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肥満症 ~ティーペック健康ニュース

監修:東京医科歯科大学 医動物学教室
山田 誠一

肥満の判定

健康診断の受診の結果や日常的な健康管理の目安として、体重とともに体脂肪への関心が高まりつつあります。実際には、体脂肪と肥満との関わりはどうなっているのでしょうか。

医学的には『肥満』とは体脂肪が過剰に蓄積した状態を言い、日本肥満学会では“{身長(m)}2×22(kg)を標準体重にして、肥満度13.6%以上(BMIとして25)”を『肥満』としています。肥満の判定の仕方にはいくつかの方法があります。

BMIの出し方
●体重(kg)÷{身長(m)}2

標準体重の出し方
●{身長(m)}2×22

肥満度の出し方
●(実測体重-標準体重)÷標準体重×100

肥満度の判定法
●肥満度-10%以下あるいはBMI 19以下 → やせ
●肥満度13.6%あるいはBMI 25以上 → 肥満

(第20回肥満学会、東京宣言から)

WHO(世界保健機構)ではBMI25~30未満を肥満の前段階、30~35未満をグレード1 、35~40未満をグレード2、40以上をグレード3と、肥満の基準を4段階に分けています。

欧米ではグレード1となると肥満対策が必要とされていますが、日本人の場合は前段階のBMI25~30の段階で注意が必要という説もあります。しかし、最近は肥満症の診断には肥満度だけでなく、合併症の有無や発症の可能性、蓄積脂肪の分布異常などいくつかのポイントが大切になってきます。

合併症として、糖尿病・高脂血症・動脈硬化・高血圧症・虚血性心臓病・脳血管疾患・脂肪肝・胆石症・睡眠時無呼吸症候群・変形性関節症などのある人は減量治療が必要とされています。また、減量しなければ将来合併症を発症すると予測されるため減量治療が必要な場合として、上半身肥満、内臓脂肪型肥満があります。

では、実際にどのようにしたらよいでしょうか。具体的にカロリーでいえば体重を1kg減らすのに7000カロリー必要です。摂取するカロリーを減らすか、運動でカロリーを消費することです。

食事について

医師の指示のもとに入院通院治療を受けて食事を制限する場合はカロリーをかなり落としますが、一般には1600calを目安にされるとよいと思います。最低必要な蛋白質・炭水化物・ビタミンやミネラルも摂るようにしましょう。食べ物から摂るカロリーを減らして、体に蓄えられた脂肪が使われるようにしていきます。

空腹感克服の補助手段として、こんにゃく・おから・海藻・野菜類を利用したりするのもよいでしょう。食欲を増進させる香辛料を避けて薄味にし、食べ方もまとめて食べたり、早く食べたり、たらふく食べるのをやめ、1日3食きちんと規則正しい習慣を身につけましょう。また、時々エネルギー内容をチェックして、欠点を見直す習慣を身につけていきましょう。

その他に超低熱量食(VLCD)と呼ばれる半飢餓療法は、急激な減量を短期間で行う必要がある時や、難治性高度肥満の減量の動機づけに医師の指示のもとに行われるものがあります。

運動について

運動は、食事療法によって少し体重が減っても体が摂取エネルギーによって適応反応を起こして思うように減少しない時に、運動を組み合わせることにより代謝状態を変えたり、基礎代謝を増やすことや体力低下防止にも役立ちます。

運動量としては、1日300calを消費するのが適当と言われています。そうすると約1ヶ月で1kg痩せます。ジョギングでは時速8.8km約30分を目安としたり、1日1万歩を勧められることもあります。水泳では30~40分とかなりの運動量になります。内臓脂肪を減らすのによいのが運動です。

治療について

現在、肥満治療薬として使用許可されているのはマジンドールと言う食欲抑制剤のみで、対象は食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満者(BMI35 以上)のみとされ、使用期間も3ヶ月以内と限られたもので、医師の処方を必要とします。

以上、減量について述べてきましたが、皮下脂肪と内臓脂肪を区別することは難しく、内臓脂肪の量を知るにはCTスキャンで腹部断層像を見るしかありませんし、日常的に数値を知るのは難しいです。

市販されている体脂肪計では、体脂肪率の算出の方法も異なり、測定値に対して各測定器とも『肥満』『標準』『やせ』などと表現されていますが、測定器によってその目安や測定値が異なることも多く見られます。市販の体脂肪計を使用する際は、目安のみに左右されることなく、測定値の変化を継続的にみて参考にされたらよいでしょう。まず、ご自身のお体を測定することからはじめてみましょう。

<参考文献>
「今日の治療指針2000年版」 医学書院
「たしかな目 No161」 日本消費者センター

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