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快眠は体と心の元気の源 ~ティーペック健康ニュース

 「通勤に時間が割かれるため、睡眠時間を削らざるをえない」「ストレスが強すぎて安眠できない」「ゲームやインターネットなどに夢中になり、脳や心の緊張がなかなか解けず寝つけない」などの理由で、慢性的な睡眠不足に陥っている人や、睡眠についての悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
 睡眠不足の状態が長く続くと、疲労感、判断力の低下など日常生活に支障が出るのは言うまでもありませんが、さらに、高血圧、心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクが高まる、うつ病が誘発されるなど、体にも心にも大きく影響を及ぼします。
 忙しい毎日を過ごす現代人にこそ、快眠による体と心の休養が必要です。

脳の疲労回復や体の組織の修復のために必要な睡眠

 睡眠には、脳を休ませて脳の疲労を回復したり、脳の「記憶の整理」をして、起きているときの脳の活発な活動を支えたりという重要な働きがあります。
 また、睡眠中は、免疫機能を活性化させる物質が分泌され、体に侵入した細菌やウイルスを撃退するなどの働きを行います。さらに、体の中で傷ついた細胞を修復したり新しい細胞を作り出したりなどの新陳代謝を促進させる成長ホルモンが分泌され、臓器や肌の健康を保つ働きをしています。

睡眠不足でストレス物質が増加し、記憶障害やうつ病を発症することも

 睡眠不足に陥ると、強いストレスを感じたときに増加する「コルチゾール」というストレス物質の濃度が高まります。コルチゾールは、血圧や血糖値を高めるため、動脈硬化などを引き起こしやすくします。動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる病気を引き起こすリスクが高くなります。
 コルチゾールは、脳の海馬と呼ばれる大脳辺縁系の神経細胞を破壊することが知られています。海馬は、記憶や学習能力などにかかわる重要な役割りを担っており、睡眠不足でコルチゾールが増加すると海馬が破壊され萎縮し、記憶力の低下などを招きます。うつ病などの心の病を発症する恐れがあります。

快眠を促す環境づくりを!

 スッキリと目覚めることができた朝は、体も心も充実している満足感があります。快適な睡眠を得るためには、それを妨げるストレスなどの刺激を少なくすることのほかに、快眠を促すための環境づくりが大切です。

  • 毎朝欠かさず、太陽の光で体内時計を刺激
     ヒトの脳に備わっている「体内時計」は、朝、太陽の明るい光を視神経を通して感知することで刺激され、体中に「目覚めなさい」という指令を出します。と同時に、「朝の光を感知してから14~16時間後に睡眠の準備を始めなさい」という指令も出します。快眠の準備は、実は朝起きた瞬間から始まっているのです。毎朝、規則正しく太陽の光を浴びる習慣を身につけましょう。
  • 食事のタイミング
     朝ごはんは、体と心を目覚めさせ、その日1日の活力の源となりますから、毎日欠かさず食べるようにしましょう。
     夕食は、入眠時に胃に食べた物が残っていないように、少なくとも就寝の3時間前までにはとり終え、満腹でもなく空腹にもならない程度の量を心がけましょう。夕方以降のカフェインの摂取および就寝前のアルコールの摂取は睡眠の質を低下させますので、できるだけ避けるようにしましょう。
  • 日中に適度な運動
     日中の運動による体と脳の適度の疲れは、心地よい睡眠を生み出します。忙しくて運動する時間がないという人も、ウオーキングなどの軽めの運動で十分ですから、意識して体を動かすようにしましょう。
  • 入浴の活用
     38~40℃くらいのぬるめのおふろに半身浴で20分ほどゆっくりつかると、心身を鎮める副交感神経が働き心身をリラックスさせます。一時的に体温は上昇しますが、なだらかに体温が低下し、約2時間後には自然に睡眠に入ることができます。
  • 快眠のための環境づくり
     快適に眠るための寝室環境を整えましょう。「照明」は、30ルクスぐらいの穏やかな明るさが睡眠ホルモンのメラトニンがほどよく分泌されるといわれています。「音」は、完全な無音よりも図書館の中に相当する程度のごくわずかな音があるくらい(40デシベル以下)が心地よいとされています。「温度」は、季節によって変動しますが、エアコンを使用する場合は、夏は28℃前後、冬は20℃前後くらいに設定しましょう。「湿度」は50~60%程度が最も快適といわれています。
     照明や音などの好みには個人差がありますから、自分がいちばん眠りやすい環境を見つけましょう。
  • 自分に合った心地よい寝具、寝巻き
     高すぎず低すぎず、頭や首の形に合った「まくら」や、あお向けになったときにちょっとお尻が沈むくらいの、硬すぎず柔らかすぎないほどほどの硬さの「敷き布団」、体を締めつけない、ゆったりと大きめの「寝巻き」など、自分が心地よいと感じるものを選びましょう。
  • 自分に合ったリラックス法
     音楽、ストレッチ、呼吸法、アロマセラピー、読書など、自分に合った独自の眠気を誘うリラックス法を探しましょう。

 理想的な睡眠時間には個人差がありますが、決して3時間や4時間で十分などということはありません。眠る時間を惜しむのではなく、眠っている時間さえも人生の大切な一部分としてとらえ、ときには、どうすれば充実した睡眠時間をとることができるか真剣に考えてみるのもいいかもしれませんね。

<参考資料>
『健康づくりのための睡眠指針検討会報告書(平成15年3月)』(厚生労働省健康局総務課)
『快眠マネジメント』(監修/グッドスリープ・クリニック院長 医学博士 斎藤恒博、管理栄養士 横浜創英短期大学教授 則岡孝子、制作/社会保険研究所) ほか

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