健康ニュース
2014.11.10
健康ニュース
めまいでわかる体の不調 ~ティーペック健康ニュース
人間の体は、目や耳などをセンサーとして活用し、脳で情報を分析して体の平衡感覚を把握しています。このため、センサーからの情報が異常だったり、情報処理がうまくできず情報を正しく受け取れなくなると、体のバランス感覚が乱れてめまいを感じます。もし、脳の病気でめまいを起こしている場合は一刻を争うこともありますので、注意すべき点を確認してみましょう。
めまいの症状と分類
一口でめまいといっても自覚できる症状にはさまざまなものがあり、考えられる病気も多岐にわたります。原因を探るためのヒントになるため、まずは自分が「どのようなめまいの症状なのか」を把握するのがポイントです。医療機関を受診するときは、問診の際に医師に「めまい」と一言で説明せずに、具体的に自分がどのような症状だと感じているかを伝えるようにすると、医師は診断や検査がしやすくなります。めまいの症状だけでなく、一緒に生じている症状(嘔吐・頭痛・耳鳴り・聴力の低下・体のしびれ・ろれつが回らないなど)によっても、どこの部位に異常が生じているかが違いますので、一緒に医師に伝えます。
一般的には、めまいの症状には回転性・浮動性・立ちくらみの3つがあるといわれています。
●めまいの症状と考えられる病気
めまいの分類 | 症状の例 | 主に考えられる病気 |
---|---|---|
回転性 | ・周囲のものがグルグルと回る ・自分の体がグルグルと回るように感じる ・周囲が一定方向に流れるように見える | ・内耳や耳の神経の感染症・病気 ・頭痛がひどいときは脳出血の可能性も |
浮動性 (非回転性) | ・フワフワと床が揺れて姿勢を保てない ・フラフラしてまっすぐに歩けない ・揺れている船の上にいるような感じ | ・脳の病気(脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など) ・心因性の病気(パニック障害やうつ病など) |
立ちくらみ | ・目の前が真っ暗になる ・気が遠くなる感じ ・立ち上がるとクラッとする | ・全身性の病気や症状(貧血、高血圧、糖尿病、自律神経失調症、更年期障害、熱中症の脱水症状など) |
すぐに医療機関へ行く必要があるのは
めまいで特に注意が必要なのは、脳に異常があることで起こるめまいです。それほど重い症状ではなく、一時的なものであったとしても、次のような症状が一緒に起こるときは脳の異常が考えられます。「たいしたことはない」と軽く考えずに早急に医療機関を受診する必要があります。
- 激しい頭痛
- 意識が薄れる・意識を失う
- 舌がもつれてうまくしゃべれない
- 手足や顔がしびれる
- 感覚がふだんと違う
- 物が二重に見える
生活習慣を改善してめまいを予防する
めまいの症状が悪化するのは、過労や睡眠不足、ストレスなどで体調が悪いときです。予防のためには、まずは耳や脳を十分に休ませるために、規則正しい生活を心がけて睡眠をしっかりとることが大切です。同時にストレス対策として、趣味などで気分転換をしたり、ゆっくりとお風呂に入ったりするなど、自分なりのストレスをため込まない工夫を心がけましょう。
耳や脳、神経、ストレス等の心因性の要因など、めまいには多くの器官が関係するため、医師はどの器官がめまいの原因になっているのかを問診と検査で一つずつ精査する必要があります。このため、可能であればめまいの診断経験が豊富な「めまい外来」などを受診するのがベストです。ただし、しびれなど脳の異常が疑われる症状がある場合は、一刻を争うこともありますので、神経内科や脳神経外科をすぐに受診してください。