収穫の秋、食べ物のおいしい季節になりました。
生活習慣病が気になって節制に努めている人にとっては、何かと誘惑の多い日々でしょう。
「静かに飲むべかりける」酒の席でも、上がった、下がったとよく話題になるのがコレステロールです。コレステロール値が高い状態が続くと、動脈硬化が促進され、自覚症状のないまま進行して、心臓の血管では「狭心症」や「心筋梗塞」などの虚血性心疾患が、脳の血管では「脳梗塞」が起こります。
しかし、悪役とばかり思われているコレステロールも、実は細胞膜やホルモンなどを作る材料となり、身体にとってはなくてはならないものなのです。コレステロールが低すぎると、血管壁も弱くなり当然脳出血も起こりやすくなります。免疫機能にも関係しているといわれ、コレステロール160未満の男性は220以上に比べ、がんの死亡率が1.5倍にのぼったという報告もあります。
今年6月の日本動脈硬化学会で、高コレステロール血症の目安となる基準値を、220から240に引き上げようというガイドラインが提案されたのを、覚えている方も多いでしょう。大規模な調査の結果、日本人の場合240未満なら、心臓病の発生率は高くならないことが分かったためです。同様にLDL(悪玉)コレステロールの基準値も160に引き上げられる予定です。国内で2200万人と推定される高コレステロール血症が、新基準では半減するといわれます。
しかし、そうは言っても、動脈硬化は加齢と共に進行します。高コレステロールのままだと、その進行が更に加速されます。しかも加齢による動脈硬化に比べて、心筋梗塞などを起こすリスクが高くなります。他にも高血圧、糖尿病、喫煙、肥満などが動脈硬化の危険因子としてあげられ、数が多ければ多いほど、重症度が高ければ高いほど、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高くなります。
コレステロール値はホルモンの異常や薬物の影響など、様々な原因で高くなりますが、最も多いのは体質的な原因に食事や運動などの生活習慣が加わって高くなるものです。数値が極端に高くなく、高血圧などの危険因子もないなら、まず食事や運動などの生活習慣を見直して、その改善に努めることが大切です。 |