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インフルエンザ対策は万全ですか ~ティーペック健康ニュース

 秋も深まり、空気が乾燥してくると、インフルエンザが話題に上ることも増えてきます。日本では例年12月から3月にかけて流行しますが、今シーズン(2015年~2016年)は特に流行の兆しが早く、全国の学校でインフルエンザによる学年・学級閉鎖が相次いでいます。
 インフルエンザへの備えとして大切なのは、まず「かからない」ための予防、そして感染してしまったら「重症化させない」「周囲に広めない」ことです。いよいよ流行期に入るインフルエンザ対策について、ぜひ知っておきたいことをまとめました。

重症化すると命の危険もあるインフルエンザ

 インフルエンザは、せきやくしゃみで飛沫(ひまつ)感染し、1~3日間ほどの潜伏期間のあとに突然38度以上の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れるのが特徴です。かぜに比べて全身症状が強く、気管支炎や肺炎などを併発しやすく、体力や免疫力の弱い高齢者や子ども、呼吸器や心臓などに基礎疾患や慢性の疾患をもつ人などは重症化すると死亡するおそれもあります。

予防接種のワクチンを3価 (種)から4価(種)混合に改良!

 インフルエンザワクチンはこれまで、毎年流行を繰り返すA型ウイルス2種類と、B型ウイルス1種類に対応した3価ワクチンでした。このうち、B型のワクチンは毎年、専門家による流行予測に基づいて2種類あるうちのどちらか一方を選んでいました。しかし、近年、B型の両方の混合ウイルスの流行が続いたため、今シーズンからB型の2種類にも対応し、4価ワクチンに変更になりました。
 接種量および接種回数は変わりませんが、従来のワクチンよりもB型インフルエンザに対する予防効果が期待できるようになったわけです。

●新しくなった4価(A型2価+B型2価)ワクチン
<インフルエンザA型>
(1)A/H1N1pdm09 (H1N1型)
2009年、新型インフルエンザとして世界的大流行(パンデミック)を起こしたウイルス。
(2)A/H3N2 (H3N2型)
A香港型といわれるインフルエンザウイルス。大流行しやすく、子どもや高齢者は重症化することも。

<インフルエンザB型>※今シーズンから2種類とも対応
(1)山形系統
(2)ビクトリア系統
いずれも季節性インフルエンザで、腹痛や下痢といった消化器系に影響が出やすい。A型よりも症状は軽く、限られた地域で流行する。

重症化すると命の危険もあるインフルエンザ

 インフルエンザは、せきやくしゃみで飛沫(ひまつ)感染し、1~3日間ほどの潜伏期間のあとに突然38度以上の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れるのが特徴です。かぜに比べて全身症状が強く、気管支炎や肺炎などを併発しやすく、体力や免疫力の弱い高齢者や子ども、呼吸器や心臓などに基礎疾患や慢性の疾患をもつ人などは重症化すると死亡するおそれもあります。

ハイリスクの人は早めに予防接種を

 以下に該当する重症化しやすいハイリスク・グループの人は、早めに予防接種を受けることをお勧めします。

●高齢者または子ども
●基礎疾患(糖尿病、免疫不全症、心疾患、肺疾患、腎疾患等)がある人
●養護・介護施設等で集団生活をしており慢性疾患がある人
●気管支喘息がある人 など


 これらの人と同居している人や世話をしている人なども、できるだけ予防接種を受けたほうがよいでしょう。また、かぜをひきやすい人、人込みへの外出が多い人、大勢の人と接触する機会の多い人も予防接種を受けておくと安心です。
 ワクチンの効果が実際に現れるまでには、接種してから2週間ほどかかります。ワクチンによる免疫の持続期間はおおよそ5ヵ月ですので、流行が始まる前の12月上旬ごろまでには予防接種を済ませておくとよいでしょう。
 また、ふだんの生活でできるインフルエンザの予防として、以下のことを実践しましょう。

●流行期は外出時にマスクをつける  ●こまめな手洗い・うがい
●人込みへの外出を控える      ●室内では適度な温度・湿度を保つ
●栄養と睡眠をしっかりとる

かかっても重症化を防ぐには!

