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ロコモティブシンドロームを防ぐ ~ティーペック健康ニュース

 最近、「階段を上ったり歩き続けたりすることがきつくなった」とか「平坦な道でもなぜかつまずきやすくなった」「重い物を持つのが以前より苦痛になった」などと感じることはありませんか?
 それは、もしかしたら「ロコモティブシンドローム」予備群かもしれません。その予防が、将来、介護を必要としたり寝たきりの生活を送ったりすることをできるだけ避けるためのキーワードとして、いま注目されています。

ロコモティブシンドロームとは?

 「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」とは、加齢に伴う老化現象などによって骨や関節、筋肉、神経などが、衰えたり障害が起こったりすることで、徐々に移動能力が低下し、将来、介護を必要としたり寝たきりの生活になったりするリスクが高い状態をいいます。50歳を超えた人の7割以上がロコモティブシンドロームとその予備群である可能性があるといわれています。
 「ロコモティブ」とは運動器(locomotive organs)という意味です。運動器とは、骨、関節、筋肉、腱、じん帯、神経などの運動にかかわる器官や組織の総称で、健康な人の体が自然でスムーズな動きができるのは、これらの運動器のすべてが過不足なく調和し連携し合っているからです。運動器のいずれかひとつでも不調をきたしてしまうと、体全体に影響が及び、体はスムーズに動かなくなり、また、不調をきたした部分を他の運動器が補おうと無理な働きをするため、別の新たな不調を引き起こすことにも陥りかねません。
 本来、ヒトの体は、どんなに健康な人でも使わないと筋肉などの働きは衰えてしまいます。それに加えて、加齢に伴う老化現象などによる運動器の衰えからくる体の不調が現れる前に、しっかり体を動かして筋肉を保つことが、将来の、ロコモティブシンドロームを原因とした転倒による骨折などのけがや障害を予防することにつながります。

身体活動量が減り、体力が低下する悪循環に

 加齢に伴う老化現象などによって体力や筋量が徐々に低下していくと、それに比例して私たちの生活習慣も変化し、活動するのがよりおっくうになり、しだいに身体活動量が減少していきます。身体活動量が減少すると、体力や筋量はさらに低下してしまうという悪循環が生まれます。
 身体活動量の減少は、筋量の減少やバランス能力の衰えを招き、思わぬけがや障害を引き起こしやすくなりますので、加齢に伴う老化現象などから起こる一連の悪循環をできるだけ早い段階で断ち切ることが重要です。
 一般的に、体力や筋量が低下していく割合は50歳くらいまでは緩やかですが、50歳を超えると急激に加速するといわれています。早い人では40代から体力や筋量の低下が始まる人もいますので、50歳になっていないからといって安心はできません。

太ももの前側や大腰筋を鍛えることが有効

 筋量は、上半身よりも下半身のほうが減少しやすいといわれています。下半身では太もものうしろ側より前側のほうが減少しやすく、また太ももの前側に比べると大腰筋はさらに減少しやすいことがわかっています。大腰筋の筋量が低下すると脚を引き上げる力が弱くなり、でこぼこや段差などがないのにつまずいたり、転んだりしやすくなります。上半身の筋量を保つことも大切ですが、下半身の、特に太ももの前側や大腰筋を鍛えることは、身体機能の低下を防ぎ、歩行などの日常生活上の動作を維持するうえで有効といえます。
 また、加齢による骨密度の低下は転倒などによる骨折の危険性を増加させます。骨密度を保つためにも適度な運動習慣は効果的です。

自分に合った運動習慣を見つけよう

 筋肉は使わないと衰えますので、しっかり筋量を維持することを心がけましょう。日ごろから適度な運動習慣をもつことで、運動機能の低下は防げます。たとえば、背筋をしっかり伸ばしてよい姿勢を保って大きな歩幅で歩くだけでも全身の筋肉を使います。運動する時間のとれない人は、よい姿勢を意識して歩くだけでも効果があるのです。
 もう少し時間がとれる人は、ウオーキングや筋力トレーニング、スクワット、片足立ちなどもよいでしょう。ほかにも、水中歩行、水泳やテニス、卓球、太極拳などなど、自分の体にとって無理のない程度の運動を、毎日の習慣にしましょう。
 運動は、いくつから始めても効果が期待でき、遅すぎるということはありません。人は何歳になっても筋量が向上する可能性があるといわれています。年だからとあきらめず、自分の体力に合わせて、できるところから始め、継続していくことが大切です。

 加齢や老化からはだれも逃れることはできません。でも、高齢になっても足腰が丈夫で、自力で移動し、家族など周囲の人に迷惑をかけずに生活を送ることができれば幸せです。その結果、入院や介護を必要とすることなく過ごすことができるかもしれません。
 ロコモティブシンドロームから逃れるようにするにはどんな運動習慣をもてばよいかを、みずから考え、実行し、日々健やかに過ごすこと。それが、「いまを楽しむため」だけでなく、「やがて訪れる老いを生き生きと生きるため」に必要なのかもしれません。
 さあ、さっそく「貯筋習慣」を始めませんか。

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