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ティーペック健康ニュース

第249号 2013/8/10  
発行:ティーペック株式会社

『熱中症を防ぐポイントは?』

 「自分が熱中症にかかるはずがない」「ほんの短い時間の外出だから、傘や帽子は不要だ」「もう少しだから、休養や水分補給をがまんして作業を終わらせてしまおう」「冷やしすぎは体によくないから、エアコンは使わない」など、熱中症を発症してしまいかねない状況は、日常生活のいたるところに見受けられます。
  熱中症は、状況によってはだれもがかかる可能性があり、また、手当てが遅れた場合は死に至る危険性もあります。でも、必要なときにきちんと対応すれば防ぐことができる病気ですので、発症しやすい条件や予防法、症状や応急処置法を知っておきましょう。
 「高温」「多湿」「風が弱い日」は、熱中症を発症しやすい
 熱中症は、気温や室温、湿度などが高い環境の下で、体温が著しく上昇することによって生じる障害の総称です。脱水等が起こり、体内の水分や塩分などのバランスが崩れることで熱の放出がうまくできなくなります。主に7月〜8月の気温が30度を超える日に多発する傾向があります。湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなった、などの日にも発症しやすくなります。
 さらに、「梅雨の合間の急に気温が上昇した日」や「梅雨明けの蒸し暑い日」などの「体が暑さに慣れていない状態」のときには、気温がそれほど高くなくても発症することがあるので注意が必要です。また、現代人は、エアコンなどの普及により汗腺の機能が低下している場合があり、体温調節機能がうまく働かず、熱中症を発症しやすいといわれています。
 「高齢者」や「子ども」は特に注意が必要
 高齢者は、老化に伴って汗腺の数が減り、またその機能が衰えてくるため、汗が出にくくなったり、体温調節機能が低下したり、暑いと感じる温点の数が減少し、暑さを自覚しにくくなったりします。そのため、散歩をしているときや自転車に乗っているとき、バス停で待っているとき、室内で家事をしているときなど、日常生活の中でも熱中症を発症してしまうことがあります。家族に高齢者がいる場合は、室内に温度計を置いて室温をこまめにチェックしましょう。
 また、高齢者は体に熱がたまりやすく、体温がいったん上昇し始めるとどんどん上昇してしまいます。暑さをがまんしたり軽く考えたりせず、室内にいるときはエアコンと扇風機を上手に使って熱中症予防を心がけることが大切です。さらに、高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を補給しましょう。
 一方、子どもも、体温調節機能が十分に発達していないため、高齢者と同様、熱中症を発症しやすいうえ、自分から「暑い」と訴えることが少ないため、周囲の人が目を配る必要があります。
 高齢者や子どものほかに、心臓疾患や糖尿病、高血圧症などの持病のある人、かぜや下痢などの体調のよくない人、肥満の人なども熱中症にかかりやすいので注意しましょう。健康な人でも、睡眠不足、朝食を食べていない、前の晩に深酒したなどのときは熱中症にかかりやすくなりますので油断は禁物です。
 虫などからの感染症を防ぎましょう
暑さを避ける
屋外では、なるべく日陰を選んで歩く。
直射日光の下では、必ず帽子や日傘を利用する。
室内では、すだれやカーテンなどを利用して直射日光を防ぐ。
部屋の風通しをよくする工夫や、エアコンや扇風機を上手に使って、涼しい環境をつくる。
こまめに水分を補給する
のどが渇いていなくても、のどが渇く前に水分を補給する。
暑い日には、あまり体を動かしていなくても、こまめに水分を補給する。
湿度が高い日、風がない日は、特に水分の補給を心がける。
汗の量が多いときは、水分のほかに塩分の補給も忘れない。
水分補給には甘いジュースなどは控え、水やお茶、スポーツドリンクなどにする。
アルコールには利尿作用があり、かえって脱水症状を引き起こすため、スポーツなどで大量に汗をかいたあとなどに冷たいビールなどを楽しみたくとも、まず、水などでしっかり水分補給をする。
服装を工夫する
体を締めつけないゆったりした涼しいものにする。
