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毎年5月31日は世界禁煙デー ~ティーペック健康ニュース

 「世界禁煙デー(World No Tobacco Day)」はWH0(世界保健機関)総会で決議された国際デーのひとつです。その名のとおり、世界中で禁煙キャンペーンを実施する日で、日本でも1992(平成4)年より毎年5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間と定め、喫煙および受動喫煙による健康被害などについて多くの国民に知ってもらうためのさまざまな催しが日本各地で行われます。
 「禁煙したい」と思っている人は、喫煙者のうちの7割にも及ぶといわれています。いまだ踏み切れていない人は、世界禁煙デーをきっかけに禁煙にチャレンジしてみませんか?

喫煙者は各種がん、虚血性心疾患、脳卒中、死亡などのリスクが高くなる!

 タバコから立ち上る煙には4,000種類以上の化学物質が含まれています。そのうち約200種類以上が有害物質とされ、50種類以上は人にがんを引き起こす発がん性物質であることがわかっています。
 喫煙者のがん発症リスクは非喫煙者に比べ、男性の場合、肺がんが4.5倍、食道がんが3.7倍、がん全体では1.6倍高くなり、女性の場合、膀胱がんが6.5倍、肺がんが4.2倍、がん全体では1.5倍高くなります(独立行政法人国立がん研究センター がん研究開発費による多目的コホート研究事務局「多目的コホート研究の成果 2011[11月発行]」より)。
 また、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクは男性が2.9倍、女性が3.0倍、脳卒中は男性が1.3倍、女性が2.0倍、死亡は男性が1.7倍、女性が2.0倍、非喫煙者よりも高くなります(同上)。
 さらに、喫煙本数の多い男性で自殺リスクが高いこと、喫煙本数が増えるほど糖尿病リスクが増えることなどもわかっています(同上)。

全身の病気を招くタバコの害

 タバコは、肺がんなどの発がんリスクを高めるだけではなく、体のあらゆる部位にさまざまな障害を引き起こします。

  • 細胞のがん化
     呼吸によって肺に取り込まれた煙に含まれる「発がん性物質」の多くは、体内で活性化され、DNA複製の際に遺伝子の変異を引き起こし、細胞のがん化を促進します。肺がんをはじめ、口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなど、全身のがんの原因になります。
  • 動脈硬化、心臓病、脳血管障害
     タバコに含まれる「ニコチン」の作用によって、中性脂肪の合成が促進するとともに、LDL(悪玉)コレステロールが増加し、HDL(善玉)コレステロールが減少するため、動脈硬化が促進し血管が詰まりやすくなります。また、ニコチンには、血管を収縮させる作用があり、血圧が上昇し血流低下などを引き起こします。これが、狭心症や心筋梗塞などの心臓病や脳血管障害の原因となります。
     喫煙によって体内に必要以上に増えた「活性酸素」もLDLコレステロールを酸化変性させ、動脈硬化を促進します。
  • 全身の臓器の機能低下
     タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は、酸素の約250倍も赤血球中のヘモグロビンと結びつきやすい性質があります。そのため、本来のヘモグロビンの酸素運搬機能が阻害され、全身の組織が酸素不足に陥ります。
     さらに、体内の酸素不足およびニコチンによる血流低下によって、脳、心臓、粘膜など全身の臓器・器官の機能が低下するため、狭心症、胃潰瘍、視力障害、歯周病などになりやすく、また、免疫力の低下によってさまざまな感染症にもかかりやすくなります。
  • 気管支等の障害
     タバコの煙に含まれる「有害物質」によって、有害物質を排出する繊毛運動が障害され、気管支や肺胞に炎症が起こりやすくなり、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を引き起こします。
  • 肌の老化
     喫煙によって大量に発生した「活性酸素」を取り除くために、体内ではビタミンCやEなどのビタミン類が大量に消費されます。そのため、肌をつくる成分も減り、肌の老化を急速に促進し、肌荒れ、しみ、しわが増えるなど実際の年齢よりも老けたように見える、いわゆる「スモーカーズ・フェース」になります。スモーカーズ・フェースは顔の表面に表れるためにわかりやすいのですが、実際には体中の細胞も同じように老化しているということです。
  • 胎児への影響
     胎児は、胎盤を通して母親の体から酸素や栄養を受け取っています。「ニコチン」の作用により子宮や胎盤の血管が収縮したり、「一酸化炭素」が増えて母体が酸欠状態になると胎児も酸欠状態になります。胎児の成長が阻害され、流産・早産・低体重児などの出産の危険性が高くなります。
ニコチン依存は“立派な病気”

