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忘年会シーズン。つい飲みすぎてしまったら ~ティーペック健康ニュース

 いよいよ忘年会のシーズンです。さまざまな場でお酒を飲む機会が増え、気がついたら立て続けに何日も飲み会の予定が入っていたなどという方もいらっしゃるでしょう。
 『広辞苑』を改めて開いてみると、忘年会とは「その年の苦労をわすれるために、年末に催す宴会」とあります。仕事などでの苦労や努力を共にしてきた方々や友人たちとの1年分の感謝とねぎらいの気持ちを込めた会というわけですから、ついつい飲みすぎてしまうほど盛り上がるというのも、いたしかたのないことでしょう。
 しかし、どんなに楽しい会だったとしても、過飲した翌日には苦しい二日酔いが待っていることも忘れないように。お酒は、自分に合った適量を守り、節度をもって健康的に愉しみたいものです。

日本人の約45%はお酒に弱いか、まったく飲めない体質
  • アルコールは、まずアセトアルデヒドに分解される
     飲んだアルコールは、胃から約20%、小腸から約80%吸収されて血液に入って全身を循環し、そのほとんどが肝臓で代謝されますが、約2~10%はアルコールのまま呼気、尿、汗として排出されます。
     アルコールは、肝臓でまずアルコール脱水素酵素という酵素の働きによってアセトアルデヒドに分解されます。
     アルコール脱水素酵素には、働きの強いタイプと弱いタイプがあります。働きの弱いタイプの人は強いタイプの人に比べてアルコールからアセトアルデヒドに分解されるまでの時間が長くかかるため、アセトアルデヒドの発生が遅くなり、それに伴って顔面紅潮も遅れて出ることがわかっています。さらに、働きの弱いタイプの人が大量に飲酒した場合、翌日まで分解しきれないアルコールが残ってしまうため、酒臭さも残りがちです。近年、アルコール脱水素酵素の働きの弱いタイプの人のほうが、食道がんや咽頭がんになりやすいこともわかってきました。
     また、飲酒した際に口や消化管に付着したアルコールは、口腔内や消化管内に存在する常在細菌によってアセトアルデヒドに分解されます。このため、口腔内や消化管内は高濃度のアセトアルデヒドにさらされ、がんを引き起こす一因とされています。
  • アセトアルデヒドは、さらに酢酸に分解される
     有毒なアセトアルデヒドは、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素という酵素によって無毒な酢酸に分解されます。そして、酢酸は、最終的には水と二酸化炭素に分解され体外へ排出されます。
     日本や中国などの東アジアの人では、このアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人が多くみられます。日本人の場合、約40%の人がアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱い「低活性型」、約4%の人がまったく働かない「不活性型」です。これらのタイプの人は、少量の飲酒で、顔面紅潮やおう吐、頭痛を引き起こします。特に「不活性型」の人は、飲酒による食道や咽頭の発がんリスクが高まるといわれています。また、「低活性型」の人は訓練すれば多少は飲めるようになりますが、アセトアルデヒドを分解する働きが強くなるわけではないため、アセトアルデヒド脱水素酵素の能力以上の負荷をかけてしまうことになり、肝臓などの臓器が障害を受けやすくなります。ですから、これらのタイプの人には決して飲酒を無理強いしてはいけません。また、これらのタイプの人は、日ごろから飲めない体質であることを周りの人にアピールしておくのもよいでしょう。
  • アルコールが消失するまでの時間には個人差がある
     体内に吸収されたアルコールが分解されて水と二酸化炭素になり体外に排出されるまでの時間は、体重約60kgの人がビール中ビン1本(500ml)程度のお酒を30分以内に飲んだ場合、約3~4時間かかります。ビール中ビン2本の場合は約6~7時間です。どれぐらいかかるかは、体質や体重、性別などによって個人差があり、また、その日の体調によっても変わってきます。たとえば、体質的にお酒に弱い人や女性はさらに時間がかかります。
     飲んだ酒量によっては、一晩寝ても、また、翌朝二日酔いになっていなくても、まだアルコールが体内に残っていることが考えられます。翌日、車の運転をする予定のある人は、飲んでから運転開始までの時間を考慮して、飲酒を切り上げる時間や飲む量を調整しましょう。
まずは、お酒を飲む前の予防を

