健康ニュース
2000.05.10
健康ニュース
ダニ ~ティーペック健康ニュース
監修:東京医科歯科大学 医動物学教室 山田 誠一
高温多湿な私たちの生活環境は、ダニにとっても住みやすく、気密性の高い日本の住宅はさらに好都合のようで、一年中ダニによる被害を見聞きします。ダニの種類は、18,000 種以上知られており、そのうち家庭で見られるものは、30種程と言われています。
私たちへの被害は、刺すダニ、吸血するダニやアレルギーを起こすダニによるものです。最近、様々な防ダニ商品も見かけますが、家庭でできるダニ退治も見直してみましょう。
ダニの特徴(種類により異なるために、代表的なダニの特徴を示す)
大きさ | 0.3㎜~1.5㎜ |
住みか | 畳・布団・毛布・ソファー・カーペット・ぬいぐるみ・ホコリの中・鳥、ネズミの体や巣 |
エサ | 顎を動かしたり、開口訓練をして、口の開きをよくします。 |
寿命 | イエダニ 30~90日(120個の卵を産む) チリダニ 3~12ヶ月( 50個の卵を産む) |
ダニによる被害
- アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎・喘息)
- 虫咬症(刺される・吸血される)
- 疥癬(かいせん) (ヒトの皮膚に寄生する)
ダニ退治
布団の湿気をとるために、天日干しや布団乾燥機は有効です。布団乾燥機の中にはダニ対策のものもあり、死滅させてくれるようです。ダニが死んでもダニの糞や死骸は、アレルギーのもとになりエサにもなります。週に一度位、掃除機で吸い取りましょう。(ダニアレルギー症で、皮膚炎や喘息を起こしている場合は、毎日行いましょう。)
布団に掃除機をかける習慣がないので、不自然に感じる方もいるでしょう。しかし、私たちの生活環境も変わり残念ながらダニは一年中私たちの周りにいます。アレルギー性疾患になる方も増えております。
畳やじゅうたんは、毎日掃除機をかけましょう。
寝具類はダニのエサとなるフケ、アカがつきやすいものです。天気が良い日は外に干し、シーツ類の取り替えや、部屋の換気はまめにおこないましょう。
見逃しがちなのは、押し入れの掃除です。たまには空っぽにし、掃除機と拭き掃除をし乾燥させましょう。スノコや防ダニシートのご利用も有効です。
防ダニ加工の寝具やじゅうたんなどは、人体へ有害な化学物質は使用していないか、洗濯をしても効果が持続するものか確認しましょう。もちろん、防ダニ加工の商品でも日頃のお手入れは必要です。
ダニ刺されは赤い盛り上がった発疹で下腹部、太ももの内側、腕の内側などやわらかい皮膚におこり、とてもかゆいものです。症状が出た時は皮膚科医に診てもらいましょう。
<参考文献>
「衛生害虫と衣食住の害虫」 全国農村教育協会