 どんなに徹底的にインフルエンザ対策を行っているつもりでも、ときとして感染してしまうことがあります。「体調がちょっと変だな」と思ったら、自己診断せずできるだけ早めに医療機関を受診しましょう。インフルエンザと診断をされたら、会社や学校、人の大勢集まるような場所へは決して出かけないこと。自宅でおとなしく療養しましょう。放置すると肺炎になるおそれもあります。
 初期症状の段階で効く抗ウイルス剤がありますので、インフルエンザにかかって2日以内であれば重症化させずに済む場合もあります。

<診察を受ける際に医師に伝えること>
□ いつごろからどんな症状が現れたか  □ ふだんと様子が違う点
□ 服用している薬  □ 持病がある場合の病名
□ アレルギーの有無

<療養時に注意したい点>
●安静にして水分を十分とり、休養する。
●処方された薬を決められたとおり確実に服用する。
●熱が下がってから2日目まで、医療機関の受診以外の外出は控える。
●できるだけ手洗いをする。

手術、全身麻酔の予定がある場合は十分に期間を空ける

 なお、手術および全身麻酔の予定がある場合はインフルエンザ予防接種とのタイミングも考慮します。予防接種による発熱などの副反応が出る可能性がある時期に手術を受けると、その副反応や手術、麻酔による免疫低下のリスクとなる場合があります。そういったことを避けるために、予防接種と手術の間には十分な期間を設けます。予防接種を受けてから手術までにどれぐらい空ければよいのかは、手術の内容等によっても多少異なりますので、手術を受ける科の主治医に相談するのが確実です。
 また、小児の場合は複数のワクチン接種のスケジュールとの兼ね合いもあります。予防接種の種類や手術の内容によっては問題なく手術を受けられることもありますので、主治医や麻酔科医と相談してみることをお勧めします。

拡大を防ぐために「せきエチケット」の徹底を

 インフルエンザウイルスは、感染した人のせきやくしゃみとともに放出されます。感染経路は、その飛沫を口や鼻から直接吸い込むことによって感染する「飛沫感染」と、人の手などを介して感染する「接触感染」があります。感染した人のくしゃみには約200万個、せきには約90万個のウイルスが含まれており、一度せきをすると飛沫は2~3m、くしゃみは5m近く飛びます。
 インフルエンザ対策では、自分が感染するのを防ぐだけでなく、かかってしまったら周囲の人に感染を広めない心がけが重要です。

  • 発症したら1週間はマスクを着用
    せきなどの症状が治まってからもウイルスは残っているのでマスクの着用を忘れずに。
  • せきやくしゃみは他人から1~2m離れる
    マスクやハンカチなどで口元を覆い、周囲の人から離れて、背を向ける。
  • 鼻をかんだティッシュペーパーを捨てるときは厳重に
    ウイルスのついたおそれのあるものは、ふた付きのごみ箱かビニール袋に入れて捨てる。
  • こまめな手洗いで、ウイルスを広げない
    せきやくしゃみを手で押さえたり、鼻をかんだときはすぐに手を洗う。


 熱が下がったあとも、2日程度は無理をせず会社や学校などに行かないようにしましょう。無理を押して外出しないことは、自分の体のためでもありますが、周囲の人にインフルエンザを移し、大流行となることを避けるためにも重要なことなのです。

 インフルエンザの予防接種については、「以前に受けたが、かかってしまった」「副反応など健康被害が心配」「痛いので子どもがいやがる」などの理由で、積極的に受けたがらない人もいるようです。特に今年はワクチンが3価から4価に増えたことで、費用がこれまでの約3,000円程度から500~1,000円の値上げとなったため、接種率の低下が懸念されています。
 ワクチンがグレードアップしても、接種する人が減ってしまっては本末転倒です。インフルエンザにかかってしまったときのつらい症状や医療費の出費、学校や会社を休まなければならないことを考えると、「少々割高になっても予防接種を受けるほうがコストパフォーマンスがよい」と考えることもできるのではないでしょうか。

<参考資料>
『インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
『感染症の脅威から身を守ろう インフルエンザ・感染症を完全ガード』(制作/社会保険研究所)
『インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院)』   ほか

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