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山歩きと水分補給 ~ティーペック健康ニュース

山歩きの魅力は若い人からお年寄りまで幅広い年齢層の人が楽しめるところにあります。ここ数年は特に、自然派志向と健康増進のため中高年の間で山歩きが盛んに行われています。

そんな中、上手に水分を摂取することができなくて疲れてしまう方が非常に多いのをご存知ですか?今回は水分補給にのみ焦点を絞り、上手な水分補給についてお話したいと思います。

水と身体の関係

私たちの身体は骨と筋肉のみならず、全体の約2/3が水分で成り立っていて、体重60キロの人は40キロほどが水分です。水は色々な物質をよく溶かす特徴があり、私たちの細胞の働きに必要なイオンを溶かしてくれます。このイオンとは、私たちの体液に含まれる電解質のことです。

水の役割
  • 体内への栄養分の運搬
  • 代謝を助ける
  • 老廃物の排泄
  • 体温調節
  • 体液の酸性度の調整

などさまざまな働きに重要で、失われたらそれを補うことが必要になります。

水の役割
収入 支出
飲料 1,200 尿 1,300
食物 800 不感蒸泄 900
代謝水 300 大便その他 100
合計 2,300 合計 2,300
水分欠乏に伴う症状
欠乏率症状
1%喉の渇き
2%以上強い喉の渇き・食欲減退・ぼんやりする・運動能力低下・
疲労が強くなり始める・筋けいれん 等
3%以上体温上昇・呼吸数増加・心拍数増加・血液濃縮・
腎機能低下 等
20%以上生命の危険
山歩きと水の関係

山歩きは軽いものでも意外と運動量が多く、気候が良ければ良いほど多量に汗をかくので水分の排出は非常に多くなります。この発汗作用は汗が蒸発するときに熱をうばい、体温を一定に保つ働きをしてくれます。水分補給なしに汗をかき続けると、体温調節ができなくなり熱中症を起こすこともあります。

汗の量が体重の2%を超えてくると汗とともにカリウムやナトリウムなどの電解質が排出されて、体液のバランスが崩れてきます。これは筋肉のけいれんの原因にもなります。 このような状態のときに適量の水分を摂らないと体内の水分はどんどん失われて血液は濃くなり粘りがでて、循環が悪くなり心臓に負担がかかり、疲労も強く現れ持久力が低下します。

汗の量が体重の3%を超えてくると、血液に粘性が出てきて固まりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞をおこしやすくなりますので、動脈硬化傾向にある中高年の方は特に注意なさってください。

その他に脂肪分は水分を含まないので、身体の脂肪分が多い女性や太っている人も注意が必要です。また高齢の方では身体に含まれる水分量が加齢に伴い減少し、腎臓の働きも衰えますので同じ老廃物を処理するにあたっても、多くの尿が必要になるので身体から失われる水分量も増加するのでこの点でも注意が必要になります。

適度に水分を摂って尿を出し水分の代謝を良くすることは、脱水を防ぎ血液濃度のバランスを保ち血液循環をよくするので酸素をよく取り込め、高山病を予防する効果があるとも言われています。

必要な水分補給量と補給方法

山歩きではどれくらいの水分が必要でどのように補うのか?

日帰りの山歩きでは1リットル~1.5リットルが目安です。夏場や6時間以上歩くような時には1.5リットル~2.5リットルが目安です。 体内の水分が不足してくるとやがて脱水症状を引き起こします。脱水症状になる前に補給することが必要ですが、のどが渇いたからといって一度にたくさん飲むのは好ましくありません。一度にたくさん飲んでしまうと、血液の浸透圧が急変し、水分が充分に身体に吸収されないのです。極端に言うと血液の浸透圧が薄まることで尿ばかりが出てしまい、水分を補えず脱水症状が進んでしまうこともあるのです。

体内の水分は急激に失われるのではなく、徐々に放出されていくので、補給も少しずつ行う必要があります。 前日から水分を摂って、朝食(味噌汁などおすすめ)もしっかり摂り、歩き始める30分くらい前にコップ一杯くらいの量(200ミリリットル~300ミリリットル)を飲んでおくとよいでしょう。 休憩ごとに少量ずつ、夏場は歩行中でも乾く前に少量づつ補いましょう。


どのような水分を摂ればいいのでしょう?

猛天下でなく1時間程度の歩行であれば水でも充分ですが、夏場や歩行時間が長い場合はイオン飲料などが効果的です。 イオン飲料は、汗で失われた塩分・ミネラル・糖分など、疲労回復を助けるさまざまな栄養素が含まれていて、身体に吸収されやすい濃度になっています。

500mlずつくらいに水・お茶・イオン飲料と小分すると便利です。水に溶かす粉末タイプの物もあるので、1つ持っていくと必要に応じ溶かして飲用することもできます。

水分のみならず、山歩きの際に注意しなければいけないことはまだまだたくさんありますが、一歩一歩確実に足を前に出していれば必ず登れます。人とは競わず余裕を持つことで、かわいい野の花を見たり聴いたことのない野鳥の声が聴こえてきたりと、マイペースでも充分楽しめる魅力一杯のスポーツです。

<参考文献・引用>
「健康と山の食事」 山と渓谷社
「中高年のための登山医学」 東京書籍
「看護のための水・電解質」 学研
「系統看護学講座前門基礎4・栄養学」 医学書院

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