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ティーペック健康ニュース

第121号 2002/12/10  
監修:順天堂大学医学部付属順天堂医院 総合診療科
小林 暁子

子供の発熱について

今の季節、子供は急に発熱する事が多く、特に夜中など、お母さんはどう対応したらよいのか困ってしまう事があります。

子供の急な発熱の原因は殆どが風邪などの感染症によるものです。冬は、寒さと乾燥で鼻や咽の粘膜の抵抗力が弱くなっているために感染を受けやすいのです。

生後6ヶ月くらいになるとお母さんからもらった抗体が殆どなくなってしまい、それから先は、小さな感染症を繰り返しながら、自分で抗体を獲得していかなければなりません。

子供が高熱を出している時は、体内に侵入した病原体と闘ってこれを撃退する力を学んでいるところなのです。 いくら高熱が出ても、それだけで脳に障害を残すことはまずありません。しかも熱の高さと病気の重症度は必ずしも一致しません。大切なのはなぜ熱が出てきたか、ということなのです。まず落ち着いて子供の様子を観察しましょう。
 1.全身状態はどうでしょう?
少々熱があっても元気で食欲があり、他に症状がなければ心配ないことが多いものです。室温が暑すぎたり、着せすぎたりしていませんか?水分が不足しても熱が出ることがあります。暖房や衣類を調整して、欲しがるなら水分もたっぷり補給してあげてください。

発熱したからといってあわてることはありませんが、38度以上あれば元気が良くても一応診療時間内に小児科へ連れて行きましょう。熱は午後から夜にかけて高くなる傾向がありますので、夜中になってやっぱり心配だからと救急病院に連れて行くことにならないようにしたいものです。

熱があるけれど風邪症状はないとき、耳を気にする、痛がるなどの症状があれば中耳炎の可能性があります。耳だれで気づくこともあります。きちんと治療しないと耳の聞こえが悪くなることもあります。

発熱と共に、尿が濁ったり、色が赤やピンクだったりしたら、膀胱炎や腎盂炎など尿路感染症の疑いがあります。どちらも診療時間を待って受診してください。

夜中に38度以上の熱があって赤い顔をしていても、水分やオッパイが飲めて機嫌が良ければ一安心。逆に熱がそう高くなくても、機嫌が悪い、食欲がない、顔色が悪い、ぐったりしている、呼吸が速いなどの場合は要注意です。子供は病状が急変することもあります。いつもそばにいるお母さんが「これはいつもと違う!」と思った時は夜でも迷わず受診しましょう。
 2.解熱剤について
以前は熱が高いときには解熱剤を使って下げることが多かったのですが、最近は「発熱は生体の防御反応である」と考え、全部の発熱を下げなくても良いと考えるようになりました。

しかし高熱のため食欲をなくしている、ぐったりとして元気がない、睡眠が充分にとれない、熱性けいれんの既往がある(この場合は、38度以下でも使用の指示が出ることがあります)、などで、医師が必要と認めた時には処方されるでしょう。その時は、何度以上、何回まで、何時間の間隔で、一日何回まで使用出来るか?など確認しておきましょう。特に赤ちゃんは、体温中枢が未熟なために油断していると体温が下がり過ぎてしまうことがよくあるからです。

ライ症候群やインフルエンザ脳症と解熱剤との関係が問題にされていますが、アセトアミノフェン(アンヒバ、カロナール、アルピニー)については安全と言われています。
 3.発熱時注意すること
寒気や震えのあるときは少し厚着にし、発汗や暑がったりする時は薄着にするように調節しましょう。
安静と水分の補給(少量を頻回に)を充分にするようにします。水分摂取が少ない時は高熱でなくても受診が必要なこともあります。脱水状態に注意しましょう。
入浴に関しては一般的には熱が下がってから、短時間で湯冷めしないようにしましょう。
発熱が3日以上続くような時は、元気があっても病院で診てもらいましょう。
◇   ◇   ◇
<参考文献>
「開業医の小児科」 南山堂
「臨床医マニュアル」 医歯薬出版株式会社
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