 タバコに含まれるニコチンは、脳に働きかけて快感をもたらし、依存性の原因となります。
 ニコチン依存には、ニコチンが不足することで禁断症状が起こる「身体的依存」と、吸いたい気持ちが抑えきれず、喫煙を正当化して吸い続けようとする「心理的依存」の二つの依存性があります。この二つの依存性が、多くの喫煙者が禁煙に失敗してしまう最大の要因です。
 たとえば、タバコを吸うと集中力がアップしたように感じるのは、ニコチンを補充したことでイライラなどの禁断症状が治まり元の状態に戻ったからです。能率が上がったのではなく、低下していた状態が元に戻ったにすぎません。つまり、ニコチン依存のために「タバコを吸わないと集中できない」状態になるということです。
 ニコチンは毒性の強い物質で、ヘロインやコカインなどの麻薬と変わらないぐらい強力な依存性があります。ニコチンへの依存は治療が必要な“立派な病気”なのです。

COPDの最良の予防法は禁煙

 気管支が慢性的な炎症を起こして気道が狭くなり息がしにくくなったり、肺胞が壊れて呼吸機能が衰えたりなど、呼吸困難が徐々に悪化していく病気COPDは、別名「タバコ病」ともいわれるように、その最大の原因は喫煙です。
 COPDは、重症化すると安静時でも息苦しくなり、さらに深刻化すると呼吸不全により死に至る危険性があります。COPDが原因で年間約1万6,600人が亡くなっており、これは交通事故死(年間約6,700人)の約2.5倍、糖尿病による死亡(年間約1万4,700人)とほぼ同数です(厚生労働省「平成23(2011)年人口動態統計(確定数)の概況」より)。COPDの最良の予防法は禁煙であり、最良の治療法も禁煙です。

知っておきたい受動喫煙の害

 タバコの煙は、喫煙者本人が吸い込む主流煙よりも、火のついたタバコの先から立ち上る副流煙のほうが、フィルターを通らない分、有害物質が高濃度に含まれています。非喫煙者が受動喫煙してしまうことで、肺がん、副鼻腔がん、乳がんなどのがんや、循環器系の病気を引き起こす危険性が高くなります。
 家庭内で大人(親)が吸うタバコの副流煙が原因で、子どもが喘息や気管支炎を引き起こすことがわかっています。実は、喫煙者の呼気から徐々に放出される呼出煙も、空気中に拡散して非喫煙者に影響を与えるため、たとえ分煙などをしても、厳密にいえば完全に分煙しているとはいいがたく、完全な禁煙空間でなければ効果は薄いといわれています。
 とりわけ、親の喫煙には、子どもの受動喫煙による健康被害の問題だけではなく、子どもが未成年のうちに喫煙を開始する危険因子となったり、乳幼児の事故(誤嚥など)の原因になるなど、さまざまな問題があります。最近、無煙タバコ(噛みタバコ、嗅ぎタバコ)、電子タバコ、メンソールタバコ、芳香オイルタバコ、パッケージがカラフルなタバコなど、未成年者が喫煙に興味をもちやすく、抵抗感が低くなるような新しいタイプのタバコが販売され始めており、未成年者の喫煙者が増える危険性が叫ばれています。

 2013年の世界禁煙デーのテーマは、「Ban tobacco advertising, promotion and sponsorship.(タバコの宣伝、販売促進活動、スポンサー活動を禁止しよう)」(訳:NPO法人日本禁煙学会)です。
 世界禁煙デーは、喫煙や受動喫煙の健康被害について考えるだけではなく、タバコの「広告」「販売促進」「スポンサー活動」などの実態についても、喫煙者と非喫煙者がともに考えるきっかけの日にしてはいかがでしょうか。
 自分自身の健康を守ることができるのは、WHOでも国でも自治体でも医師でも、ましてやタバコ企業でもなく、自分自身です。

<参考資料>
『多目的コホート研究の成果 2011(11月発行)』(独立行政法人国立がん研究センター がん研究開発費による多目的コホート研究事務局)
『平成23年(2011)人口動態統計(確定数)の概況』(厚生労働省)
『2007年WHO世界禁煙デー小冊子』(監修/日本禁煙推進医師歯科医師連盟、訳/仲野暢子)
『2013年世界禁煙デー タバコの宣伝、販売促進活動、スポンサー活動を禁止しよう』(翻訳/NPO法人日本禁煙学会) ほか

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