても医療機関を受診して、専門医の診断を受けましょう。

NASHを防ぐ! 進行させない! ためのセルフケア

 NASHは生活習慣を改善することで予防でき、進行を食い止められます。今日から肝臓に優しい生活を始めましょう。

1.肝臓からの唯一のSOS! 健診で異常があったときは専門医の受診を

健診結果の異常は、「無言の臓器」である肝臓の唯一のSOSです。健診結果で肝機能の異常を指摘されたときは、そのままにせずにきちんと専門医の診断と治療を受けましょう。

2.NASHへ進行させる糖化・酸化・鉄化を食生活から予防

糖化・酸化・鉄化を防ぐために食生活を見直しましょう。炭水化物の食べ過ぎ、野菜不足を改め、赤身肉やレバーなど鉄分の多い食材は極力控えるようにします。

3.鉄化予防のためにも軽い運動で汗をかく習慣を持とう

汗をかくと体内の鉄分が汗と一緒に放出されます。20分程度のウォーキングなどで、うっすらと汗をかくだけでも鉄化予防に効果があります。無理のない程度の運動を続けていきましょう。

4.過度なストレスを避け、仕事と休養のバランスに気配りを

ストレスの多い生活は、心だけなく肝臓にも悪影響です。ゆったり過ごせる自分のための時間をつくり、心と体を休めることも大切です。働き過ぎに注意して仕事と休養のバランスを取りましょう。

 肝臓は人体最大の臓器で、重さは大人で体重の約2%、体重が70㎏の人の場合1.4㎏にもなります。とはいえ胃や心臓などと違い、日々の中で存在を感じにくく、痛めつけられても弱音を吐かない健気な頑張り屋です。
 これから年末年始にかけて、忘年会やクリスマス会、新年会など、つい飲み過ぎ、食べ過ぎてしまいがちな宴会シーズンがやってきます。以前ならお酒を飲まない人は、体重増加だけを気にしていたかもしれません。しかし、NASHが増加しているといわれる今、お酒を飲む人と同様に、飲まない人も肝臓をいたわるため、食生活を中心とした生活習慣への意識が必要となってきています。

『さわやか』2017夏号 (制作/社会保険研究所) ほか

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