通気性、吸汗性、吸湿性、速乾性のよい素材を選ぶ。
直射日光の下では、輻射熱を吸収するような黒色系のものは避ける。
ネクタイをはずすなど、できるだけ襟元は緩めて通気をよくする。
体調を整える
睡眠を十分にとり、疲労をためない。
二日酔いになるほどの深酒は控える。
栄養バランスのとれた食事を3食きちんととる。朝ごはんを抜かない。
日ごろから、適度な運動で汗をかく習慣を心がけ、暑さに備えた体づくりをする。
炎天下でのスポーツ時や作業時は、こまめに休憩をとる。
 熱中症の症状が見られたら、「重症度」を見極めましょう
 熱中症の症状は、重症度によってT度、U度、V度の3段階に分けられます。
〔重症度分類T度〕(軽症)
 現場での応急処置で対応できる軽度の症状です。しかし、決してそのままほうっておいたり、がまんしたりせず、涼しい場所へ移動する、安静を保つ、十分な水分補給をするなど、すぐに応急処置をしましょう。その際、必ずだれかがそばに付き添って見守りましょう。改善しない場合や悪化する場合は医療機関へ搬送しましょう。
・めまい、立ちくらみ
・筋肉痛、筋肉の硬直、こむら返り
・大量に汗が出る など
〔重症度分類U度〕(中等症)
 速やかに、涼しい場所へ移動する、安静を保つ、十分な水分補給をするなどの応急処置をしましょう。その際、必ずだれかがそばに付き添って見守りましょう。自力で水分・塩分補給ができない場合や、応急処置をしても改善しない場合は、すぐに医療機関へ搬送しましょう。
・頭痛
・吐き気、おう吐
・体がぐったりするなどの倦怠感
・力が入らないなどの脱力感 ・集中力や判断力の低下 など
〔重症度分類V度〕(重症)
 入院して集中治療をする必要のある症状です。ためらうことなく、速やかに救急車を要請すると同時に、救急隊が到着するまでの間、その場ですぐに体を冷やす応急処置を開始しましょう。命にかかわる危険性がありますから、絶対に症状を見逃さないようにしましょう。
・意識がない
・けいれん、ひきつけなどがある
・呼びかけへの反応がおかしい
・まっすぐ歩けない
・体に触ると熱い など
 応急処置法のポイントは「体を冷やす」と「水分補給」
@ 熱中症の症状が見られたら、日陰やクーラーの効いている屋内など、風通しのよい涼しい場所に移動し、できれば足を高くして、安静に寝かせましょう。
A 衣服を緩めて、体に水をかける、扇風機やうちわで体に風を当てるなどして、体からの熱を放散させましょう。
B 太い血管のあるわきの下や首すじ、太もものつけ根などに氷のうや保冷剤(ない場合は冷えた缶ジュースやペットボトルなどでもよい)、冷たいタオルなどを当てて冷やしましょう。
C 水分を少しずつ何回にも分けて補給しましょう。大量の汗をかいた場合は、食塩を水に溶かした飲み物(濃度は0.1〜0.2%くらい)やスポーツドリンクなどで塩分を補給することも大切です。また、冷たい飲み物は、胃の表面で熱を奪うため、体の内側から冷やすことができます。
重症度分類のU度の症状がみられる人が自分で水やスポーツドリンクを飲めない場合や、意識障害、けいれんなどの重症度分類V度の症状がみられる場合は、命にかかわる緊急事態です。迷わず速やかに救急車を要請するか医療機関へ搬送しましょう。救急隊が到着するまでの間も、すぐにその場で体を冷やす応急処置を開始することが重要です。
◇   ◇   ◇
 熱中症の「中」の文字は、体に害を受ける「中る(あたる)」という意味をもっています。つまり、熱中症とは、熱に中るということ。体力のない子どもや体力の低下している高齢者は、特に、熱に中ってしまいがちです。また、体力に自信のある人でも、寝不足が続いていたり、前の晩に深酒をしていたり、疲労が蓄積していると、熱に中りやすくなります。
  熱中症にとって、「過剰な自信」「油断」「がまん」「頑張りすぎ」は絶対禁物です。熱中症は「命にかかわる危険な病気」であることを認識し、決して侮ることなく、ご自分やご家族を熱中症からしっかりと守ってください。連日続く、蒸し暑〜い日本の夏を、いきいきと元気に乗り切りたいものです。
<参考資料>
『熱中症 環境保健マニュアル(2011年5月改訂版)』(環境省) ほか
原稿・社会保険研究所©
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