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飛蚊症~見え方に異常がありませんか? ~ティーペック健康ニュース

監修:順天堂大学医学部付属順天堂医院 眼科
平塚 義宗

明るい所や白い壁、青空などを見つめたとき、実際は何もないのに目の前を虫が飛んでいるように見えたり、ゴミがちらつくように見えたりすることがあります。視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗い所では気にならなくなります。見えるものをどう表現するかは人によってさまざまで、毛玉、糸くず、クモの巣、虫、タバコの煙、黒いすすなどが見えると訴える人もいます。このような症状を医学的に『飛蚊症』とよんでいます。

【浮遊物の正体は?】

眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質に占められています。角膜と水晶体を通して外からはいってきた光は、この透明な硝子体を通過して網膜まで達します。ところが硝子体に何らかの原因で“濁り”が生じると、明るいところを見た時にその濁りの影が網膜に映ります。これは眼球の動きとともに揺れ動き、あたかも虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見え、飛蚊症として自覚されます。この“濁り”には生理的な原因によるものと病的な原因によるものがあります。

【心配のいらない飛蚊症】

加齢に伴って起こる生理的な飛蚊症は、眼球内を満たしている硝子体が、しだいに変性することで起こります。40歳代から始まり、50~60歳代で自覚する人が多くなります。

◆硝子体の変性
年齢とともに硝子体が変性し、繊維成分(コラーゲン)と水分(液化硝子体)とに分かれて、繊維成分が眼球の周辺に集まってきます。その影が網膜に映り、飛蚊症が現れます。視野の中央に多数の細かい“影”を自覚するのが特徴です。

◆後部硝子体剥離
硝子体の変性が進むと、硝子体が前方に集まり、ついには後部硝子体膜が網膜から剥がれてしまいます。これを後部硝子体剥離といいます。視神経乳頭に接していた部分が輪のような影に見えるのが特徴です。これは正常な変化であり、50歳代で20%の方に生じ、その後頻度は高くなり、80歳代では80%の方に認められるようになります。

【注意したい飛蚊症】

■こんな症状に注意!
 始まった時を覚えている
 視野の一部に暗いところができた
 目を動かした時や暗いところで光を感じる


飛蚊症の急激な変化は、目の病気を知らせるサインです!

◆網膜裂孔・網膜剥離
硝子体剥離やその他の原因で網膜に穴が開いたり(網膜裂孔)、その穴を中心に網膜が下の層から剥がれて硝子の方へ浮き出す(網膜剥離)ことがあります。このような現象が起こると初期症状として目の前を飛ぶ「浮遊物」の数が急に増加します。放っておくと視野の一部が欠けて暗くなったり、極端に視力が低下し失明にいたることもあります。網膜裂孔の治療はレーザー光線で裂孔の周囲を焼き固め(光凝固法)、剥離への進行を予防します。
これは通院治療で行えますが、網膜剥離を起こすと入院、手術が必要となります。

◆硝子体出血
糖尿病や高血圧、外傷などにより網膜に出血が起こり、その血液が硝子体に入ると突然、飛蚊症を感じたり、目の前に赤いカーテンを引いたように感じます。出血の量や部位によっては視力が著しく低下します。出血が少なければ自然に治ることもありますが、止血剤や硝子体に流れ込んだ血液の吸収を早める薬で治療します。症状により出血部位にレーザーを当てる光凝固法を行うこともあります。出血が吸収されない場合には、手術が必要となります。

◆ぶどう膜炎
眼の中に細菌やウイルスが進入したり、眼の免疫反応により炎症が起こると、血管から白血球や滲出物が硝子体中に入り込み、飛蚊症を引き起こします。炎症がひどくなると「浮遊物」が増加し、視力が低下します。炎症を抑えるための内服薬や点眼薬で治療します。

【日常生活での注意】

飛蚊症の多くは心配のないものですが、時に思いがけない病気が原因となっていることがあります。症状を感じたら一度は眼科を受診して原因を確かめておきましょう。また、見える浮遊物の数が増えたり形が変わったり、視力がおちるようなときは直ちに眼科を受診してください。早期発見、早期治療があなたの目を守ります。

<参考文献>
「眼科必携」 鳳鳴堂
「今日の健康」 NHK出版

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