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ストレスからくる不眠症 ~ティーペック健康ニュース

監修:順天堂大学医学部付属順天堂医院 総合診療科
小林 暁子

 睡眠は毎日の健康な生活に欠かすことができない重要な働きをしています。最近、不眠を訴える方々が増えています。睡眠障害の内訳として、ストレスなどが原因でなかなか眠れない、いわゆる「不眠症」46.5%、睡眠中に気道が塞がれて、呼吸が10秒以上止まる「睡眠時無呼吸症候群」27.0%、睡眠と覚醒のリズムが乱れる「概日リズム睡眠障害」7.8%、その他18.7%、となっています。(久留米大学内村直尚助教授調べ1997年)

 この内訳を見ておわかりのとおり、ストレスなどによる不眠症が全体の半分近くを占めています。これは現代社会でのストレスの増加によるようです。今回は、不眠の訴えの中で最も多い、ストレスなどによる「不眠症」についてお話ししましょう。

睡眠のメカニズム

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類があります。

レム睡眠
筋肉が緩み、身体は休んでいるのに脳が活動している状態で、活発な眼球状態が見られます。

ノンレム睡眠
筋肉の緊張はある程度保たれていますが、大脳の活動は休止しています。

一晩の眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れ、両方合わせて約90分を1サイクルとしています。このサイクルが4~5回繰り返され、脳が十分な休息をとれると、だんだんレム睡眠の割合が増えて目が覚めます。

ストレスと不眠

脳には起きている状態を保つ「覚醒中枢」と、脳を休ませる「睡眠中枢」があり、この2つのバランスがうまくとれているとよい睡眠が得られます。しかし、ストレスがあると、このバランスが崩れて覚醒中枢が優位になり、眠れなくなってしまうのです。

対策と治療

ストレスを取り除く
眠れない原因となっている心配事や悩みは何かを考え、できるだけストレスを解消するようにします。仕事上のストレスが避けられない場合は、趣味の分野で楽しめる時間をつくるなどして、ストレスを軽減させましょう。

適切な睡眠習慣を
睡眠にかかわる毎日の習慣を改善することも必要です。例えば、起床・就寝時間を一定にしたり、1日3食きちんと食べることで体のリズムが整い、よい睡眠を得やすくなります。寝る直前まで仕事やテレビを見ていたりすると、気持ちが高ぶってなかなか寝つけません。また、アルコールやカフェインのとり過ぎにも注意が必要です。

不眠にこだわらない
眠れないことを心配していると、それがさらなるストレスを生んでしまいます。不眠のことを考えれば考えるほど眠れなくなるので、あまり気にしないようにしましょう。

睡眠薬による治療
現在もっとも広く使われている睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。この薬は情動中枢に働いて、緊張をほぐすことにより睡眠を起こさせているのです。また、大量に飲んでも呼吸や循環器系に対する副作用も比較的少なく、生命に対しても安全です。

副作用を心配するあまりに薬を正しく服用しないと、十分な効果が得られないばかりでなく、睡眠薬の副作用を心配するという二重の負荷でますます眠れないことにもなります。不眠を解消するためには正しい知識を持ち、医師の指示どおりに薬を使用することが大切です。

<参考文献>
「こころの健康百科」 弘文堂
「今日の診断指針」 医学書院
「NHK今日の健康」 NHK出版

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