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花粉症 ~ティーペック健康ニュース

監修:東京医科歯科大学 医動物学教室
山田 誠一

第二次大戦後、「緑の国土を」ということでたくさん植林されたスギは、日本の針葉樹林の約半分を占め、1975年頃から盛んに花粉を飛ばすようになりました。飛散量は前年の夏の気候に大きく影響されますが、暑くて適度な降水量があった翌年は多く、2000年は関東一円では受難の年になるだろうと予想されています。

今迄、花粉の季節に涼しい顔をしていた人たちが、ある日突然花粉症になってしまった、という話があちらこちらで聞かれそうです。そのメカニズムはまだ完全に解明されたわけではありませんが、体質的素因を持ったひとが毎年花粉を浴びているうちにうちに許容範囲を越え、ある時突然発病すると言われています。またその発症には大気汚染や密閉住宅などの現代の環境的要因や過労、ストレス等が深く関わっていることもわかってきました。

風邪と花粉症の見分け方

「ずっと風邪だと思っていたが、もしかしたらこれは花粉症?」という相談をしばしば受けますので、見分け方についてここで触れたいと思います。

       アレルギー風邪等
くしゃみ連発 何十回も続くこともある。
特に朝方多い。
単発もしくは数発
鼻水常に無色透明でサラサラ
あっと思った時にはポタッとたれてしまうこともある
無色~白色~黄色~緑色
その時々で異なるが、ネトッとしていることが多い
その他の症状目のかゆみ、充血、涙目、頭痛、頭重感、だるさ、皮膚のかゆみ、咳、のどのかゆみ、不快感など熱、咳、たん、のどの痛み、目の充血、節々の痛み、頭痛、お腹の症状など
治療方法
その1 最もオーソドックスな方法

① 花粉が飛散する2週間位前から、抗アレルギー剤を服用します。但し、この薬は“今出た症状を抑える”タイプではないので即効性はなく、また期間中飲み続ける必要があります。

② いよいよ花粉が飛び始めたら ①に点眼薬、点鼻薬を併用します。
(商品名:インタール点眼液、ザジテン点眼液、フルメトロン、フルナーゼ、 アルデシンAQネーザル等)

③ それでも症状がおさまらないときは、ステロイドを含む強い薬を短期間服用します。
(商品名:セレスタミン等)

その2 その他の方法

① 漢方薬
万人に効くわけではありませんが、かなり薬効が実証されているので、シーズンに突入する前に漢方医に相談してみましょう。

② 減感作療法
スギならスギのエキスをものすごく薄めて、ごく少量ずつ注射します。徐々に濃度を上げ、完了までに2~3年を要します。
但し、アレルギーを起こす物質がスギとハウスダストとブタクサとetc.という人には不向きです。耳鼻科で相談してみましょう。

③ 外科的療法
れた粘膜を手術で切り取ります。また最近では入院せずにレーザーで焼ききる方法も行われています。いずれも耳鼻科で相談しましょう。

その3 最新情報

“DNAワクチン”というものが先日、日本免疫学会で発表されました。犬による実験では発症予防効果が高く、副作用はなかったとのことです。

今後更に改良を進めサル実験が行われるらしいのですが、 商品化されることを切に望みたいと思います。

日常生活での留意点

最後に、日常生活の留意点ですが、なるべく花粉に出合わないようにすることが重要です。しかしながら、数ヵ月間家の中に閉じこもったり“スギのない地方”(北海道や沖縄、海外)へ行ってしまうことはとても実用的ではありませんので、いろいろと工夫をして、つらいシーズンを乗りきりましょう。

① 完全防備で武装する。
(マスク、メガネ、つば広帽子、マフラー等)

② 花粉情報により、飛散が多い日の外出はなるべく避けましょう。
(早朝と夕方、夜間は比較的少ないです)

③ 花粉を家に持ち帰らないようにしましょう。
(玄関でよくはたき、帰宅後すぐに更衣をして、シャワーを浴びます。また、うがいや洗眼、鼻をかむことも有効です。)

④ 掃除は細めに行い、日中は窓を開けないようにします。
(玄関でよくはたき、帰宅後すぐに更衣をして、シャワーを浴びます。また、うがいや洗眼、鼻をかむことも有効です。)

<参考資料>
「今日の治療指針1999」 医学書院
「花粉症 予防と治療」 「高橋書店

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