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高尿酸血症・痛風~生活上のポイント~ ~ティーペック健康ニュース

監修:順天堂大学医学部附属順天堂医院 総合診療科
 小林 暁子

 ビールのおいしい季節になりました。最近は「プリン体90%カット」などとうたった商品も見かけます。それだけプリン体に関心をお持ちの方が増えてきたということでしょうか。食事から摂ったり体内で作られる「プリン体」が分解されてできる物質を「尿酸」といい、これが蓄積して起こる病気が「痛風」です。食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加などに伴い、患者数は年々増え、推定30~60万人、ほとんどが男性で、年齢層のピークは30歳代に若年化しています。

 また、尿酸が蓄積することで問題となるのは足などの関節に起こる激痛だけではありません。放置すれば尿路結石や腎障害を引き起こしたり、動脈硬化の引き金となり、狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などの合併症を招くこともあります。しかしこれらの合併症は、生活習慣の改善や適切な治療で防げます。そこで今回は、昨年8月に発表された治療ガイドラインに沿って、生活上のポイントをご紹介致します。

高尿酸血症とは

性別や年齢を問わず血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dlを超えるものと定義され、8.0mg/dl以上で治療開始を検討し、 6.0mg/dl以下にコントロールすることが望ましいとされています。検診などで尿酸値が高いといわれたら、まず受診して詳しい検査を受けましょう。

1.肥満を解消し、標準体重の維持に努めましょう

肥満度が高くなるほど尿酸値も高くなる傾向があります。また肥満は、痛風の人に多い高血圧や高脂血症などの合併症の要因にもなります。
体重はBMI(体格指数)25未満を目標としましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 標準体重=身長(m)×身長(m)×22

ただし、急激な減量はかえって尿酸値を上げますので月に1~2kg程度を目安にしましょう。

2.食生活を見直しましょう

①適正な摂取エネルギー量を守りましょう
美食・偏食を避け、多品目を少量ずつゆっくり時間をかけて食べ、腹八分目を守りましょう。

1日の摂取エネルギー量の目安(kcal)=標準体重(kg)×25~30(kcal)

②プリン体を多く含む食品は控えめにしましょう
プリン体は細胞の核に存在するので、卵巣・精巣・内臓など細胞数の多いものや、乾燥によって細胞が凝縮されている干物などに多く含まれています。 ほとんどすべての食品に含まれていますから厳密なプリン体制限は困難です。高プリン体食を多量に摂らないように気をつけましょう。 またプリン体は水に溶けやすいので、茹でる、煮るなどの調理法を取り入れましょう。(ただし、煮汁はできるだけ飲まない方がよいでしょう。)

プリン体の多い食品(食品100gあたりの総プリン体量)
極めて多い
(300mg~)
鶏レバー、まいわし干物、いさき白子、あんこう肝酒蒸し、
かつおぶし、煮干、干ししいたけ
多い
(200~300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、
マアジ干物、サンマ干物
(資料:「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」より一部抜粋)


③尿をアルカリ化する食品を積極的に摂りましょう
尿が酸性に傾いていると、尿酸が溶けづらく排泄されにくくなり、尿路結石を起こしやすくなります。酸性食品の肉類を摂りすぎないように注意し、海藻や野菜などのアルカリ性食品を積極的に摂りましょう。

④十分な水分摂取をこころがけましょう
尿量が増えると尿酸は排泄されやすくなりますので、1日に2リットル以上の水分摂取を目標にしましょう。(ただし、心臓や腎臓のご病気をおもちの方は、医師の指示を守って下さい。)また、多量の汗をかくと尿量が減り尿酸の排泄が悪くなりますので、 これからの季節は特にこまめに(起床時・食後・就寝時・運動中や前後など)水分を摂るよう心がけましょう。

3.アルコールは控えめにしましょう

ビールにプリン体が多いのは原料の麦芽に豊富に含まれるためで、麦芽使用率が低い発泡酒はプリ ン体も少なくなります。また焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は、製造過程でプリン体が除かれるため極めて少なくなります。 しかし、アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られる上、その際に出来る乳酸という物質が尿酸の排泄を妨げます。 さらに、アルコール自体のエネルギー量が多いため肥満の原因にもなりますので、飲みすぎは禁物です。 1日の飲酒量は、ビール500ml、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯までのいずれかにしましょう。 また、毎日飲酒する人の方が尿酸値は上がりやすいので、週に2日以上は禁酒しましょう。(痛風発作時は必ず禁酒しましょう!)

4.適度な有酸素運動をしましょう

息が切れるほどの激しい運動をすると、筋肉で尿酸の原料が作られてしまいます。 ウォーキングや水泳など、リラックスできる運動を継続して行ないましょう。

5.ストレスを上手に解消しましょう

ストレスがたまると痛風発作を起こしやすくなるといわれていますが、その解消法がやけ酒、 やけ食い、過度な運動などでは逆効果です。のんびりゆっくり型の生活をめざしましょう。

<参考・引用文献>
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン/ダイジェスト版」 日本痛風・核酸代謝学会
「やさしい痛風の自己管理」 医療ジャーナル 他

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