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ティーペック健康ニュース

第320号 2019/5/10  
発行:ティーペック株式会社

『「糖質制限ダイエット」のメリット・デメリット』

 依然として人気の糖質制限ダイエット。もともとは肥満や糖尿病の人のための治療法として始まりました。しかし、ここ数年、多くのメディアでも取り上げられ、広く流行したことで、今ではビールやパン、お菓子をはじめ、数多くの食品にも「低糖質」「糖質ゼロ」の商品が登場しています。
 一方、糖質制限をして見事減量に成功して喜ぶ人もいますが、挫折してリバウンドしたり、逆に太ってしまった、という話も聞きます。改めて、このダイエット方法の特徴を知り、失敗してしまう原因について探ってみましょう。
 ブームが続く糖質制限ダイエットの「メリット」は
 糖質制限ダイエットが注目されるようになったのは2012年頃からで、2015年から2016年にかけて一大ブームになりました。2018年に行われた民間調査によると、過去1年間にダイエットを経験した女性の実に約6割が糖質制限ダイエットに挑戦していたそうです。消えては登場する数あるダイエット法の中でも、なぜ糖質制限ダイエットは人気が継続しているのでしょうか。
1.簡単に実践でき、栄養のバランスを取りやすい
   まず「糖質の多く含まれる食品を減らすだけで痩せる」という手軽さです。糖質は、ご飯や麺、パン、果物、スイーツ類などに豊富に含まれています。糖質制限ダイエットはこれらを控え、代わりに肉類と野菜を食べることで栄養のバランスも取れるという食事法です。
2.痩せやすく、再挑戦しやすい
   「結果が出やすい」という点も痩せたい人の心を引き付ける理由でしょう。途中で挫折してしまった人でも、糖質の多く含まれる食品の食べる量を減らしている期間は効果があったことから、間を置いて再挑戦する人が多いのも、糖質制限ダイエットの特長の1つでしょう。
3.満腹感が長続きし、ストレスが少ない
   糖質制限ダイエットでは、減らした糖質の代わりに、肉や魚、卵などのたんぱく質をたっぷり取ります。肉などの食品には同時に脂肪を含んでいることから、消化に時間がかかります。次の食事まで満腹感が長続きするので、ストレスも少なく、意識せずにカロリーセーブができるメリットがあります。
 肉類に偏り過ぎなど「デメリット」に注意を
 しかし、糖質制限によるダイエット法を誤解していると、さまざまなデメリットが出てきます。特に「肉類はいくら食べてもよい」と勘違いしている人や、野菜はさほど食べない人がいます。肉類でも、とんかつや唐揚げなどの揚げ物をたくさん食べてしまうと、たんぱく質と一緒に脂肪をたくさん取ってしまいます。糖質制限ダイエットをして、逆に太ってしまうというのがこのパターンです。また、野菜を少量しか取らずにいると、食物繊維が不足して便秘がちになり、冷え性、めまいなどの体調不良や美容面でのダメージが生じることもあります。
 さらに、糖質制限ダイエットには、向き・不向きなタイプがあることを知ることも重要です。向いているタイプは、普段、糖質を多く取り過ぎている人や、血糖値が高めの人です。例えばご飯や麺を大盛りで食べる、麺類にご飯物を付けたり、カレーや丼物、スイーツ類をよく食べる人などです。こうした食習慣のある人は、糖質を減らすことで痩せやすくなります。
 一方、もともとご飯や麺類をたくさん食べない人、甘い間食をあまりしない人には向いていません。また、揚げ物をよく食べる人は、太る原因が糖質ではなく脂肪なので効果は期待できません。
 この他、根菜(例:れんこん)や乳製品(例:牛乳)などにも糖質が含まれています。厳格に糖質をカットするとビタミン不足になる恐れがあります。比較的糖質の少ない青菜を多く食べて補うことになったり、同時に食べられる食品が限られてしまうことになり、食事の楽しみが減るかもしれません。
 糖質制限ダイエットを成功させたいなら、まずは自分の食事内容を客観的に分析してからスタートしましょう。
糖質と炭水化物の違いは? 「糖質=炭水化物−食物繊維」
 糖質をよく炭水化物と混同している人がいます。しかし、糖質は炭水化物の一部で、炭水化物から食物繊維を除いたものです。主な糖質は、ご飯、パン、麺などに含まれるでんぷん、果物に含まれる果糖、砂糖に含まれるショ糖などです。
 痩せるために積極的に取りたい食物繊維も炭水化物であることから、このダイエット法には糖質制限という名称が用いられています。
◇   ◇   ◇
 糖質制限ダイエットで最近よく耳にするケトン体という物質をご存じですか? 糖質の量を1日50g(茶わん1杯程度)以下にすると、肝臓は脂肪酸からケトン体を生成するといわれています。このケトン体は脂肪をエネルギーに変えるのでダイエットに効果がありますが、増え過ぎるとケトアシドーシスという危険な状態を引き起こす可能性もあります。
 ケトン体自体は、現在、人体にとって良い・悪いの両論があり、医学界で糖質制限ダイエットの賛否が分かれる原因ともなっています。いずれにしても、極端な糖質制限ダイエットをすることは、将来、体に及ぼすリスクが未知数であることを知って、肥満や糖尿病でない人は緩やかで長期的な、ローカーボと呼ばれる低糖質ダイエットの実践をお勧めします。
<参考資料>
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書」
ほか
原稿・社会保険研究所©
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