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水虫 ~ティーペック健康ニュース

監修:順天堂大学医学部付属順天堂医院 総合診療科
小林 暁子

 水虫は、カビの仲間である白癬菌(はくせんきん)が原因です。最近、若い女性にも増えてきています。足が常に蒸れやすい状態にある方(スポーツをする人、水仕事で常に足が湿っている状態にある人、1日中靴を履いて歩きまわる人、生まれつき足指の隙間がない人など)は、注意が必要です。水虫は、以前は夏に悪化しやすく、冬に軽快するのが特徴とされていましたが、暖房の普及により冬に発症し、悪化する例も増えています。とは言え、今から汗もかきやすく蒸れやすい季節です。

 最近は難治だった水虫に対して、新しい内服薬も登場してきています。夏の素足を気にしなくていいようになりたいですね。

 夏の水虫の悪化は、主に混合感染で悪くなっているものが大半で、水虫に化膿菌がついてリンパ腺が腫れたりするのです。こんな時、ふつう患者さんは水虫が悪化したと思って、水虫の薬をつけます。ところが、化膿菌の部分に水虫の薬を塗ると、非常にかぶれやすく、かぶれてぐちゃぐちゃになり、余計に化膿菌が繁殖するという悪循環に陥ってしまいます。

 水虫の悪化は、本当に水虫自体が悪化したのかどうか疑わしいことも多いので、素人判断せず、きちんと皮膚科に診てもらいましょう。

水虫のタイプ
  • 趾間型(しかんがた)
    足指の間、特に第3.4指が好発部位です。紅斑・小水泡・落屑ではじまり、角質増殖をきたし、角質層が発汗や浸出液で膨れ、白くふやけて皮がむけます。
    亀裂が入ると痛みを伴います。
  • 小水泡型
    足の裏や側面に細かな水泡ができて、強いかゆみがあります。水疱が合わさって大きくなり、破れてびらんを生じ、乾くとかさぶたになってぽろぽろむけます。長い経過の中で、角質増殖を伴っていきます。
  • 角化型
    かかとの部分などの角質が、厚く堅くなってきます。かゆみがなく、あかぎれのようにひび割れ、一見、水虫にみえません。
治療について

白癬菌は表皮の角質に存在するため、原則として外用薬が第一選択となります。
角質増殖のない水虫は、外用薬の使用によって1~2ヶ月で治癒します。角化型は治りにくいため、内服薬が第一選択となります。

病変が広範囲に広がり、すべての病変に薬を塗ることが困難な場合も、内服薬を使用することがあります。また、外用薬にかぶれた場合、かぶれの治療と同時に内服薬を使用します。細菌感染を合併した場合は、外用薬を中止し内服薬に切り替えを行います。著しいびらん・亀裂がある場合は、外用薬の使用によって症状の悪化を見ることがあるので、まず経口薬を使用し、ある程度状態を落ち着けてから外用薬を使用します。

  • 外用薬
    足の水虫には最低4週間以上、塗り残しがないように毎日抗真菌薬を塗り続ける必要があります。外用薬は爪水虫には、効果があまり期待できません。抗真菌薬を使ってかぶれると、びらんになって表皮が腫れてきます。足指の間や足の裏は二次感染を起こしやすく、足が大きく腫れたり、リンパ管炎やリンパ節炎を起こし、発熱を伴うこともあるので、注意が必要です。
  • 内服薬
    最近は新しい経口真菌薬が登場し、治療期間の短縮が可能になりました。爪水虫の治療には6ヶ月~1年の長期内服を要します。抗真菌薬の内服は、白血球と肝機能に大きな影響を及ぼすので、元々これらが弱い人には使えません。 問題ない人に用いる場合も、時々血液の検査が必要になります。また、小児に対する安全性は確立されていません。
検査

病変部を一部取り、顕微鏡でカビの有無を確認します。しかしその部分に薬がついていると、薬の油分が邪魔をしてカビが確認できないことがあります。前日には入浴し、よく薬を落としてから皮膚科を受診するようにしましょう。薬の内容がわかる場合は、必ず持参しましょう。

日常生活での注意

家族に水虫になっている人がいると家族みんなに感染すると心配されますが、その人の皮膚にカビがつきやすい条件がなければ簡単にはうつりません。洗濯物を一緒に洗濯しても、乾かすとカビはすぐに死んでしまいますので、別洗いする必要はありません。しかし、家族内に数人の患者がいた場合、一人が治そうと思ってもなかなか完治しません。家族全員で、しっかり治療に臨むことが大切です。

清潔を保ち、入浴後は足指の間までしっかり拭きましょう。お風呂のマット・スリッパの共用はさけましょう。かゆみがあるからと言って、自分で皮をむいたり、水ぶくれを破ったり、あるいは素人判断でいろいろなものをつけるのはやめましょう。かぶれやただれを起こし、そこから化膿菌が侵入して足が腫れ上がることもあります。治療が遅れれば、足を切断することにもなりかねません。なかなか治らない時は、一度皮膚科を受診しましょう。

<参考文献>
「標準皮膚科学第4版」 医学書院
「今日の治療指針」 医学書院

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