健康ニュース
2000.07.10
健康ニュース
健康診断を活用するために ~ティーペック健康ニュース
監修:東京医科歯科大学 医動物学教室
山田 誠一
近年、健康への関心が高まり、健康診断や人間ドックを受ける人が増えています。健康診断は、病気の予防や早期発見に大変役立つものですが、受けただけで安心している人も多いのではないでしょうか。健康診断を有効に活用できるための考え方について今回はお話ししたいと思います。
主な検査の基準値
まず、主な項目の基準値をあげてみました。
基準値は検査に使った機器や試薬によって多少違いが出るので、各医療機関で異なる場合があります。
| 検査項目 | 基準値 | 検査項目 | 基準値 |
|---|---|---|---|
| 脂質代謝 | 血液 | ||
| 総コレステロールT-chol | 120~220mg/dl | 赤血球RBC | 男410万~530万個/mm3 女380万~480万個/mm3 |
| HDLコレステロールHDL-chol | 40~70mg/dl | ヘモグロビンHb | 男14~18g/dl 女12~16g/dl |
| LDLコレステロールLDL-chol | 70~139mg/dl | ヘマトクリットHt | 男40~50% 女35~45% |
| 中性脂肪TG | 50~149mg/dl | 白血球WBC | 4000~9000個/mm3 |
| 肝膵機能 | 血小板PLT | 15万~40万個/mm3 | |
| ZTT | 3~14単位 | 血清カルシウムCa | 8.6~10.1mg/dl |
| AST GOT | 10~34単位 | MCV | 84~99fl |
| AST GOT | 5~46単位 | MCH | 26~32pg |
| γ-GTP | 男8~61単位 女5~24単位 | MCHC | 32~36% |
| ALP | 男102~249単位 女82~211単位 | 糖代謝 | |
| 総ビリルビンT-Bill | 0.3~1.2mg/dl | 空腹時血糖 | 70~110mg/dl未満 |
| 尿ウロビリノーゲン | 弱陽性(±) | HbA1C | 4.6~6.5% |
| 総たんぱくTP | 6.5~8.1g/dl | 尿酸 | |
| アルブミンAlb | 4.1~5.1g/dl | 尿酸 UA | 3~8mg/dl |
| HBs抗原 | 陰性(-) | 腎尿路系 | |
| HBs抗体 | 陰性(-) | 尿潜血 | 陰性(-) |
| HCV抗体 | 陰性(-) | 尿たんぱく | 陰性(-) |
| アミラーゼ AMY | 血清42~144単位 尿130~950単位 | クレアチニン Crea | 0.7~1.3mg/dl |
| 炎症反応 | 尿素窒素BUN | 8~20mg/dl | |
| CRP | 陰性 または0.6mg/dl以下 | ||
| HCV抗体 | 陰性(-) | ||
検査結果は万能ではありません
健康診断は、体に潜んでいる病気を早期発見することに役立ちますが、すべての病気を発見できるわけではありません。また、検査の基準値も絶対的なものではなく、正常な人の95%が当てはまる数値なので、5%の人は当てはまらないことになります。検査値が基準からはずれているからといって、すぐに病気だと思い込むのではなく、医療機関を受診して、生活習慣の問題を含めて原因を明らかにするようにしましょう。
体調で検査値は変わります
検査値は、その時の体調によっても左右されます。飲酒・睡眠不足・激しい運動・精神的なストレスなどの影響を受けますし、風邪や傷の化膿などでも変化します。また、検査前に食事をとると、血糖値や中性脂肪値は高い値が出ます。検査前の注意事項はきちんと守るようにしましょう。
良い結果を出そうと1週間前から節制に努める人もいますが、潜んでいる危険因子を見逃すことにもなりかねません。
健康診断は基本的には体調のよい時に、普段通りの生活で受けることが大切です。
一項目だけで一喜一憂せず、結果は総合的にとらえましょう
受診者は検査結果を受け取ると、一つ一つの項目で一喜一憂しがちですが、一つの項目だけで病気かどうか判断するのは難しいものです。病気を診断する為には、いくつもの検査データを合わせて、医師が総合的に判断することが必要です。
異常が発見されたら必ず指示に従いましょう
異常を示す検査値が出て再検査が必要と指示されても、体調が悪かっただけだろうと勝手に自己判断したり、忙しい、恐いなどの理由をつけて放置してしまう人がいます。これではせっかく健康診断を受けても意味がありません。再検査を指示された場合はきちんと受ける様にしましょう。
また、結果がすべて正常でも安心は禁物です。今回の結果がこれから先の健康を保証してくれるわけではないからです。
1年~半年に1回は検診を受けるようにして、自分のデータの推移をみていくことが大切でしょう。
結果は保存しておきましょう
先にもお話しした様に検査データは過去と現在を比較することで体調の変化や、今後どの様な病気に注意すればよいのかが分かってきます。その為にも結果は保存しておくようにしましょう。
<参考文献>
「新臨床内科学」 医学書院
「心電図の理解とトレーニング」 へるす出版

