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心の問題(うつ状態) ~ティーペック健康ニュース

監修:心と体の相談室・悠ネットワーク代表
大澤 昇

1999年の男性の年齢別死亡原因では、働き盛りの25歳から39歳のトップは自殺で、40歳から54歳も自殺は2位にランキングされ、自殺者が急増しています。失業率が5%を超え、リストラの嵐が吹き荒れています。リストラされる方はもちろん地獄ですが、残った方もリストラ分の補充はなく、仕事がハードになって抱えきれない程のストレスを抱え、あえいでいます。うつになる人が急増しているのも当然でしょう。(自殺者数データ)

また、学校では不登校学級崩壊、家庭では親の子供への虐待等、子供たちの問題もますます混迷を深めています。学級崩壊を導いた子供の両親は離婚寸前で家庭崩壊を起こしており、父親の会社は倒産寸前で企業崩壊を起こしていたという笑えない現実が増えているのです。

つまりさまざまな問題は、ライフサイクルや家庭・学校・職場・地域社会における心の問題が複雑に絡んでいるので、解決は一筋縄にはいかないのが現状なのです。 事件が起きるたびに、問題が起きるまでに何かアクションが取れなかったのだろうか?何とか防ぐ方法はなかったのだろうか、という声を聞きます。対策が後手後手に回ったという結果を聞くことが多いです。

悲劇が起きてからではなく、悲劇を未然に防ぐことを考えていかなくてはなりません。ストレスに押しつぶされる前に、未然にストレスに気づいて予防しなくてはいけません

1.異常に早く気づく観察力を身につけましょう

「何かおかしい」という直感を生かします。何か問題が起こる前は、必ず前兆があるものです。朝起きられなくなった、食欲が落ちた、朝刊を読まなくなった、イライラや不安を口にすることが多くなった、挨拶をしなくなった、口数が減った、頭痛や吐き気・めまいなどを訴えるようになった、無気力になった、夜眠れなくなった、昼夜逆転したなどの兆候が出てきたら注意しましょう。

また、この時は目の前の相手をありのままに観察することがポイントです。決して「こうに違いない」「こう思っているに違いない」と決めつけたり、「あの時と同じだ」と過去の経験からの思い込みを混ぜたりしてはいけません。そして、まずは相手の言うこと・気持ちをありのままに温かく受けとめ、共感しましょう

2.自分自身の心にも気づきを持ちましょう

「大したことはないよ」と超プラス思考で、自分の問題を放置してしまわないようにしましょう。どんなことがストレスになっているのかに気づきましょう。そして、どんなふうにそのストレスを受けとめ、その結果どんな気持ちになっているのか?どんな症状が出始めているのかに注意しましょう。「こんにちは。最近、どんなことが気になっている?」と自分に問いかけましょう。

また、つらいことやストレスを自分で感じないようにしてしまったり、それを他人事のように冷静に見ているだけではいけません。場合によっては精神症状が目立たず、身体症状が出て、初めて心の問題が浮かび上がってくることもあります。身体症状に隠された心の病気を見逃さないよう認識を持ちましょう。

3.速やかにアクションをとりましょう

標準体重を目指しましょう。後になって、問題が起きてしまってから「ああ、やっぱりそうか。何かおかしいと思っていたんだ」と言っても、時すでに遅し、手遅れです。

「何かおかしいぞ」と心に感じた時に、速やかにアクションがとれるようにしましょう。その結果、異常を早期に発見し、悲劇を未然に防ぐことができます。身体の症状だけではありません。うつ症状は誰にでも起こりますが、初期のうつは休養してのんびり頭をカラッポにすればほとんど治ります。放っておいて、がんばりすぎるとうつ病になってしまうのです。

アクションの方向性については、身近な専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。

病 院・・・精神科・神経科、心療内科
学 校・・・スクールカウンセラー、養護教諭
自治体・・・保健所、精神保健センター、こころの相談窓口

<参考文献>
「ヘルスカウンセリング2001Vol.4」/日総研
「こころの健康百科」/講談社

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