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ティーペック健康ニュース

第113号 2002/4/10  
監修:順天堂大学医学部付属順天堂医院 総合診療科
小林 暁子

紫外線による皮膚への影響

最近、紫外線による身体への悪影響がはっきりしてきました。紫外線は、皮膚表面に日焼けによる炎症を起こすだけではなく、皮膚の組織やDNAを傷つけ、しみやしわ、皮膚ガンの原因になることがわかっています。

日光の中の紫外線は、オゾン層や成層圏の酸素分子に吸収されるので、地上に届くのは数パーセントです。 しかし、オゾン層の破壊によって地上に届く紫外線の量が増えてきているので、日焼けが気になる女性だけでなく、赤ちゃんからお年寄りまで全ての人に紫外線対策が必要です。

紫外線による皮膚の老化は10才代から始まっており、一生の間に浴びる紫外線の半分を18才までに浴びると言われているので、特に子供の頃の紫外線対策が重要です。
 紫外線とは
紫外線は1年中降り注いでいますが、4月から9月が最も多く、 夏至は冬至の5倍になります。時間帯では午前10時から午後3時が多く、この時間帯の外出は特に注意が必要です。 また、紫外線は薄い窓ガラスは通過しますし、曇りの日でも快晴時の5〜6割、雨の日も3割程度は降り注ぐので、油断はできません。

地上に届く紫外線は、波長の長いUVAと、比較的短いUVBがあります。UVBは夏に多く、いわゆる日焼けを起こす紫外線です。やけどのような炎症を起こしたり、DNAを傷つけたりします。 UVAUVBのような激しい症状は起こしませんが、皮膚の表皮の下の真皮にまで到達し、 じわじわと組織を傷つけます。皮膚に張りがなくなり、しわができやすくなります。
 紫外線による皮膚のダメージ
健康な人であれば、DNAが傷ついても修復する能力がありますが、紫外線を浴び続けると、DNAを傷つけるだけでなく、修復能力も低下します。

また、表皮にはランゲルハンス細胞という免疫に関わる細胞がありますが、 紫外線を浴び続けるとこの細胞の機能が障害され、数も減ってしまうため、免疫がうまく働かず、異常な細胞が増えてしまいます。 これらのことから、皮膚ガンにかかりやすくなります。
紫外線を浴びると、表皮にあるメラノサイトという細胞からメラニン色素が産生されます。 メラニン色素には、紫外線から皮膚を守る働きがあります。日に焼けると皮膚が黒くなるのは、メラニン色素が増えるためです。 通常、メラニン色素は新陳代謝によってアカとして剥がれ落ちますが、新陳代謝が低下していたり、追いつかないほど大量の紫外線を浴びると、 しみとして残ってしまいます。

メラノサイトの働きや、メラニン色素の質には個人差があります。日光に当たると皮膚が赤くなってヒリヒリし、 黒くなりにくい人はメラニン色素が産生されにくく、特に紫外線に弱いタイプです。
 紫外線対策
紫外線を防ぐ方法としては、サンスクリーン剤(日焼け止め)を塗ることがあります。 サンスクリーン剤に表示されている、SPFやPAは紫外線の防御指数です。 SPFUVBの防御指数で、数値が高いほど効果が高くなります。PAはUVAの防御指数で、+、++、+++の3段階があり、 +の数が多いほど効果が高くなります。

日常生活での紫外線を防ぐには、SPF10〜20、PA+〜++が目安です。 山岳では高度が1000m上昇するとUVB量が10〜20%増え、雪面ではほぼ100%、水面でもかなりの量が反射するので、スポーツやレジャー時は効果が高いものやウォータープルーフタイプのものが良いでしょう。 肌が弱い人は紫外線吸収剤を使っていないノンケミカルタイプのものを選ぶと良いでしょう。

また、サンスクリーン剤だけではなく、窓ガラスに紫外線防御フィルムを貼ったり、帽子日傘衣類等で紫外線を遮ることも大切です。
 日光浴
紫外線を浴びることによって体内でビタミンDが合成されるため、以前は日光浴がすすめられていました。 ビタミンDを合成するには、手など衣類から出ている部分が1日に20分間日光に当たれば足りますし、 ビタミンDは食物からもとることができるので、食生活が豊かになった現在は、ビタミンDが不足することはほとんどありません。

やはり、紫外線は積極的に防いだほうが良いでしょう。 ビタミンD不足が心配な場合は、ビタミンDが多く含まれる、レバーや魚、卵黄を積極的にとると良いでしょう。 日光で干した干物や干ししいたけにもビタミンDは多く含まれています。

◇   ◇   ◇
<参考文献>
「皮膚科診察プラクティススキンケアの実際」 文光堂<
「健康づくりへのアプローチ」 文光堂
「きょうの健康2001年11月号」 「NHK出版」
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