健康ニュース
2015.09.10
健康ニュース
大切にしたい爪の健康 ~ティーペック健康ニュース
身だしなみとして爪をチェックするとき、健康のチェックもしてみませんか。爪にはさまざまな病気のサインが表れます。しわができたり、先端が反り返ったり、赤黒い色になったり…。爪は健康のバロメーターにもなります。
あなたの爪は大丈夫ですか。不足している栄養素や健康状態を知るためにも、ときどき爪の形状や色に変化がないか意識して見るようにしましょう。
爪はたんぱく質でできている
爪は「ケラチン」という硬いたんぱく質からできた皮膚の一種です。爪の根元の半月部分にある「爪母(そうぼ)」という細胞によってつくられ、手の爪だと1日に約0.1mm伸びます。
爪自体の色は透明ですが、爪の下層の真皮の「爪床(そうしょう)」に分布する毛細血管が透けて見えるため、ふだんはピンク色に見えます。健康な爪は表面がなめらかで、薄いピンク色に見えますが、栄養不良や代謝がよくないときなどは、肌が荒れるのと同じように、爪の成長に影響が出たり、爪床の血液の状態が反映されたりと、爪の色や形に変化が起きます。
爪は体内のたんぱく質が不足するともろくなってしまいます。また、皮膚や粘膜を正常に保つ働きのあるビタミンAや、皮膚や爪の代謝、成長を促すビタミンB2が不足するとツヤがなくなったり伸びにくくなったりします。
横の線は体調不良の年輪
爪で健康状態をチェックするときは、線、色、形に注目します。
爪の表面に出る横線は、強いストレス、高熱、手術などによる体調不良があったことを示します。これは爪母の爪を作る働きが一時的に弱まり、横線が年輪のように残る現象で、爪の根元から横線までの距離を測れば、体調不良の始まった時期を調べることができます。
一方、縦のしわは加齢とともに起きるものです。乾燥したり、血行が悪くなったりして爪の潤いも失われていきます。肌と同じようにしわのようなものなので特に病気の心配は要りません。
このように爪には数ヵ月の健康状態が記録されるので、過去の状態を振り返るツールとしても役立ちます。
黒い縦線はがんの疑いあり
爪の色に着目したとき、白っぽく見える場合は赤血球が少ないことが原因なので、貧血の可能性があります。逆に赤っぽい場合は、血液が濃く血流が悪くなっているおそれがあり、肝臓病や糖尿病といった病気も疑われます。また、白い横帯は抗がん剤の使用や腎不全、皮膚病などで起こります。
爪の変化の中で最も怖いのは、黒い縦線の出現です。短期間で急に太くなったり、爪を超えて皮膚まで拡大したら、皮膚がんの一種である「メラノーマ(悪性黒色腫)」が疑われます。そのままほうっておくと悪化する可能性もあるので、早急に皮膚科を受診しましょう。
それ以外にも緑膿(りょくのう)菌に感染して一部が緑色になったり、爪水虫(白癬菌(はくせんきん))の感染で爪が厚く黄色くなったり、細菌が原因で爪に炎症が起きている場合もあります。爪に変化が起きた場合は、まずは皮膚科などの専門医に診てもらいましょう。内臓などの病気の疑いがある場合も、適切な診療科を紹介してくれます。
■あなたの爪は大丈夫? 爪に表れる病気のサイン
- 爪のへりが皮膚にめり込む
通称「ばち状指」。肺や心臓の病気で低酸素状態が続くと起こります。 - 先が上に反る
「さじ状爪」と呼ばれ、大人は貧血や甲状腺の病気などが考えられます。 - 赤黒い色になる
肝硬変などの肝臓病や糖尿病、ホルモン異常などが考えられます。 - 先端が裂ける、割れる
先端が層状に裂ける「2枚爪」。乾燥、貧血、血行不良などが考えられます。
特に病気もしていないのに爪に異変がある場合は、乾燥などが原因かもしれません。女性はネイルを行うときの処理が爪に負担をかけてしまっているおそれがあります。ネイルをつけるときはなるべく間をあけ、乾燥を防ぐため、爪の上に保湿性の高いものやビタミンEが配合されているハンドクリームを塗りましょう。爪の根元から先端へマッサージするのもお勧めです。
ネイルサロン選びは慎重に。その後のケアはしっかりと行い、異常を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。
また、過激なダイエットや生活の乱れも爪の変形の原因になります。爪の主成分であるたんぱく質の摂取を心がけ、バランスのとれた食事と十分な睡眠をとりましょう。
<参考資料>
『さわやか』2013年夏号(制作/社会保険研究所) ほか