二日酔いになってからの対処より、まずは飲む前の予防が大切です。

  • 空腹のまま強いお酒を飲まない
     食前酒という楽しみ方があるように、食前の少量のお酒には胃液の分泌を促して食欲を増進させる働きがあります。ところが、食前の空腹のときに大量のお酒を飲んでしまうと、胃腸に対する刺激が強すぎ、胃粘膜を荒らしてしまいます。また、胃の中に何もないためアルコールが吸収されやすく、血液中のアルコール濃度が急激に上昇し、酔いの回りが早くなり、体を壊してしまう原因となります。いきなり強いお酒を飲んだ場合も同様です。
     食前にお酒を飲む場合は、アルコール度数の低いお酒を少量飲む程度にしましょう。また、飲む前に牛乳やチーズ、梅干や柑橘類の果物を食べたり、お酢などを薄めて飲んだりしておくと、アルコールの吸収が穏やかになり、酔いが回りにくくなります。
  • お酒を飲むときは食事とともにゆっくりと
     お酒を楽しむ人のなかには、ほとんど何も食べずに飲み続ける人がいますが、これも体を壊す原因になります。お酒は、食事とともに楽しみながらゆっくりと飲みましょう。酒のつまみには、肝臓に負担をかける脂っこいものや血圧を上げる塩分の強いものはできるだけ避け、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含んだものをバランスよく食べるようにしましょう。枝豆や豆腐、鶏肉、チーズ、大根、あさりなどがお勧めです。
  • 休肝日を必ず設ける
     肝臓はアルコールが体に入るとそれを無毒の物質に変えるため、黙々と働き続けます。肝臓は酷使し続けると、脂肪肝や肝炎、肝硬変などを引き起こす要因となります。肝臓の回復を助けるために、週に2日程度は肝臓を休める日を必ず設けましょう。その際、5日連続で飲んで2日連続で休むのではなく、2~3日飲んだら1日休むというふうに、こまめに休ませるのがよいでしょう。
それでもついつい飲みすぎてしまったら?

 アルコールの分解には大量の水分が必要です。大量にお酒を飲んだ次の日は脱水症状を起こしている可能性がありますから、朝、起きたら大量に水分を補給しましょう。
 肝臓でアルコールを分解するときには糖分も消費されますから、柿、りんご、グレープフルーツなどの果物で糖分を補給するのもよいでしょう。卵などに含まれるシステインやごまに含まれるセサミンなどは、肝機能を促進し、アルコールを体外に出す働きが活発になるといわれています。大豆などに含まれるコリンは、肝臓に入ったアルコールがエネルギーとして体内にたまるのを防ぐ働きがあるといわれています。しじみに含まれるアミノ酸は肝臓でのアルコールの分解を促進させるといわれています。
 これらの対処法は、できれば、飲んだ当日、寝る前に行ったほうがより効果的です。

 皆さんもご存じのように、お酒は適量であれば、食欲の増進やストレスの解消、疲労回復などのさまざまな効用が期待されます。そんなお酒を「良薬」にするか「毒薬」にするかは、飲む人それぞれの飲み方しだい。飲むペースを尊重し合い、無理強いやイッキ飲みの強要は慎むことが大切です。
 何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。二日酔いになるほどの深酒は避けたいものです。
 新しい年を清々しく迎えることができるよう、忘年会では「適量」を胸に秘め、会社の上司や同僚、関連会社の方々、友人などと、楽しくも有意義な1年の締めくくりの時間をお過ごしください。

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