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運動不足 ~ティーペック健康ニュース

監修:東京医科歯科大学 医動物学教室
山田 誠一

定期健康診断で発見される健康異常の多くは(高血圧・高脂血症・高コレステロール血症・糖尿病・肥満・脂肪肝・高尿酸血症・ 骨粗しょう症・等)、“運動不足”に起因しているケースが多く、またその治療にも食事療法や薬物療法と肩を並べて“運動療法”が 確立されつつあります。

健康ブームの昨今、運動不足は身体によくないらしいという認識をお持ちの方も増え大変結構なことだと 思いますが、どうやらそこから先の展開が難しいようです。 今回は具体的な方法や注意点についてご紹介させていただきます。これを機にご一考くだされば幸いです。

スポーツ障害の予防のために

1.コンディショニングの徹底
●ストレッチング・・・ストレッチングは柔軟性を維持して高めるためにも、筋肉の緊張をほぐすためにも有効です。 成長発達の著しい小学校高学年から中学生の年代で、骨の伸びが盛んで筋・腱・靭帯が緊張しやすい時期と、柔軟性の衰えてくる 中高年の時期は特に必要です。重要なことは、①反動をつけない、②呼吸を止めない、③張りを感じるところで止めて 15秒間その姿勢を保つことです。

●筋力トレーニング・・・筋力レベルの不足や筋力のアンバランスは障害をもたらす要因となります。 バランスよく、例えば腹筋だけではなく背筋や太ももの筋肉も強化しましょう。

●ウォーミングアップとクーリングダウン・・・ウォーミングアップはその言葉どおり体温を上げ、深部筋肉の血液循環を促進して 筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高めます。また、運動に対する心の準備やその日の体調を知る上で重要です。 「今日はどうも調子が・・・」という日は無理をせず、早めに切り上げるのが無難でしょう。内容としては、ストレッチングや軽い ランニング、そのスポーツに特有な動作を行います。

クーリングダウンは運動後に体温や脈拍、呼吸を日常レベルまで下げるために重要で、ジョギングやウォーキング、ストレッチングに 代表されます。精神的な緊張が解けると共に、筋肉痛などの障害発生を予防する効果があります。

2.安全な環境づくり
運動に適した服装やシューズ選びは障害予防の観点から非常に重要です。いろいろと好みもあるでしょうが年齢や体力、 フィッティングを重視したいものです。

3.メディカルチェック
現在治療中の病気がある方、気になる自覚症状のある方は必ず受診して運動の可否とその強度をご確認ください。

いざ、はじめましょう!

運動には、少なくても30分以上持続して行う“エクササイズ型”と 家事や仕事中に意識して身体を動かす“ライフスタイル型”がありますが、体力や生活に応じて選択、または組み合わせての実施 になります。平日は“ライフスタイル型”、週末は“エクササイズ型”でも構いません。

1.エクササイズ型
誰にでも気軽に、お金をかけずにできるのがウォーキングです。普通に歩いていては効果は期待できませんので、姿勢を正し、歩幅を大きくリズミカルに腕を振って歩きましょう。いつも同じコースで見慣れた風景だと飽きてしまいますので、 電車やバスを利用して、ちょっと遠出をするのも楽しいです。

また、最近ブームになりつつある自転車で、さらにもうちょっと遠くへ 足をのばしたり、公営プールの利用、市町村主催の運動教室に参加してみるのも手だと思います。それからスポーツクラブや カルチャーセンターでは現在、様々なフロアエクササイズが行われています。施設によっても異なりますが“脂肪燃焼コース や“ダンベル体操”、“ウォーキングエクササイズ”“シルバーディスコ教室”等、様々なニーズに対応しています。 専門の指導員もいますので、とりあえず見学してみてはいかがですか。

2.ライフスタイル型
電化製品の進歩で家事がとても楽になりました。雑巾がけをして鍋を磨き、電話がかかってくると居間まで走っていったのはすでに “昔”のことなのでしょうか?その分、余った時間と体力をテレビ鑑賞に費やしていては脂肪は燃焼されません。平素より、買い物は マメに歩いていくとか電車・バスでは坐らないとか、エスカレーターは使わずに階段を利用するなど積極的な行動を心がけましょう。

また、お仕事をされている方の中には“毎日疲れ果ててしまって、とても運動どころではない!”と言われる方もいらっしゃるでしょう。 せめて通勤に、少し手前の駅から歩いてみるとか、夜テレビを見ながらストレッチをするというのはいかがでしょうか。例えば、 CMの時間だけ腹筋運動や腕立て伏せをするとか、野球中継を見ながらこの回の攻撃が終わるまで柔軟体操を続けるなど、自分で決めて 実施すると結構できてしまうものです。

追補

重要なことは無理せず安全に、効果的に、楽しく続けることです!運動が心の負担になってしまっては効果が 期待できないばかりか、長続きしないものです。市町村の広報とかスポーツクラブのチラシ、近場の旅行雑誌、タウン情報誌などに アンテナを向けて、何か“これならできそう・・・”というものを見つけてみましょう。

<参考資料>
「健康増進・病気予防の基礎と臨床」 ライフサイエンスセンター
「スポーツ障害のメカニズムと予防のポイント」 文光堂

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