ホームメンタルヘルス相談分析TOP>躁うつ病の電話相談-2(相談目的、相談者の声)

躁うつ病の電話相談


【電話相談で相談したかった主目的】


サンプル数1,142例における相談の主目的を上位10項目についてグラフに表しました。
(一部重複回答あり)

約半数近くの方が病気についての相談というよりは、とにかく話を聞いてほしいといったスタンスの相談でした。具体的には薬を飲みつづけることへの不安、病気が治るのかといった今後への不安、経済面での不安、仕事上での不安などです。誰かに話したい、自分の考えを支持してもらいたい、人間として認めてほしいといった相談者の心情がうかがえます。

続いて、病気そのものについての相談、自分が服用している薬についての相談(副作用や飲み合わせ等)が多くありました。また、本人以外の方から頂いた相談では、どのように接したらいいのか、どういう言葉をかけたらいいのか、家庭看護についての相談が多くを占めていました。



【相談者の具体的な心情表現】


相談時に表現された相談者の心情をそのままの言葉で紹介します。

だるい
しんどい
疲れた
落ち込む
眠れない
死にたい
もう駄目、限界
これといって理由もないのにとにかく寂しい 悲しい
わけのわからない焦燥感に追いかけられている
心の中に鉛が入っているような気分
以前のつらい体験が頭から離れず仕事が手につかない
自分の存在理由がわからない なぜ自分は生きているのか
何をするのもおっくうである 
このまま暗闇に落ちていきそう
毎朝鏡を見るのがこわい
なぜ自分は仕事ができないんだろう 何をやっても駄目な人間だ
身体が全然動かなくなってしまった
何をしても楽しくない 笑えない 
何をしたらいいのか、いくら考えてもわからない
いてもたってもいられない気分
外に出るのが嫌になった 人と話すのが嫌になった 
自分がどんどん壊れていくようだ
悪い事をしそうで自分が怖い 自分をコントロールできなくなる
今しゃべっているのは本当の自分ではないような気がする
心底子供がかわいいと思えない 泣き声を聞くと口をふさぎたくなる
育児を辞めたい この子のせいで私はこんなに苦しい
こんなお母さんでごめんねって何度も赤ちゃんに謝ってる
誰かが(夫) 話を聞いてくれるだけで楽になれるのに

これらの表現は相談者からの重要なSOSのサインだと考えます。早期に専門医を受診をして適切な治療を受けることにより、早期回復が期待できます。また病状によっては十分な休養も必要ですから、家族や会社の人たちの理解と協力が不可欠です。サインが見られたら放置せずに専門機関に相談する事が大切です。



【死・自殺について】

相談の中で「死にたい」「自殺を図った」など、深刻な相談を抽出して、
契機と思われる事柄が明記されていた相談事例を紹介します。

肉親の死
ペットの死
記憶障害が激しくなった  ボケが進行している
この4月から新社会人になった
夫の浮気
借金をつくって信用を失った
天気が悪いと死にたくなる   夕方になると死にたくなる
育児から逃げたい もう終わりにしたい
自分の病気が思わしくない 
子供が自立して遠くに行ってしまった

相談内容より、キーワード検索で、[自殺] [死] という言葉で抽出しました。

全相談1,142件中、[自殺]での抽出件数は25件、[死]での抽出件数は59件でした。
「躁うつ病に関する電話相談」で、それぞれ2%、5%の記録中の出現頻度になります。 

内容を見ると、本当に深刻な相談から、狂言的なもの、何度も繰り返しているものなど、様々ですが、狂言にしろ、発作的に自殺企図があることを念頭に十分に注意を払い、早期に受診をさせることが重要です。病気の本人にはもはや自殺行為を思いとどまる余裕や判断はできません。周囲の人たちがいかに兆候を見逃さずに介入をしていくか、社会全体で支えていく必要性を理解する必要があると思います。


参考までに「狂言的な自殺行為」とは、浮気をされた腹いせに相手の女性の前で手くびを切った、うつ病で障害年金を貰うために安全量を調べた上で薬をたくさん飲んだ、会社へのあてつけで死ぬ気はなかったが遺書をかいて手くびを切った等の相談を実際にいただいてます。



【死・自殺に関する相談者の受診の有無】




全59例の分析でサンプル数が少ないのですが、約10%の方が一度も受診をされた事のないケースで、約64%の方は現在治療中で薬などを服用しているケースです。

未受診者にはすぐに受診をするようにお話をしますが、約2/3の相談者は治療中ということでした。中には処方された薬を飲んでないとか、先生が話を聞いてくれないのでこちらも何も言わなくなったなど、問題があるケースも見られました。
警察統計資料より 自殺者数の最新データ


次号では(10月号)同じテーブルを使って、受診の有無別に相談内容を分析し、
具体的にどんな相談があるのか、相談事例を紹介したいと思います。




ホームメンタルヘルス相談分析TOP>(8月号)躁うつ病の電話相談-2