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ティーペック健康ニュース

第131号 2003/10/10  
監修:順天堂大学医学部附属順天堂医院 総合診療科
 小林 暁子

インフルエンザワクチンについて

今年もインフルエンザの季節がやってきました。流行中は人ごみを避け、うがいや、手洗いなど日常衛生に気を配ることが大切ですが、加えてワクチンの接種を行うと効果があります。特に今年の冬はSARS(重症急性呼吸器症候群)の再登場も心配されており、インフルエンザワクチンの接種を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?インフルエンザのワクチンについて多い質問をまとめてみました。
 1.インフルエンザワクチン接種は必要か?
インフルエンザは感染すると高熱・全身のだるさや筋肉関節の痛みなど全身症状の強い病気です。特に高齢者の場合は肺炎、小児の場合はインフルエンザ脳症などの合併症につながることもあります。ワクチンは流行を抑制し、インフルエンザの発症率を低下させます。感染した場合もワクチンを接種していれば、症状も軽くてすむことが多いことがわかっています。インフルエンザワクチンの接種によって、インフルエンザを予防することが、高齢者の肺炎や乳幼児のインフルエンザ脳症などの合併症を予防する点からも必要と考えられています。
 2.インフルエンザワクチンの接種をしたほうがよい人は?
 
@65歳以上の方、あるいは60歳以上で肺や心臓などに病気がある方。
細い血管が動脈硬化によって詰まる。梗塞の直径が15mm未満と小さく症状は比較的軽い。主な原因は高血圧で、ほかに糖尿病、高脂血症。
A施設入所者
B基礎疾患を持つ小児及び成人でインフルエンザに罹ることで重症化が予想される場合
(気管支喘息・肺気腫・心疾患・糖尿病・腎不全等)
※その時点での病状により接種したほうがよいかどうかが異なってくるので、主治医に必ずご確認ください。
C乳幼児、特に6〜23ヶ月の乳幼児
D@〜Cに当てはまる方に感染させる可能性が高い方
(同居の家族、医療・介護従事者、高齢者施設・保育園・幼稚園などの施設で働く人)
 3.接種が出来ない人、注意する人は?
明らかな発熱(37.5℃以上)がある方や、急性疾患にかかってるのが明らかな方、インフルエンザの予防接種で過去にショック症状を起こしたことがある方は接種できません。強い卵アレルギーがある方も注意が必要です。かかりつけ医にご相談ください。

そのほか、現在、病気で通院中の方や過去に免疫不全と診断されたことがある方、けいれん等を起こしたことがある方、前回の予防接種で発熱や発疹などのアレルギー症状を疑う症状が出た方なども、医師にご相談ください。
 4.ワクチンの副作用を知りたい
主な副反応はワクチン接種部位の腫れ・発赤・痛み、全身症状として発熱・悪寒・頭痛・倦怠感・嘔吐などですが、通常2〜3日中に消失します。まれではありますが、以下のような副作用もありますので、体調の変化に気づかれた場合、必ず医師にご相談ください。
ショック・アナフィラキシー症状:蕁麻疹・呼吸困難 など
急性散在性脳せき髄炎:発熱・頭痛・けいれん・運動障害・意識障害 など
ギランバレー症候群:手足が動きにくくなるなど
けいれん
過敏症:発疹・紅斑・じんま疹・かゆみなど
 5.ワクチンの料金はどのくらいかかりますか?
保険適用ではありませんので一回に3,000円〜5,000円前後のところが多いようですが病院によって、値段はまちまちです。前もって病院にお問い合わせください。

65歳以上の人と60歳以上で肺や心臓などに病気がある人には費用の一部を国と地方自治体で負担する制度があります。事前に市区町村にお問い合わせください。
 6.インフルエンザのワクチンの効果はどのくらいの期間持続するの?
インフルエンザワクチンの効果の持続は接種後約5ヶ月といわれています。
 7.ワクチンを接種する時期は?
日本でのインフルエンザは毎年11月下旬から12月上旬に発生が始まり翌年の1月から3月までその数が増加しその後、感染者が減少していくというパターンが多いようです。また、ワクチン接種から抗体獲得まで2週間ほど罹るといわれていますので、 接種時期は11月中には終わらせるのが理想的です。
 8.どこの病院でもワクチン接種は受けられますか?
ほとんどの内科・小児科で接種は可能です。ワクチン数などのこともあり、予約制になっている病院も多いので、いきなり受診しても当日接種できないこともあります。電話で確認後受診されることをおすすめします。
 9.大流行し始めてから接種しても間に合いますか?
流行期でも受けることはできます。流行期に接種しても感染しやすくなったり、症状が重くなることはありません。ただし、ワクチンを接種してから抗体獲得までは2週間ほどかかりますので、流行中のウイルス株には間に合わない可能性が高くなります。しかし、その年に流行するウイルス株が一種類とは限りません。その先に別の株が流行するようであれば、そのウイルス株については効果があるということになります。
 10.インフルエンザワクチンの接種方法は?
日本のインフルエンザワクチンの接種法は、0.5mlを皮下に、1回または約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。ただし、6歳〜13歳未満は0.3ml、1歳〜6歳未満は0.2ml、1歳未満は0.1mlを皮下に約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。

2回接種を行う場合の接種間隔は、4週間の間隔をあけたほうが免疫の獲得がよいそうです。
 11.接種回数は?
小さいこどもたちを除けば、大部分の人たちは今までに生涯の中で、Aソ連型インフルエンザ・A香港型インフルエンザ・B型インフルエンザに感染したことがあると考えられます。以前に感染したことがあれば、弱い基礎的な免疫を持っていると考えられ、インフルエンザワクチンの 1回の接種によりその冬を持ちこたえる免疫を獲得すると考えられます。
年齢 接種回数
13歳未満 2回接種
13歳以上 1回接種、または2回接種
65歳以上 1回接種
 12.4週間以内に2回目の接種が出来なかった。1回目からやり直すべき?
接種間隔は1〜4週といわれています。しかし4週間以上あいたとしても抗体産生にはほとんど差がないそうです。8週間以内なら最初からやり直す必要はないといわれています。
 13.ワクチン接種後の注意点は?
接種当日は激しい運動を避けること。接種部位を清潔に保つこと(入浴は可)。何らかの健康状態の変化があれば、医師の診察を受けましょう。

重篤なアレルギー反応を起こしたときにすぐに対応できるように、接種後はすぐには帰宅せず、すくなくとも30分はその場で様子を見ましょう。
◇   ◇   ◇
厚生労働省インフルエンザ対策キャンペーン ホームページ
<参考・引用文献>
「小児内科10 予防接種Q&A」 東京医学社
「アセスメントによる予防接種Q&A」 医師薬出版
「日本医薬品集第26版」 じほう
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